みなさま、こんにちは!
日々野鮎美(27歳 会社員)です。
わたくし、”山ガール”ならぬ”単独登山女子”なんて名乗っていますが、要するに人見知りです……(?!)。
(私の詳しいプロフィールをもっと知りたい方はこちらを→リンク)
普段は会社員、週末になると山歩きばかりの生活を送っている私が、登山を始めてみたい人向けにアテンドするならこの山! ……という個人的にお気に入りのお山をご紹介します。
今回のお山は……「丹沢、三ノ塔までのショートハイキング!」です!
たくさんの山が集まる丹沢のハイキングコースのひとつ
そもそも丹沢って山なの? どこにあるの? とピンとこない人もいるかもしれないので軽くまとめると、丹沢は神奈川県の全面積の6分の1(広い!)を占める県北西部の山域を指します。
この連載にも登場した鍋割山も丹沢の山のひとつです。
丹沢で標高が一番高いのは蛭ヶ岳(1,673m)で、日本百名山にも選ばれているのが丹沢山(1,567m)。そのほか数多くの山があります。
今回スタート地点に設定しているヤビツ峠は、小田急線秦野駅よりバス(ヤビツ峠行き)で約50分、しかも本数が少なくてアクセスが悪いのですが、ここは丹沢入門のポイントとなる登山口なので、まずはライトなハイキングからということで、この場所を押さえておきたいです。
ヤビツ峠からの「初心者向けの丹沢めぐり」としては、ご紹介する岳ノ台経由の三ノ塔へのハイキングのほか、大山登山もおすすめです。
ちなみに、丹沢で人気のコースのひとつ、塔ノ岳コースは稜線歩きから鎖場までが楽しめますが、今回はそれを短くし、のんびりスタートして山頂でのご飯タイムを楽しんで戻るショートハイキングにしています。
秦野駅からヤビツ峠へ、そして岳ノ台ハイキングコースに向かう
先ほど触れたように、ヤビツ峠は秦野駅からやや遠いです。今回は、登山としては遅めのスタートに設定していますが、三ノ塔より遠くを目指す場合は始発のバスで移動するなど、早い時間帯から動き始めましょう。
ちなみに、マイカーでアクセスする場合はヤビツ峠または菩提峠に駐車場がありますが、停められる台数に限りがあるため、早めに到着したいところ。
ヤビツ峠から秦野駅方面に車道を少し戻ると岳ノ台ハイキングコースの入り口があるので、ここからスタートします。
10分ほどかけて上り切ると東屋に到着しました。ここで少し休憩してもよさそうです。東屋の先を進むと、左手に海が見えました。
このあとは道を下り、案内板に沿って進みます。アップダウンをくり返しながらしばらく行くと、岳ノ台に到着!
展望デッキからは大山、今回の山歩きの目標となる三ノ塔が眺められました。
ここからは菩提峠に向かい、ゆるやかなアップダウンがさらに続きます。
その先、急勾配を下りきると菩提風神祠があります。
祠のあとは上りが始まり、菩提峠を過ぎてしばらく歩くとパラグライダーの離陸場が現れます。
菩提峠から二ノ塔へ
ここから1時間ほど歩いてニノ塔へ向かいますが、一部急な上りがでてきます。
とはいっても、それは2mほどで、トラロープ(黄色と黒のポリエチレンのロープ)を手助けに上れます。
少しずつ展望がひらけてきました。あともう少し〜
現れた標識。
この岩は日本武尊の言い伝えがあるそう。
日本武尊がエゾ征伐のために兵を率いて大山に向かう途中、喉がカラカラに渇いて疲れ果てた兵士たちを見た日本武尊が、「水無きを憂う」と傍の大きな石を踏みつけたところ、水が湧き出し、兵士たちが大喜びした場所と伝わっています。
その後も湧水は枯れず、付近の村人たちによって石碑が建てられましたが、15世紀 の大地震によって埋もれてしまい、残された片足の足跡だけが祀られているそうです。
日本武尊って、古代の皇族ですよね。
日本の山って昔話や伝説が残っていて本当に面白いな〜。
さて、日本武尊の足跡を過ぎると、道は急になります。上り切ったら大展望が待っている! がんばろー!
