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ジェーン・スー×村井理子「介護のホンネ」

2025年12月3日

ジェーン・スー×村井理子「介護のホンネ」

第4回 私たちは「老後」をどう生きるか

著者: ジェーン・スー , 村井理子

「介護未満」の80代父を「ビジネスライクに」サポートするジェーン・スーさん。6年にわたって「義父母の介護」に奔走している村井理子さん。家族構成は大きく違うけれど、それぞれの経験を『介護未満の父に起きたこと』『義父母の介護』(ともに新潮新書)としてまとめたふたりが、介護に求められる女らしさへの違和感から現代の介護システムの問題、自身の老後の不安までを本音で語ります。

【第1回】介護と家族の境界線(11月12日配信)

【第2回】介護が「女らしさ」の落とし前?(11月19日配信)

【第3回】介護の苦労を浄化するための方法(11月26日配信)

【第4回】私たちは「老後」をどう生きるか(12月3日配信)

構成=山野井春絵

(2025年8月29日、新潮社クラブにて)

第1回 介護と家族の境界線)はこちらへ

第2回 介護が「女らしさ」の落とし前?)はこちらへ

第3回 介護の苦労を浄化するための方法)はこちらへ

理想の老人ホームを考える

村井 最初の問いに戻りますが、介護をしていると自分たちの老後について考えざるを得なくなりますよね。

スー 私はとにかくできるだけお金を貯めよう、と。これからの物価上昇率を考えると、はたしていくら必要になるかわかりませんが、とにかく備えあれば憂いなし。お金を貯めて、ギリギリまで自力で生活できるように筋トレをして暮らします。最後の最後はホームに入って、死んだら骨を海に撒いてください…いや、それもいいかな。なかなか思い通りにいかないでしょうけど。

村井 なかなか理想どおりにはいきませんよね。

スー 以前から友人と「老後はみんなで暮らして楽しもう」みたいなことを言っていました。でも現実問題としては、自分で稼いだお金でどこまでできるかでしょうね。友人が「自分たちは外国の方にケアされることになるかもね」と言っていたのですが、「いやいや自分たちの時代は、若い世代が海外に出稼ぎに行くんだよ。日本には誰も来てくれないかもしれない。子どもが外国で働いて、お金を仕送りしてもらえたらラッキーなんてことになる可能性まで考えておいた方がいいよ」なんて話もしています。今の高齢者は、なんだかんだこれだけの介護サービスを受けられて、素晴らしいと思いますよ。今は、いい国ですよ。

村井 確かに今のところは、ですね。それもそろそろ、崩れかけている感じがします。私たちの20年後、30年後はどうなっているか…同じような状態ではいられないと思う。

スー 自分たちが70歳を超える20年後に健康保険の負担が5割負担、7割負担となってしまったら…。

村井 しかも医療は発達するだろうから、なかなか死ねないで寿命は延びるかもしれない。

スー 私たちが長生きすることで下の世代の負担が増えるとしたら、それは本末転倒ですよね。でも、わからないな。自分が年取ったら「絶対死にたくない!」となるのかもしれない。村井さんも同じだと思いますけど、自分の荷物がどこにどれだけあるか。それがわかるように明記しておく。その荷物を最小限にすることを意識しますよね。そして、お金をどれだけ貯められるか。いつまで自分の足で歩いて、自分の口で食べられるか。そこから先は、もう神のみぞ知るっていう感じですけど。とにかく、人に迷惑をかけないことを考えます。できるだけ小さく暮らすという。

村井 全くその通りです。何とかしてモノを減らそうと思っています。目に見えるモノだけじゃなくて、目に見えないモノも減らす。例えば、銀行の口座や各種サブスクリプション・サービスの契約もそうだし、保険や株もそう。そういったモノをなるべくわかりやすくまとめておく。そのことをずっと考えています。服もずいぶん減らしましたし、本もかなり処分しました。最近は捨てることが好きになりました。ただ、義父母が大変お世話になっていますが、自分がデイサービスに行きたいかと聞かれたら、ちょっとわからない。

スー 私も行きたがらないと思う。

村井 介護従事者の方々には、とっても感謝しています。よくやっていただいていると頭が下がるけど、でも自分は行きたくない。さすがにホームに入所しなければいけない状況にまで来たら、私も腹をくくるかもしれませんが、その前の状態でデイ(サービス)とかには行かないんじゃないかな。

