「鶴川」一覧
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第7夜 霊園の山のあなたの空遠く
その店を知ったのは、車で迷子になったせいだった。 神奈川県川崎市に生田緑地とよばれる都市公園がある。そのなかに日本民家園という全国から歴史的な民家を集めた施……
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第6夜 呑みたい日には川を下って
待ち合わせたのは蒲田駅だった。 蒲田駅にはJRと京急の二つの駅がある。いつも使うのはJRのほうで、こちらは『砂の器』でいきなり死体が発見される操車場がある。その……
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第5夜 絶対に囲みたい場所がある
長の無沙汰、大変失礼しました。 先日、久しぶりに会った酒場の大将から 「ジャンプさん、ロビンソン酒場に行ったきり戻って来ないっすね」 と言われた。もはや、改……
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MAIL MAGAZINE
とは
はじめまして。2021年2月1日よりウェブマガジン「考える人」の編集長をつとめることになりました、金寿煥と申します。いつもサイトにお立ち寄りいただきありがとうございます。
「考える人」との縁は、2002年の雑誌創刊まで遡ります。その前年、入社以来所属していた写真週刊誌が休刊となり、社内における進路があやふやとなっていた私は、2002年1月に部署異動を命じられ、創刊スタッフとして「考える人」の編集に携わることになりました。とはいえ、まだまだ駆け出しの入社3年目。「考える」どころか、右も左もわかりません。慌ただしく立ち働く諸先輩方の邪魔にならぬよう、ただただ気配を殺していました。
どうして自分が「考える人」なんだろう――。
手持ち無沙汰であった以上に、居心地の悪さを感じたのは、「考える人」というその“屋号”です。口はばったいというか、柄じゃないというか。どう見ても「1勝9敗」で名前負け。そんな自分にはたして何ができるというのだろうか――手を動かす前に、そんなことばかり考えていたように記憶しています。
それから19年が経ち、何の因果か編集長に就任。それなりに経験を積んだとはいえ、まだまだ「考える人」という四文字に重みを感じる自分がいます。
それだけ大きな“屋号”なのでしょう。この19年でどれだけ時代が変化しても、創刊時に標榜した「"Plain living, high thinking"(シンプルな暮らし、自分の頭で考える力)」という編集理念は色褪せないどころか、ますますその必要性を増しているように感じています。相手にとって不足なし。胸を借りるつもりで、その任にあたりたいと考えています。どうぞよろしくお願いいたします。
「考える人」編集長
金寿煥
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