Webマガジン「考える人」

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2019年9月20日

初公開! 天童荒太さんの創作の舞台裏(No.785)

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夏休み子ども科学電話相談でおなじみのお二人による対談が大人気! 今週も引き続き首位でした。

バールに行くことは内田さんの日課。スポーツ新聞に目を通し、エスプレッソを飲みながら、聞こえてくる雑談に耳を澄ますと…。

たとえば台風が近づいているとき「安全を第一にお休み」することの大切さを呼びかける日記にアクセスが集まりました。

編集長 今週のメルマガ

小説家・天童荒太さんの「Q&A的小説作法講義——『孤独の歌声』から『永遠の仔』『悼む人』最新作『ペインレス』まで」を掲載しました。

5月29日に神楽坂ラカグで行われたこのイベントについては、メールマガジン771号で書きましたが、『ペインレス』を読んだ読者に向けた一問一答Q&Aの予定だったものが、天童さんの意向で、事前に集められた質問を含んだ「小説作法講義」となりました。

私の知っている小説家の中でも、今後書く予定の複数の小説のメモを毎日ノートにとり、ゲラに徹底的に手を入れる天童さんの小説の書き方はかなり個性的なのですが、講演もイベントもほとんど引き受けない天童さんが、自分の創作の舞台裏を見せるのは初めてだとのことです。

テーマをいかに深化させ、そこからストーリーやキャラクターを生むか。小説をどのように作り上げていくかを、「1 小説の可能性」「2 テーマ、ストーリー、キャラクター」「3 創作以前の妄想」「4 作品と作家の相互関係」「5 取材」「6 タイトルと人物名」「7 学びと各芸術の役割」「8 作家の姿勢と生活」「9 これからの書き手へ」と9つのパートにわけて詳細に語られます。イベントで話したことにさらに徹底的に手が入り、なかなか類を見ない小説講義になりました。ぜひお読みください。

9月12日(水)
昨年11月中旬からUQモバイルのSIMを入れてiPhone 6sを使うようになったことを以前メルマガでも書いたが、それからもう10か月。まったく速度の低下は感じず、快適に使えている。

社内の人に、その後どうですかと時々聞かれるので、ここ半年の支払い金額を書いておく。

3月使用分 2,816円
4月使用分 2,251円
5月使用分 2,569円
6月使用分 2,121円
7月使用分 2,072円
8月使用分 2,057円

「データ高速+音声通話プラン」という安いプラン(3G使えて、通話料は入っていない)の契約のせいもあって、すごく安い。今のところ、変える予定はない。つくづく変えてよかったと思うのだけれど、格安SIMにしてしまうと、機種本体を変えるタイミングがなくなってしまうきらいはあるな。

9月13日(木)
高村薫さんと南直哉さんの対談のために、日帰りで福井へ。

以前、「考える人」の2011年春号で東日本大震災の前に対談をしていただいて以来、二人は7年ぶりの再会。南さんが住職をつとめる霊泉寺に。私たち関東組は新幹線で金沢駅まで行き、サンダーバードという特急で福井駅に。そこからタクシーで20分くらいで越前東郷駅近くの霊泉寺に着いた。

福井駅、はじめて来たはずなのになんか見覚えのある駅だな、と思ったらドラマ版「チア★ダン」第1話のラストで土屋太鳳らが踊っていたところだからか。ここ最近、福井は永平寺だけでなく、恐竜博物館をかなり観光資源にしているそうで、駅前にも動く恐竜のモニュメントが設置されていた。

「あれ見ると、恐竜博物館、駅の近くみたいだけど、本当はここから30キロぐらいあるんですよ」と運転手さんが笑いながらつぶやく。

7年ぶりの対談は、二人のその後の歩みと、震災後の社会の変容を埋めていくもので、3時間みっちりとおこなわれた。「信じる」とはどういうことなのか、について、話は何度も戻っていく。

この対談は後日、当サイトに掲載の予定です。

9月14日(金)
相原コージさんとの『サルまん サルでも描けるまんが教室』で名を馳せた編集家・フリーライター竹熊健太郎さんの『フリーランス、40歳の壁——自由業者は、どうして40歳から仕事が減るのか?』を読む。

ダイヤモンド社から出ているせいか、帯に「一生フリーを続けるためのサバイバル術」とあり、ハウトゥものっぽい感じの装幀になっているが、『私とハルマゲドン』で自分とオウム真理教信者の心理的な類似性について書いたり、『篦棒な人々——戦後サブカルチャー偉人伝』で康芳夫や石原豪人や川内康範といったサブカルチャー界の怪人をインタビューしたりした、かなり変わった著者の本だから、この本もあまり普遍性のある内容ではない。

40歳を超えて仕事が少なくなり、生活が苦しくなり警備員のアルバイト。結婚と離婚を経験したり、借金を重ねて多重債務者となったり、脳梗塞で倒れてしまったり、大学の専任教授になるが、まったくむいていなくて苦しんだり、発達障害と適応障害と診断されたり、『電脳マヴォ』というマンガ投稿サイトを作ったり、起業したり、という知らなかった近年の生活の現状が書かれる。

苦しい話が多いが、あまり悲壮感がなく、前向きなのが著者の美点だと思う。田中圭一さんや都築響一さんなどのインタビューも載っているが、やはり著者の人生が一番身につまされる。そして、生々しい。

9月16日(日)
俳優のトム・ハンクスが書いた小説『変わったタイプ』を読み、デザイナーのトム・フォードが撮った映画『ノクターナル・アニマルズ』を見た。

『変わったタイプ』はよくできた、しかし少し変わった短編集で、『ノクターナル・アニマルズ』はメタ的な構造を持ったスリラー。まったく違った作風の二作だが、余技だからこそ、思い切った仕事ができることもあるのだということを強く思った。先々のことをあまり計算せず、また商業的な成功も考えすぎず、自分が本当に表現したいことに力を注ぎ込む。

そして、社会的には成功者という位置にいるはずの二人であるが、登場人物を取り囲む世界に対する認識はとても暗い。そこから見える風景も、そうなのか。やはり、世界というのは、彼らにとっても、ひりひりとした、寒々とした、残酷なものなのか。

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考える人とはとは

何かについて考え、それが「わかる」とはどういうことでしょうか。

「わかる」のが当然だった時代は終わり、平成も終わり、現在は「わからない」が当然な時代です。わからないことを前提として、自分なりの考え方を模索するしかありません。

わかるとは、いわば自分の外側にあるものを、自分の尺度に照らして新しく再構成していくこと。

"Plain living, high thinking"(シンプルな暮らし、自分の頭で考える力)*を編集理念に、Webメディア「考える人」は、わかりたい読者に向けて、知の楽しみにあふれたコンテンツをお届けします。

*産業革命後に急速な都市化が進むロンドンで、イギリスの詩人ワーズワースが書き遺した言葉。

 

 

「考える人」編集長 松村 正樹


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