スー 私もホームへの入所は考えると思うけど、デイには行かないと思う。だって、そこに話の合う人がいないだろうと思うから。

村井 楽しいと思えないでしょうね。

スー もちろん、ちゃんとプロの人たちが考えたプランだから間違いはないと思います。ただそこで幼稚園のお遊戯みたいなことをやらされると思うと、抵抗があります。私は高級老人ホームのサイトをいろいろ見るのが好きなのですが、入居に1億円かかるような施設のブログに、「今日は入居者の皆さんと一緒にハーバリウムを作りました」とあって、「ちょっとおしゃれにしただけじゃないか、折り紙やってるのと変わらないじゃないか!」と思ってしまいました(笑)。結局、そういうことでしかないんだな、と。おそらくどんな高級ホームに入ったとしても、好奇心のベクトルが人と合わないと思うんですよ。自分のレベルが高いというわけじゃなくて、「みんなでお遊戯しましょう」というのは、けっこう…。

村井 わかります。シビアですよね。

スー みんなで映画を観ましょうとなっても、もっと違うものが観たいと駄々を()ねそうです。

村井 うちの義母もずっとデイに行くのを嫌がってました。「あんなところで、お遊戯みたいなことやりたくない」と。ただ、認知症になって2、3年が経つと、「楽しいわよ。今は友達もできたし」なんて態度が軟化してきました。「ダルいけど、まあ学校行ってくるわ」みたいな感じです(笑)。ただやっぱり行くのが嫌だなと思う人は、一定数いると思いますね。

スー 私たちの世代はオンラインで友人とも付き合えますからね。私がデイサービスに行くようになったら、「これ美味しくない」とか面倒くさいことを言ってしまうんだろうな…。

村井 翻訳家って、男性も女性もけっこうシングルが多いんですよ。それで今、翻訳家たちみんなで話していることがあります。琵琶湖のほとりにはバブルのときにボンボン建てられた会社の保養地がいっぱいあって、今は空き地のところも多い。それを翻訳家連盟で買い上げましょうと。管理人さんだけ置いて、個室管理にしてお互い干渉せずに生活する。そうやってなんとか暮らせないかと。

スー 私が『貴様いつまで女子でいるつもりだ問題』(幻冬舎文庫)を書いていた頃に、友人と「ひとりで生活するのが難しくなったら、みんなで団地を買って住もう」という話をしていたことがあります。だんだんとそれも現実味を帯びてくる年齢になってきて。そんなことができたらいいな、とは思うんですよ。でも今は、「近くに住めたらいいね」に変わっています。会おうと思えば会える距離ぐらいがちょうどいいのかなと。それを「デイ」と呼ぶのであれば行きたい。広いリビングがあって、そこでおやつを食べながらずっと駄弁(だべ)って話ができればいい。

村井 義母のためにいろいろな施設を探していて知ったのですが、最近はいろいろなタイプのデイができていますよ。めっちゃ筋トレさせるスポーツ系とか、編み物をさせる趣味系まであって。大阪の西成には、申し込みが絶えない有名なデイがあります。そこは面白いおっちゃんが管理していて、すごく自由。一番の特徴は、デイの真横に保育所を作ったこと。デイで働く人たちのための保育所です。その横には弁当屋もある。デイに入所している人も、保育所で働く人も、そこのお弁当を食べる。良いアイデアで、すごい人気なんですよ。

「介護の経験を文章にしていると、自分たちの老後を考えざるを得ない」と村井さん

なぜ老人ホームは女性ばかりなのか?

スー 村井さんはお義母さんのことで、たくさんホームを見学されたんですよね。

村井 はい。今は施設と家族のマッチングサービスもあります。いろいろな条件を伝えると、それに合った施設を紹介してもらえます。転職サービスみたいな感じです。30代の若い人たちが運営している会社で、彼らは施設の特徴にものすごく詳しい。「イケイケ」の施設とか、「ちょっと建物は古いけどまあまあいい感じ」とか、「見た感じは悪いが、人はいい」とか。とにかくいろいろな情報を持っていて、どんどんマッチングしてくれる。面白かったですね。想像以上に、ホームにはたくさんのタイプがあることを知ったし、めちゃくちゃ勉強になりました。ただ、やっぱり私企業が運営している施設は相当高い。

