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山と食欲と私 日々野鮎美の山歩き日誌

 みなさま、こんにちは!
 日々野鮎美(27歳 会社員)です。

 わたくし、”山ガール”ならぬ”単独登山女子”なんて名乗っていますが、要するに人見知りです…(?!)。
(私の詳しいプロフィールをもっと知りたい方はこちらを→リンク

 普段は会社員、週末になると山歩きばかりの生活を送っている私が、登山を始めてみたい人向けにアテンドするならこの山! …という個人的にお気に入りのお山をご紹介します。

 今回のお山は…「会津駒ヶ岳」です!

山頂の大湿原と花が美しい山

 会津駒ヶ岳は、福島県南会津郡の檜枝岐村(ひのえまたむら)に位置する、標高2,133mの山。檜枝岐村は、檜枝岐歌舞伎という昔ながらの神に捧げる奉納歌舞伎で有名な村です。
 会津駒ヶ岳は中腹には広いブナ林、山頂には湿原が広がり、雪解けの7月くらいからは花々が咲きはじめ、高山植物が楽しめます。山全体が、古生層という「古代にできた地層」が隆起したもので、地質学的にも面白そうです。

 東京からバスや電車を利用する場合は、浅草から出ている東武鉄道の夜行列車「尾瀬夜行23:55」が便利です。浅草23:55発の列車は、途中で野岩(やがん)鉄道に乗り入れて、会津高原尾瀬口駅へ3:18に到着。 駅前のバス停から4:20発の「尾瀬夜行23:55専用バス」に乗り、駒ヶ岳登山口バス停には日の出前後(夏期)の5:20に到着できます(2020年は10月10日で終了) 山頂に向けて歩き出す頃にはもう明るいので、歩きやすいですよ。

 車でのアクセスだったら、滝沢登山口のすぐそばに駐車場がありますよ~。駐車スペースは20台程度なので、確実にスペースを確保するためには、なるべく早めに到着するのがベストです。

登山口まで車道を歩いてウォーミングアップ!

 バス停からは車道を30分程度歩いて、滝沢登山口を目指します。
 登山届は滝沢登山口のポストに投函することができます。

 さて、いよいよ登山口に到着。このときはすでに日の出から時間が経っていたにもかかわらず、どんよりとした天候。山頂の湿原を晴れやかななか散歩したい! とイメージしていたので、ちょっと不安に…。

この木製のポストに、登山届を必ず出しましょう〜〜
山頂への往復は、上りは約4時間、下りは約3時間半(昼休憩含む)かかります

 登山口から入ってすぐのところ。全体的には、登山道なので整備され歩きやすいものの、木の根が多くて滑りやすい場所もあるので、注意が必要ですね。

ガス(霧のこと)で少し暗く感じます

 この日は紅葉が始まった頃で、標高が上がるにつれ色づいた葉が出てきました。そして時間が経つにつれ、樹林帯を抜けて青空が見えてきました。

 気持ちも晴れやかになったところで、水場に到着。ここまで滝沢登山口から1時間45分(休憩含む)かかりました。ずっとそこそこの急登だったので、ボトルの水が減ってしまった人はこの水場で補給してもいいかもしれません。

水場の案内板を見つけると、ワクワクします!

 ちなみに、水場はこのあとにもでてきます。下山のタイミングなどでボトルの中身が不足している場合に使えそうですね。

 山歩きをしていると、ビニールテープが貼ってある木を見かけることがあります。テープは登山者の目印になる場合もありますが、林業など仕事で山を使う人も目印につけることがあり、「テープは登山道だ」と思い込むのは道迷いをおこす危険があるので注意しましょう。上の写真のように やたら高い位置に貼ってあるのは、もしかしたら冬季に雪が積もっていたときにつけられたものかもしれません。

左側が山頂。尾根が見えますね

 展望が開けました! 朝の不安が一掃!!
 せっかく来たのに、霧ばっかりで眺望が悪かったら残念だな〜と思っていたので、山の天気は変わりやすいものですが、こういうポジティブな変化は最高です。

やっと歩きやすい木道へ!

ここからはご褒美! 見晴らし最高です
まるで鏡のような駒大池

 駒大池のそばには、休憩用のベンチ、近くには売店も備えた山小屋「駒ノ小屋」があります。
 水場からここまで約1時間45分(途中休憩15分)。なので、バス停からは約4時間10分、歩いてきたことになりますね。

「駒ノ小屋」の外観はかわいいデザイン

 今回は夜行列車で来ましたが、朝の列車で出発して無理せず山小屋泊にするプランにすれば、山での時間をのんびりと楽しめますね。駒大池の地点でも標高は2,060mと高く、天気がいい夜には星空も期待できそう!

