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「俳句」一覧

私の同行二人――ふたたびの四国遍路
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第11回 「ありがとう」が湧き出すとき

手許に戻ってきた金剛杖  ほっとしてベンチの方に向かうと、男性のお遍路さんが座っていた。「もしかして大坂遍路道を来ましたか?」。はいと言うと、驚いた顔をした。「……

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第10回 口実ではない、発心を探し求めて

「四国に試されている」  三十五番清滝寺(きよたきじ)・三十六番青龍寺(しょうりゅうじ)と打ち、宇佐の宿に入ると、元気の良い若女将が切り盛りしていた。最近では大女将……

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第9回 母のこと、父のこと

計らいは「がん封じ乃椿」  6年前の遍路でも世話になった安芸の友人宅に泊めてもらい、脚を休ませることにした。翌日は朝から篠突く雨となった。休むにはちょうど良い。母……

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第8回 カイロスと呼べる自分だけの時間

ゴロゴロ浜に山頭火を重ねて  ホテルを出て間もなく、小島と小島の間から朝日が昇りはじめた。朝焼けがしだいに濃くひろがる海を左手に、国道55号を進む。入江で今日も一……

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第7回 身体を軸にして見、考えること

ふと気づくとそこにいる蜘蛛  スーザンは50代前半、オランダでは禅のインストラクターをしている。これが人生二度目の海外旅行。20年前にニューヨークへ夫と行ったのが一……

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第6回 「因」があって「縁」が生まれる

「それは自然に逆らっとるわ」  Oさんに蹤(つ)き、慈眼寺(じげんじ)を目指して宿を出た。小学校の校長をされていたOさんは声が大きく、包み込むような温かさで誰とでも接……

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第5回 光明は苦海にしか射さない

転んだことにも意味がある?  血で汚れた服を洗濯し、シャワーで手足や顔の傷口を洗い手当てをする。布団に寝転がり休んでいるといつの間にか土砂降りの雨になっていた。 ……

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第4回 歩き遍路が抱えているもの

タトゥーの巨漢の無垢な笑み  終始他者に気を配り、控えめな智恵さん。どれ程の悲しみを抱えて遍路にやってきたことだろう。「お母様が守ってくださっていますよ」「こち……

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第3回 人生を「どちら側」からながめるか

ズキズキと痛み出した右膝  7世紀後半、修験道の祖とされる役小角(えんのおづぬ)が石鎚山(いしづちさん)で修行をしたことで、四国は山岳信仰の場となり、同じく天平年間に……

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第2回 遍路という“トポス”

父の供養も目的の一つ  9月17日、徳島市内のホテルに前泊した私は、JR高徳線で一番札所霊山寺(りょうぜんじ)の最寄り駅板東(ばんどう)駅へと向かった。二輌電車の中にたっ……

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第1回 歩かざるを得ない生

芭蕉、山頭火、寅さん  逍遥する、散歩をすることを英語でsaunterという。  19世紀半ばに『森の生活』を著したヘンリー・ソローによれば、この言葉は「中世に国中を放浪……

随筆 小林秀雄
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二十一 経験について

 私が二十代だった頃、といえばもう四十年もそれ以上も昔になるが、当時、大人の間でも若者の間でも、「経験、経験、経験だ!」ということが盛んに言われ、それに煽られる……

暮らしのサウンドスケイプ
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  • エッセイ

歳末、 「音のある季語」を訪ねて

 好きな季語の一つに「年用意(としようい)」がある。正月事始ともいい、十二月十三日から掃除や残務整理など、新年を迎えるための準備に入ることである。  試しに、私の……

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考える人とはとは

 はじめまして。2021年2月1日よりウェブマガジン「考える人」の編集長をつとめることになりました、金寿煥と申します。いつもサイトにお立ち寄りいただきありがとうございます。
「考える人」との縁は、2002年の雑誌創刊まで遡ります。その前年、入社以来所属していた写真週刊誌が休刊となり、社内における進路があやふやとなっていた私は、2002年1月に部署異動を命じられ、創刊スタッフとして「考える人」の編集に携わることになりました。とはいえ、まだまだ駆け出しの入社3年目。「考える」どころか、右も左もわかりません。慌ただしく立ち働く諸先輩方の邪魔にならぬよう、ただただ気配を殺していました。
どうして自分が「考える人」なんだろう―。
手持ち無沙汰であった以上に、居心地の悪さを感じたのは、「考える人」というその“屋号”です。口はばったいというか、柄じゃないというか。どう見ても「1勝9敗」で名前負け。そんな自分にはたして何ができるというのだろうか―手を動かす前に、そんなことばかり考えていたように記憶しています。
それから19年が経ち、何の因果か編集長に就任。それなりに経験を積んだとはいえ、まだまだ「考える人」という四文字に重みを感じる自分がいます。
それだけ大きな“屋号”なのでしょう。この19年でどれだけ時代が変化しても、創刊時に標榜した「"Plain living, high thinking"(シンプルな暮らし、自分の頭で考える力)」という編集理念は色褪せないどころか、ますますその必要性を増しているように感じています。相手にとって不足なし。胸を借りるつもりで、その任にあたりたいと考えています。どうぞよろしくお願いいたします。

「考える人」編集長
金寿煥


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