2024年4月12日
「恐山の禅僧」南直哉さんの連載が、新書『苦しくて切ないすべての人たちへ』として4月17日に発売!
「考える人」で連載していた南直哉さんの「お坊さんらしく、ない。」が、『苦しくて切ないすべての人たちへ』と改題、新潮新書から2024年4月17日に刊行されます。
本書は、悩み苦しみながら生きている人たちに向けた、「恐山の禅僧」からの30のメッセージです。「生きているだけで、大仕事」を合言葉に、「仕方なく、適当に生きる」「万事を休息せよ」「死んだ後のことは放っておけ」など、心の重荷を軽くする後ろ向き人生訓。死者に会うために辺境の霊場を訪れる人々、逸話だらけの修行時代、よい宗教とわるい宗教など、仏教の智慧をベースに、人々の苦しみの根源である「生老病死」に本音で寄り添います。
試し読み
連載の第1話「「老師」はつらいよ」をこちらから試し読みできます。
著者紹介
南直哉(みなみ・じきさい)
禅僧。恐山菩提寺院代(住職代理)、霊泉寺住職。1958年長野県生まれ。84年、出家得度。曹洞宗大本山・永平寺での修行生活を経て、2005年より恐山へ。18年、『超越と実存』で小林秀雄賞受賞。著書に『老師と少年』『恐山 死者のいる場所』『正法眼蔵 全新講』など。
本の目次はこちら!
はじめに
第一章 恐山夜話
一 お似合いの場所――「霊場恐山」について
二 後ろ向き人生訓
三 テレビのトラウマ
四 「赦す自分」を赦す
五 名器の霊
第二章 禅僧の修行時代
一 修行道場の怪獣
二 親しき仲にもポリティクス
三 「コミュ力」に必要な本当のこと
四 「ま、いいか」の精神
五 お布施はこわい
六 我が良き友よ
七 忘れる勇気――年齢を忘れよ。過去を忘れよ。自分を忘れよ。
第三章 お坊さん、らしくない。
一 「老師」はつらいよ
二 見かけは問題
三 私の「諸行無常」
四 禅と宇宙
五 住職の地獄耳
六 猫と草履の禅問答――「真理」への欲望
七 育成の困難
第四章 よい宗教、わるい宗教
一 よい宗教、わるい宗教
二 「宗教2世」と「カルト2世」
三 「自己カルト」だったのかもしれない。
四 「教祖」になれない
第五章 苦と死の正体
一 行先の心配
二 「親ガチャ」をゆるせないか
三 ゼロ思考――万事を休息せよ
四 「苦」の正体――覚めない夢、破れる現実
五 死んだ後のことは放っておけ
六 貧学道――「所有」という錯覚
七 命の種――「あなたがそこにいてくるだけでいい」
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南直哉『苦しくて切ないすべての人たちへ』
2024/4/17
公式HPはこちら。
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とは
はじめまして。2021年2月1日よりウェブマガジン「考える人」の編集長をつとめることになりました、金寿煥と申します。いつもサイトにお立ち寄りいただきありがとうございます。
「考える人」との縁は、2002年の雑誌創刊まで遡ります。その前年、入社以来所属していた写真週刊誌が休刊となり、社内における進路があやふやとなっていた私は、2002年1月に部署異動を命じられ、創刊スタッフとして「考える人」の編集に携わることになりました。とはいえ、まだまだ駆け出しの入社3年目。「考える」どころか、右も左もわかりません。慌ただしく立ち働く諸先輩方の邪魔にならぬよう、ただただ気配を殺していました。
どうして自分が「考える人」なんだろう――。
手持ち無沙汰であった以上に、居心地の悪さを感じたのは、「考える人」というその“屋号”です。口はばったいというか、柄じゃないというか。どう見ても「1勝9敗」で名前負け。そんな自分にはたして何ができるというのだろうか――手を動かす前に、そんなことばかり考えていたように記憶しています。
それから19年が経ち、何の因果か編集長に就任。それなりに経験を積んだとはいえ、まだまだ「考える人」という四文字に重みを感じる自分がいます。
それだけ大きな“屋号”なのでしょう。この19年でどれだけ時代が変化しても、創刊時に標榜した「"Plain living, high thinking"(シンプルな暮らし、自分の頭で考える力)」という編集理念は色褪せないどころか、ますますその必要性を増しているように感じています。相手にとって不足なし。胸を借りるつもりで、その任にあたりたいと考えています。どうぞよろしくお願いいたします。
「考える人」編集長
金寿煥
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