漱石、子規、鴎外、ポー、ドイル、ハメットなど多くの名作の中にひっそりと生れ、作者と読者を静かに誘い、やがて火の如く世界を染め上げる魔性の色=「赤」。この色と「フィクション」との驚きに満ちた関係が徹底的に考察され、ギリシャ的な図式や多くの理論家の呪縛から読者を解放する、フィクション論の決定版。