8月24日午後、一般財団法人 新潮文芸振興会と新潮社の主催による「小林秀雄賞」「新潮ドキュメント賞」選考会がオークラ東京にて行なわれ、受賞作品が決定しましたので、ここにお知らせいたします(新潮ドキュメント賞についてはこちらをご覧ください)。
受賞作品
『三島由紀夫論』
(2023年4月 新潮社)
著者略歴
平野啓一郎(ひらの・けいいちろう)
1975年、愛知県蒲郡市生まれ。小説家。1999年、デビュー作の『日蝕』で芥川賞を当時最年少(23歳)で受賞。2009年に『決壊』で芸術選奨文部科学大臣新人賞、2019年に『ある男』で読売文学賞を受賞。2014年、フランス共和国芸術文化勲章シュヴァリエ。他の著書に『葬送』『マチネの終わりに』『滴り落ちる時計たちの波紋』『顔のない裸体たち』など。2020年より芥川賞選考委員。
授賞理由
構想から23年。「三島由紀夫の再来」と言われた著者が、自身の作家としての原点である三島に真摯に向き合った。同時代を生きた人とは違う形で、新しい三島像を紡いだ。その営為を評価する。(文責・事務局)
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とは
はじめまして。2021年2月1日よりウェブマガジン「考える人」の編集長をつとめることになりました、金寿煥と申します。いつもサイトにお立ち寄りいただきありがとうございます。
「考える人」との縁は、2002年の雑誌創刊まで遡ります。その前年、入社以来所属していた写真週刊誌が休刊となり、社内における進路があやふやとなっていた私は、2002年1月に部署異動を命じられ、創刊スタッフとして「考える人」の編集に携わることになりました。とはいえ、まだまだ駆け出しの入社3年目。「考える」どころか、右も左もわかりません。慌ただしく立ち働く諸先輩方の邪魔にならぬよう、ただただ気配を殺していました。
どうして自分が「考える人」なんだろう――。
手持ち無沙汰であった以上に、居心地の悪さを感じたのは、「考える人」というその“屋号”です。口はばったいというか、柄じゃないというか。どう見ても「1勝9敗」で名前負け。そんな自分にはたして何ができるというのだろうか――手を動かす前に、そんなことばかり考えていたように記憶しています。
それから19年が経ち、何の因果か編集長に就任。それなりに経験を積んだとはいえ、まだまだ「考える人」という四文字に重みを感じる自分がいます。
それだけ大きな“屋号”なのでしょう。この19年でどれだけ時代が変化しても、創刊時に標榜した「"Plain living, high thinking"(シンプルな暮らし、自分の頭で考える力)」という編集理念は色褪せないどころか、ますますその必要性を増しているように感じています。相手にとって不足なし。胸を借りるつもりで、その任にあたりたいと考えています。どうぞよろしくお願いいたします。
「考える人」編集長
金寿煥
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