左が燧ヶ岳、右が至仏山

 空気が澄んでいれば、尾瀬ヶ原にある(ひうち)()(たけ)(福島県)や至仏山(群馬県)を見ることができます。この二つも歩いてみたい山ですね〜。

立派な山頂の標識

 山頂までは「駒ノ小屋」から20分程度。景色がすばらしく、最高でした。
 この時点でまだ10時ですが、朝ごはんをとったのも早朝だったので、山頂は写真を撮っていったん駒の小屋まで戻り。早めの昼食に。
 今回はりんごとベーコンの炊き込みご飯です(登山の雑誌「PEAKS」(エイ出版)2016年7月号に掲載)。レシピの詳細は『山と食欲と私 公式 日々野鮎美+なかまたちの山ごはんレシピ2』(P.52参照・山と渓谷社)をチェックしてみてくださいね。

 熱々のご飯、最高!
 今回もいい山行でした。
 この山なら、低山登山を何度か経験している会社の先輩、小松原さんのステップアップにちょうどよさそうだな〜。なんて思いました。

 さて、次の休みも晴れるといいな!

「日々野鮎美の山歩き日誌」の読者のみなさんへ、連載再開のお知らせ

しばらく休載していた「日々野鮎美の山歩き日誌」ですが、先日から連載を再開いたしました。でも新型コロナウイルス感染症はまだ終息しておらず、登山口までの交通機関や登山中の行為などに注意すべき点がありますので、道中、手指の消毒はこまめに、うっかりマスクを落とさないようにしましょうね! また、今回の記事は、連載終了後に登山ガイドブックとして再編集する前提で秋に取材したもので、現在の実際の季節(12月)は全く別の知識・装備・体力が求められます。安全に楽しく山歩きをするため、どうぞご注意ください。

文・構成 井上綾乃
取材協力 石津谷知子

関連サイト

尾瀬檜枝岐温泉観光協会

http://www.oze-info.jp/treck/

くらげバンチ 山と食欲と私

https://kuragebunch.com/episode/10834108156628844112

  • 【出張試し読み】山と食欲と私 - 信濃川日出雄 / 1話 おにぎり

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考える人とはとは

 はじめまして。2021年2月1日よりウェブマガジン「考える人」の編集長をつとめることになりました、金寿煥と申します。いつもサイトにお立ち寄りいただきありがとうございます。
「考える人」との縁は、2002年の雑誌創刊まで遡ります。その前年、入社以来所属していた写真週刊誌が休刊となり、社内における進路があやふやとなっていた私は、2002年1月に部署異動を命じられ、創刊スタッフとして「考える人」の編集に携わることになりました。とはいえ、まだまだ駆け出しの入社3年目。「考える」どころか、右も左もわかりません。慌ただしく立ち働く諸先輩方の邪魔にならぬよう、ただただ気配を殺していました。
どうして自分が「考える人」なんだろう―。
手持ち無沙汰であった以上に、居心地の悪さを感じたのは、「考える人」というその“屋号”です。口はばったいというか、柄じゃないというか。どう見ても「1勝9敗」で名前負け。そんな自分にはたして何ができるというのだろうか―手を動かす前に、そんなことばかり考えていたように記憶しています。
それから19年が経ち、何の因果か編集長に就任。それなりに経験を積んだとはいえ、まだまだ「考える人」という四文字に重みを感じる自分がいます。
それだけ大きな“屋号”なのでしょう。この19年でどれだけ時代が変化しても、創刊時に標榜した「"Plain living, high thinking"(シンプルな暮らし、自分の頭で考える力)」という編集理念は色褪せないどころか、ますますその必要性を増しているように感じています。相手にとって不足なし。胸を借りるつもりで、その任にあたりたいと考えています。どうぞよろしくお願いいたします。

「考える人」編集長
金寿煥

著者プロフィール

日々野鮎美

ひびの・あゆみ 27歳、会社員。漫画『山と食欲と私』の主人公。「山ガール」と呼ばれたくない自称「単独登山女子」。美味しい食材をリュックにつめて、今日も一人山を登ります(たまには友人や同僚と登ることもあるよ)。

著者の本

イラスト・監修 信濃川日出雄

しなのがわ・ひでお 新潟県出身。北海道在住。2007年のデビュー以来、ジャンルを問わず多岐にわたって執筆し、『山と食欲と私』が累計100万部を突破、大人気シリーズとなる。現在もくらげバンチで同作を連載中。

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