シンプルな暮らし、自分の頭で考える力。
知の楽しみにあふれたWebマガジン。
 
 
磯野真穂
磯野真穂
(いその・まほ)

人類学者。東京科学大学リベラルアーツ研究教育院教授。長野県安曇野市出身。早稲田大学人間科学部スポーツ科学科を卒業後、トレーナー資格を取るべく、オレゴン州立大学スポーツ科学部に学士編入。しかし自然科学のアプローチに違和感を覚え、文化人類学に専攻変更。同大学大学院にて応用人類学修士号取得。IT企業にて2年間の派遣社員を経た後、早稲田大学大学院文学研究科に入学し、2010年に博士(文学)取得。早稲田大学文化構想学部助教、国際医療福祉大学大学院准教授を経て、2020年より在野の研究者として活動。2024年より現職。専門は文化人類学、医療人類学。 著書に『なぜふつうに食べられないのか:拒食と過食の文化人類学』(春秋社)、『医療者が語る答えなき世界:「いのちの守り人」の人類学』(ちくま新書)、『ダイエット幻想:やせること、愛されること』(ちくまプリマー新書)、『他者と生きる:リスク・病い・死をめぐる人類学』(集英社新書)、『コロナ禍と出会い直す:不要不急の人類学ノート』(柏書房。第33回山本七平賞受賞)、宮野真生子との共著に『急に具合が悪くなる』(晶文社。濱口竜介監督により映画化、カンヌ国際映画祭最優秀女優賞受賞)がある。

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考える人とはとは

 はじめまして。2026年7月1日よりウェブマガジン「考える人」の編集長をつとめることになりました、松本太郎と申します。いつもサイトにお立ち寄りいただき、ありがとうございます。

 2002年7月4日、季刊誌「考える人」が創刊されました。

 目次には当代随一の執筆陣がずらりと並び、B5判240ページの誌面の隅々から知の香りが立ちのぼってくるかのようでした。

 当時、入社3か月の営業部員だった私は、見上げるような思いで手に取り、発売日には編集長の松家仁之さんと創刊のご挨拶のために書店にうかがいました。

 まだ書店訪問にも慣れておらず、編集長ともほぼ初対面の中、次のお店の約束の時間に間に合うだろうかと時計ばかりが気になって、終始、そわそわしていました。そんな私に松家さんがやわらかな笑顔で接してくれたこと、そして、新雑誌の門出を祝うようなすっきりと晴れた一日だったことを覚えています。

 あれから四半世紀が過ぎ、ウェブマガジンとして衣替えした今でも、創刊時に掲げられた「Plain living, high thinking(シンプルな暮らし、自分の頭で考える力)」という言葉は古びていません。AIに尋ねれば瞬時に答えが返ってくる時代だからこそ、それらしい言葉に飛びつくのではなく、自分の頭で考え、心の声に耳を澄ませることの大切さは増しているように感じます。

 創刊号には、養老孟司さんのロングインタビューが掲載されています。養老さんはその中で、恩師である中井準之助先生の口癖だった「人の心がわかる心を教養という」という言葉を紹介しています。

 読んだ瞬間に立ち止まり、さまざまな思いが湧き上がってくるような文章に、楽しみながら出会える場であり続けたいと思っています。

「考える人」編集長
松本太郎


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