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小林秀雄賞

2024年8月30日 小林秀雄賞

第23回(2024年度)小林秀雄賞 受賞作決定のお知らせ

著者:

 2024年8月29日午後、一般財団法人 新潮文芸振興会と新潮社の主催による「小林秀雄賞」「新潮ドキュメント賞」選考会がオークラ東京にて行なわれ、受賞作品が決定しましたので、ここにお知らせいたします新潮ドキュメント賞についてはこちらをご覧ください

受賞作品

夢を叶えるために脳はある 「私という現象」、高校生と脳を語り尽くす

(2024年3月 講談社)

著者略歴

池谷裕二(いけがや・ゆうじ)

1970年、静岡県藤枝市生まれ。薬学博士。現在、東京大学薬学部教授。脳研究者。著書に『進化しすぎた脳』、『単純な脳、複雑な「私」』(ともに朝日出版社/講談社ブルーバックス)、『記憶力を強くする』(講談社ブルーバックス)、『脳には妙なクセがある』(扶桑社新書/新潮文庫)、『パパは脳研究者』(クレヨンハウス/扶桑社新書)など。

授賞理由

「私」、宇宙、時間といった重い主題を、解像度の高い言語で解き明かし、読者を本書の外にひろがる思念へと誘い出す。最新の脳科学を通じて、息の長いストーリーを構築した点を評価する。(文責・事務局)

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考える人とはとは

 はじめまして。2021年2月1日よりウェブマガジン「考える人」の編集長をつとめることになりました、金寿煥と申します。いつもサイトにお立ち寄りいただきありがとうございます。
「考える人」との縁は、2002年の雑誌創刊まで遡ります。その前年、入社以来所属していた写真週刊誌が休刊となり、社内における進路があやふやとなっていた私は、2002年1月に部署異動を命じられ、創刊スタッフとして「考える人」の編集に携わることになりました。とはいえ、まだまだ駆け出しの入社3年目。「考える」どころか、右も左もわかりません。慌ただしく立ち働く諸先輩方の邪魔にならぬよう、ただただ気配を殺していました。
どうして自分が「考える人」なんだろう―。
手持ち無沙汰であった以上に、居心地の悪さを感じたのは、「考える人」というその“屋号”です。口はばったいというか、柄じゃないというか。どう見ても「1勝9敗」で名前負け。そんな自分にはたして何ができるというのだろうか―手を動かす前に、そんなことばかり考えていたように記憶しています。
それから19年が経ち、何の因果か編集長に就任。それなりに経験を積んだとはいえ、まだまだ「考える人」という四文字に重みを感じる自分がいます。
それだけ大きな“屋号”なのでしょう。この19年でどれだけ時代が変化しても、創刊時に標榜した「"Plain living, high thinking"(シンプルな暮らし、自分の頭で考える力)」という編集理念は色褪せないどころか、ますますその必要性を増しているように感じています。相手にとって不足なし。胸を借りるつもりで、その任にあたりたいと考えています。どうぞよろしくお願いいたします。

「考える人」編集長
金寿煥

著者プロフィール


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