「岡倉天心 日本近代絵画を創った描かぬ巨匠」一覧
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第十二回 美の国、美のちから(四)
一八八四(明治一七)年、天心はフェノロサの通訳として調査のために法隆寺にいた。フェノロサは寺側に夢殿に収められている仏像の公開を求める。しかし、寺院はそれを容……
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第十一回 美の国、美のちから(三)
天心の精神――さらにいえば、その霊性を――考えるとき、現代に生きる私たちは、彼が考えた「美術」の深みを幾度踏みしめ、感じ直しても徒労に終わることはないだろう。それ……
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第十回 美の国、美のちから(二)
表し得ないものを、あえて語ろうとする者は、表し得ないものの実在を信じる者である。少なくとも天心はそうだった。人間が十全に表現することのできない、万物に遍在する……
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第九回 美の国、美のちから(一)
著述家としての天心の日本語を、私たちは知らない。彼が残した三冊の本はすべて英語で書かれている。天心にとって英語が第二の母語というべきものだったことは先の章でふ……
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第八回 呼びかける東洋
美術院の創設と暗礁 人生の岐路というべき出来事に遭遇するたびに天心は海外へ行った。欧米だけでなく、中国、インドを含め天心は、生涯に十回外国を旅している。 一八……
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第七回 修復という創造
仏像の修復は新しい美の創造 今日では名刹と呼ばれる寺はどれも荒廃していた。明治政府が唱えた神仏分離が原因だった。この政策は、寺の立場を弱めるだけでなく、千年を……
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第六回 光雲と波山
仏師としての誇り 近代日本画における天心の影響はこれまでもしばしば語られてきたが、彼の影響は絵画にのみ留まるものだったわけではない。天心の念頭にあったのはいつ……
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第五回 釈迦伝、連作の絵を描け
天心が出した「懸賞仏画募集広告」 長く読書に親しんだ人なら、自分が本を選んだのではなく、本が自分を選んだ、そう感じた経験が、一度や二度はあるだろう。書物はとき……
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第四回 非戦の悲願
衣服とは魂の表象 一八八七(明治二〇)年秋、天心らは年初からの十ヵ月に及ぶ視察を終えようとしていた。欧州を離れたあと、直接日本に向うのではなく、ひとたびアメリ……
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第三回 秘仏とモナ・リザ
なぜ和辻は天心を書き落としたのか 一八八四年の夏、フェノロサは文部省の命を受け、法隆寺に調査に向う。来日して六年後のことだった。フェノロサは夢殿に安置されてい……
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第二回 観音の遺言
高島嘉右衛門の学校に学ぶ 天心岡倉覚三は、一八六三(文久二)年、横浜に生まれた。 だが、この記述も精確ではない。彼の親が付けた名前は「角蔵」だった。父親は武士……
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序章 野に下る
一八九八(明治三一)年十月、第一回の院展において横山大観の「屈原」が発表された。この作品は、描いた大観にとってだけでなく、近代日本画の分水嶺になった。画法、主……
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とは
何かについて考え、それが「わかる」とはどういうことでしょうか。
「わかる」のが当然だった時代は終わり、平成も終わり、現在は「わからない」が当然な時代です。わからないことを前提として、自分なりの考え方を模索するしかありません。
わかるとは、いわば自分の外側にあるものを、自分の尺度に照らして新しく再構成していくこと。
"Plain living, high thinking"(シンプルな暮らし、自分の頭で考える力)*を編集理念に、Webメディア「考える人」は、わかりたい読者に向けて、知の楽しみにあふれたコンテンツをお届けします。
*産業革命後に急速な都市化が進むロンドンで、イギリスの詩人ワーズワースが書き遺した言葉。
「考える人」編集長
松村 正樹

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