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山と食欲と私 日々野鮎美の山歩き日誌

 みなさま、こんにちは!
 日々野鮎美(27歳 会社員)です。

 わたくし、”山ガール”ならぬ”単独登山女子”なんて名乗っていますが、要するに人見知りです…(?!)。
(私の詳しいプロフィールをもっと知りたい方はこちらを→リンク

 普段は会社員、週末になると山歩きばかりの生活を送っている私が、登山を始めてみたい人向けにアテンドするならこの山! …という個人的にお気に入りのお山をご紹介します。

今回のお山は…「物見(ものみ)(やま)&日和田(ひわだ)(やま)」です!

ちょっと長くなるので、今回は物見山での山歩きにフォーカス! 日和田山がどんな山かはコミックス10巻108話を参照してみてくださいね。

物見山と日和田山はセットで楽しめる!

 物見山と日和田山はどちらも埼玉県の山。

 物見山は標高375m、日和田山は標高305mと、いずれもファミリーでも登りやすい山です。

 石灰岩でできた物見山は樹木に覆われていて、登山道を歩くだけで森林浴が体験でき、春にはさまざまな花を楽しむことができます。

 もう一方の日和田山はロッククライミングの練習場でも知られ、女性として初めてエベレストに登頂した田部井淳子さんもその技術を磨いた山なんですよ。

 今回は物見山から日和田山へのプチ縦走です。

 物見山へは日和田山の登山口がある西武鉄道・高麗(こま)駅の隣駅・武蔵横手駅から出発します。まず五常の滝を見学、北向地蔵から奥武蔵自然歩道を歩いて物見山を経由し日和田山へと向かうコースを歩きます。所要時間は約5時間。

まずは物見山へ。森林浴を楽しむ!

 それではスタート!

 西武鉄道・武蔵横手駅から物見山を目指しましょう。当日は天気も良く絶好のハイキング日和! 気分が高まります。

山と食欲と私
ホーム脇にヤギの家がある
その名も「やぎの家」! 癒される〜

 駅舎前には周辺地図とお手洗いがありました。今回、トイレはルートの途中にも2か所ありますが、出発前に寄っておきたいですね。

 駅舎を出て目の前の階段を上がったところにある横断歩道を渡り、右に進みます。

この横断歩道を渡って、右へ進む
ここを左折する

 横断歩道から約50m進むと右手のカーブミラー脇に「五常の滝」の標識が見えます。その向かいにある石垣の角を左に曲がります。まだ登山道ではないけどここまでが難しかった! 道なりに進んで行きましょう。

両脇に高い樹木が立ち並ぶ登山道の様子。山の入り口付近は舗装されている

 まだ歩き始めて数分なのに、雰囲気は森の中。マイナスイオンたっぷりで、もうリフレッシュ気分! 気持ちいい~!

五常の滝でマイナスイオンをさらに浴びる

五常の滝入り口が前方に見える

 駅から30分ほどで前方に建物が見えてきました。ここが五常の滝の入口です。

 五常の滝は、南北朝時代の武士たちが戦勝を祈願して身を清めたという言い伝えが残ることから、必勝祈願の滝として知られるそう。

 五常の滝は一般財団法人が管理していて、見るためには入山料が必要です。お休みの日もあるので、行く前にチェックしておきましょう(緊急事態宣言が解除されたことに伴い、2020年7月1日(水)から開山されました)

()(がく)上達(じょうたつ)=身近なことから気付きや学びを得る、という意味
五常の滝

 水量もたっぷりありました。

 五常の滝を見て、身を律し…というよりも、ここでもまたマイナスイオンに癒されました!

 来た道を通って、舗装路に戻ります。舗装路をさらに10分ほど進んだ分岐を左に進みましょう。

砂利道になる

 ゲートが設けられていましたが、ハイカーは通行可能です。

 10分ほどでまた分岐があるので、こちらも左へ。右の分岐はこれから向かう北向地蔵へのショートカット路のようですが、今回は地図通りのルートを選びました。ここからは綺麗に舗装されたくねくね曲がった道を登っていきます。

左へ進む
案内板の示すとおり森の中に入る
すっかり山道に。それも結構急な斜面。案内板がところどころ現れるので「北向地蔵」の方向へ向かう
ついに北向地蔵に到着。この地蔵のそばにベンチがあるので少し休憩

 ここから物見山、日和田山へ向かうには、奥武蔵自然歩道へ。アップダウンが少なく心地よい林道を歩きます。

なだらかな上りで歩きやすい

 いったん舗装路へ出てまた登山道へ。

 北向地蔵から約10分で一度大きく下り、車道にぶつかります。登山道は車道を渡って続きを歩きます。

小瀬名分岐のあたりにある無人の野菜販売

 ラインアップはジャガイモ、ハヤトウリと柚子! 採れたてでおいしそう。この日はザックの容量に余裕が無く、買うことができなかったのですが、次は絶対に買いたい!

 ここで買った野菜を持ち帰って、家でご飯を作れば、山に登った余韻に浸れていいですよね。

 しばらく歩いて、案内板通りに進めば、物見山の山頂へ到着!

山頂に到着〜〜!

 広々とした山頂にはベンチがたくさんあって、お休みしている登山者も何組かいました。日当たりもなかなかで、ピクニックにちょうどいいようです。

 測量で使われる一等三角点が奥にありますので、気になる方は山頂から1分足らずで見に行けますよ! ちょっと小ネタですが、三角点のこの石、実は地面の下にも石の柱が伸びています。総重量はなんと135kg! 重い…! 