ひらけた場所に出れば、二ノ塔に到着!
二ノ塔に到着! そして目の前には富士山!
ここはベンチがあって、調理や休憩がしやすそう!
でも今は、先にゴールを目指します。ここからすぐ、15分ほど歩いて三ノ塔へ。
三ノ塔へは一度下りて上り返します。整備された木道は歩きやすくていいですね。
三ノ塔に到着しました〜!
リニューアルされた休憩所ができていますね。室内もとてもきれいです。
休憩所はとてもきれいですが、今回は時間をとって山ご飯を楽しむ! というつもりなので、外に出てメスティンでご飯を炊きます。
そしてメニューは……雑誌「山と渓谷」2018年9月号 掲載、『山と食欲と私』公式「日々野鮎美の山ごはんレシピ」に掲載した「柿ピー炊き込みご飯」 ! すぐにできて、簡単 !
うーん! クセになる不思議な旨さ!
のんびりハイキングは焦ってご飯を作らなくて済むのでいいですね〜。
最近は、チャレンジ的な登山をするガッツがなくて、でも家にいたくもない、なんていう気分だったので、ショートハイキングにしたんです。実はそんなに期待していなかったのですが、やっぱり丹沢は素敵で、とってもいい気分転換になりました。
ザックを背負って、家を出ちゃえば気分も切り替わりますね!
また来週も仕事がんばろー!
「日々野鮎美の山歩き日誌」の読者のみなさんへ
今回の記事は、連載終了後に登山ガイドブックとして再編集する前提で、10月初旬に取材したものです。現在の実際の季節(1月)は積雪することもあり、全く別の知識・装備・体力が求められます。安全に楽しく山歩きをするため、以上の点を、どうぞご注意ください。
文・構成 井上綾乃
取材協力 石津谷知子
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日々野鮎美
ひびの・あゆみ 27歳、会社員。漫画『山と食欲と私』の主人公。「山ガール」と呼ばれたくない自称「単独登山女子」。美味しい食材をリュックにつめて、今日も一人山を登ります(たまには友人や同僚と登ることもあるよ)。
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『山と食欲と私』公式 鮎美ちゃんとはじめる山登り―気軽に登れる全国名山27選ガイド―
2021/06/28発売
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イラスト・監修 信濃川日出雄
しなのがわ・ひでお 新潟県出身。北海道在住。2007年のデビュー以来、ジャンルを問わず多岐にわたって執筆し、『山と食欲と私』が累計100万部を突破、大人気シリーズとなる。現在もくらげバンチで同作を連載中。
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MAIL MAGAZINE
とは
はじめまして。2021年2月1日よりウェブマガジン「考える人」の編集長をつとめることになりました、金寿煥と申します。いつもサイトにお立ち寄りいただきありがとうございます。
「考える人」との縁は、2002年の雑誌創刊まで遡ります。その前年、入社以来所属していた写真週刊誌が休刊となり、社内における進路があやふやとなっていた私は、2002年1月に部署異動を命じられ、創刊スタッフとして「考える人」の編集に携わることになりました。とはいえ、まだまだ駆け出しの入社3年目。「考える」どころか、右も左もわかりません。慌ただしく立ち働く諸先輩方の邪魔にならぬよう、ただただ気配を殺していました。
どうして自分が「考える人」なんだろう――。
手持ち無沙汰であった以上に、居心地の悪さを感じたのは、「考える人」というその“屋号”です。口はばったいというか、柄じゃないというか。どう見ても「1勝9敗」で名前負け。そんな自分にはたして何ができるというのだろうか――手を動かす前に、そんなことばかり考えていたように記憶しています。
それから19年が経ち、何の因果か編集長に就任。それなりに経験を積んだとはいえ、まだまだ「考える人」という四文字に重みを感じる自分がいます。
それだけ大きな“屋号”なのでしょう。この19年でどれだけ時代が変化しても、創刊時に標榜した「"Plain living, high thinking"(シンプルな暮らし、自分の頭で考える力)」という編集理念は色褪せないどころか、ますますその必要性を増しているように感じています。相手にとって不足なし。胸を借りるつもりで、その任にあたりたいと考えています。どうぞよろしくお願いいたします。
「考える人」編集長
金寿煥