2022年5月23日
【新連載】高山裕二「ロベスピエール 民主主義の殉教者」
新連載「ロベスピエール 民主主義の殉教者」がスタートしました。著者は、明治大学准教授の高山裕二氏。2011年に上梓した前著『トクヴィルの憂鬱』(白水社)では、サントリー学芸賞を受賞するなど注目の政治思想史研究者です。
フランス革命において「真の民主主義」を追求したがゆえに、次々と政敵を処刑する「恐怖政治」の権化となり、自らもまたギロチン台の露と消えたロベスピエール。その生涯を辿り直し、民主主義に内在する「魔性」を浮き彫りにします。
第1回は「真の民主主義を求めて」です。どうぞお楽しみに。
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とは
はじめまして。2021年2月1日よりウェブマガジン「考える人」の編集長をつとめることになりました、金寿煥と申します。いつもサイトにお立ち寄りいただきありがとうございます。
「考える人」との縁は、2002年の雑誌創刊まで遡ります。その前年、入社以来所属していた写真週刊誌が休刊となり、社内における進路があやふやとなっていた私は、2002年1月に部署異動を命じられ、創刊スタッフとして「考える人」の編集に携わることになりました。とはいえ、まだまだ駆け出しの入社3年目。「考える」どころか、右も左もわかりません。慌ただしく立ち働く諸先輩方の邪魔にならぬよう、ただただ気配を殺していました。
どうして自分が「考える人」なんだろう――。
手持ち無沙汰であった以上に、居心地の悪さを感じたのは、「考える人」というその“屋号”です。口はばったいというか、柄じゃないというか。どう見ても「1勝9敗」で名前負け。そんな自分にはたして何ができるというのだろうか――手を動かす前に、そんなことばかり考えていたように記憶しています。
それから19年が経ち、何の因果か編集長に就任。それなりに経験を積んだとはいえ、まだまだ「考える人」という四文字に重みを感じる自分がいます。
それだけ大きな“屋号”なのでしょう。この19年でどれだけ時代が変化しても、創刊時に標榜した「"Plain living, high thinking"(シンプルな暮らし、自分の頭で考える力)」という編集理念は色褪せないどころか、ますますその必要性を増しているように感じています。相手にとって不足なし。胸を借りるつもりで、その任にあたりたいと考えています。どうぞよろしくお願いいたします。
「考える人」編集長
金寿煥
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