国土地理院が定めた本当の山頂はこちら!

 まずは物見山の山頂をクリア!

 さて、物見山の山頂標識の向かいの道を降り、このまま日和田山へ向かいます。

 10分ほど下山するといったん車道へ。舗装路を歩いていくと、「ふじみや」という茶屋があり、その近くにはトイレも設けられていました。

ガードレールの右側、舗装されていない道を進む

 しばらく下りますが、案内板にしたがって山頂へ向かいます。

岩が出てくるので、足元に気をつけて。雨だと滑りやすそう
足元の岩の一部では、化石が見つかることも

 アンモナイトって海の生き物だったような気が…。物見山、日和田山と石灰岩が多い山。やはり大昔は海だったのかも!?

日和田山からの景色。遠くまで見渡せる

 ついに登頂! 見晴らしがいいですね。

 姪っ子の朝里ちゃんと日和田山に来た時(コミックス10巻 108話)は、おいなりさんのお弁当を持参しましたが、今回はおやつに気合を入れました!

 以前作ったトレイルミックス鮎美スペシャルTMAS2016(コミックス3巻 25話)の進化版!? 

 オリジナルのシリアルバーです!

TMAS2016作りのエピソードは、コミックスでどうぞ

 うん、おいしい!

 家で味見したときは甘すぎかな? と思ったけれど、ブラックコーヒーと合う〜。

 ゆるゆる過ごして、日和田山を下山します。山頂からの下りはちょっと急に感じました。足元に注意して下りましょう。

 下山して舗装路に出ても、高麗駅までの標識があるので見落とさず歩けばスムーズに行けますよ。

 コミックスでは日和田山のみで、姪っ子をフィールドへアテンドするのにはちょうどよかったのですが、ちょっと物足りなかったかも? ということで、今回の距離は、気分転換にぴったりな長さでした!

 TMAS2016を作った時も、試作品を家で作ってから持参しましたが、山に行けない期間は山ご飯の練習として自宅で作ってみても楽しいですよ。登山の勉強をしたりしてスキルアップ期間にするのもいい時間の使い方ですね…!

「日々野鮎美の山歩き日誌」の読者のみなさんへ、連載再開のお知らせ

しばらく休載していた「日々野鮎美の山歩き日誌」ですが、今回から連載を再開いたします。でも新型コロナウイルス感染症はまだ終息しておらず、登山口までの交通機関や登山中の行為などに注意すべき点がありますので、道中、手指の消毒はこまめに、うっかりマスクを落とさないようにしましょうね! また、今回の記事は、連載終了後に登山ガイドブックとして再編集する前提で春に取材したもので、現在の実際の季節(11月)は全く別の知識・装備・体力が求められます。安全に楽しく山歩きをするため、どうぞご注意ください。

文・構成 井上綾乃
取材協力 石津谷知子

関連サイト

五常の滝 公式サイト

https://www.gojo-falls.or.jp/

くらげバンチ 山と食欲と私

https://kuragebunch.com/episode/10834108156628844112

  • 【出張試し読み】山と食欲と私 - 信濃川日出雄 / 1話 おにぎり

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考える人とはとは

 はじめまして。2021年2月1日よりウェブマガジン「考える人」の編集長をつとめることになりました、金寿煥と申します。いつもサイトにお立ち寄りいただきありがとうございます。
「考える人」との縁は、2002年の雑誌創刊まで遡ります。その前年、入社以来所属していた写真週刊誌が休刊となり、社内における進路があやふやとなっていた私は、2002年1月に部署異動を命じられ、創刊スタッフとして「考える人」の編集に携わることになりました。とはいえ、まだまだ駆け出しの入社3年目。「考える」どころか、右も左もわかりません。慌ただしく立ち働く諸先輩方の邪魔にならぬよう、ただただ気配を殺していました。
どうして自分が「考える人」なんだろう―。
手持ち無沙汰であった以上に、居心地の悪さを感じたのは、「考える人」というその“屋号”です。口はばったいというか、柄じゃないというか。どう見ても「1勝9敗」で名前負け。そんな自分にはたして何ができるというのだろうか―手を動かす前に、そんなことばかり考えていたように記憶しています。
それから19年が経ち、何の因果か編集長に就任。それなりに経験を積んだとはいえ、まだまだ「考える人」という四文字に重みを感じる自分がいます。
それだけ大きな“屋号”なのでしょう。この19年でどれだけ時代が変化しても、創刊時に標榜した「"Plain living, high thinking"(シンプルな暮らし、自分の頭で考える力)」という編集理念は色褪せないどころか、ますますその必要性を増しているように感じています。相手にとって不足なし。胸を借りるつもりで、その任にあたりたいと考えています。どうぞよろしくお願いいたします。

「考える人」編集長
金寿煥

著者プロフィール

日々野鮎美

ひびの・あゆみ 27歳、会社員。漫画『山と食欲と私』の主人公。「山ガール」と呼ばれたくない自称「単独登山女子」。美味しい食材をリュックにつめて、今日も一人山を登ります(たまには友人や同僚と登ることもあるよ)。

著者の本

イラスト・監修 信濃川日出雄

しなのがわ・ひでお 新潟県出身。北海道在住。2007年のデビュー以来、ジャンルを問わず多岐にわたって執筆し、『山と食欲と私』が累計100万部を突破、大人気シリーズとなる。現在もくらげバンチで同作を連載中。

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