スー 公営のところは、所得次第で費用が変わりますよね。

村井 特養(特別養護老人ホーム。公的施設)でも、かなりの金額になります。だからみんな何とかギリギリまで自宅で生活できないかと考えているんだと思います。

スー グループホームは、協調性のあるシニアじゃないと無理ですよね。

村井 本当に。だから入居者の99パーセントが見事に女性。

スー そうなりますよね。男性は難しい。

村井 うちの義母が入るグループホームは、19人定員で男性は1名だけ(註 2025年12月現在はひとり増えて2名)。見事に女性ばかりです。「なんで女性ばかりなんですか?」と施設の人に聞いたら、「男性は協調性がないからです。喧嘩になるから無理なんです」って。

スー 女性側にしても、ホームに入ってまで男性に気を遣いたくないですよね。問題なのは、おじさんがおじさんを嫌う傾向にあること。若いときはそんなことなかっただろうに。いい加減にしてほしいですよ。もう知らない。おばさんはおばさん同士で仲良くやっていきますから、あとは勝手にしてほしい。

村井 仮に今後男性だけのグループホームができたとしても、現役時代の役職なんかでマウントを取り合ったりしそう。施設にいる老人同士で恋愛沙汰が起こって、男同士が殴り合いをしたり。

スー 「女の人にケアされて当たり前」と思っている、おじさんやおじいさんがまだまだ多いんだと思います。村井さんのお義父さんも、うちの父もそう。たぶん、私が息子だったらこんなふうにはならなかったでしょうね。親とはいえども、「異性の子には介護を頼って当然」みたいに括られるこの感じって、なんだろうって思います。そこへきて、「ケアできることが女の喜びだ」という訓練を女性は受けている。そういう世代の人たちが、今は上にいるけど、私たちが老後を迎えたときにどうなるか。私たちより下の世代には囚われてほしくない価値観です。

村井 最近は介護施設内での性暴力のニュースも多いですよね。

スー あれは怖い! 30歳の男性職員が90代の女性入居者に性的暴行した事件がありましたね。

村井 80歳を超えても女性が安心できないというのは…ちょっと日本おかしくないですか? 海外でも似たような話はあるのかもしれないけど。

スー 90歳を過ぎて、安心して生活できるはずの場所で性暴力を受けるなんて、辛すぎる。尊厳が踏みにじられますよね。

村井 本当に。安心できない。老後が怖いな。

「父のケアで学んだのは、「ひとつも思い通りにいかない」こと」とスーさん

介護の沙汰も、金次第

村井 義父母の介護が本格的に始まってもう6年が経ちますが、正直、こんなに長くなるとは思っていませんでした。最近はまだまだ終わらないだろうと覚悟していますが、それでもあと10年続いたら…。そう思うと、やっぱり自分はどうなるのかと、そのことばかり考えてしまいます。どうすれば義父母のようにならずに生きていけるか。悪いけど、そう思っちゃうんですよね。

スー 父を見ていると、気の持ちようかなとも思います。うちの父はメソメソしたり、ジメジメしたりすることはほとんどないので、そこは見習いたいですね。

村井 羨ましい。

スー ただ、とにかくお金がかかる。「介護未満」の状態でこれですから、先が思いやられます。それにうちの父もそうだったと思うのですが、「老後」というのは自分自身の想像の外からやって来るのだろうと思います。だからいくら「人に迷惑を掛けたくない」と思っていたとしても、実際に老後を迎えたら、迷惑掛けざるを得なくなるかもしれない。

 だから、今できるのはその対価が払える状態にしておくこと。想像の範囲内でできることは、それしかないかもしれない。「将来自分の介護についてどう思いますか?」と聞かれて、明確なビジョンを持っている人はいないと思う。今私が父に対応しているのと同じように、そのときそのときでやっていくしかない。「こうしようと思ったけど、ダメでしたー!」みたいなことの連続で、それはおそらく自分もそうなるんだろうなと思います。だって、父のケアで一番学んだのは、「ひとつも思い通りにいかない」ですから。

村井 私も介護に関しては、「どんなに頑張っても、ひとつも喜ばれない」と思っています。本人にしても、ただ自身の老いを突きつけられるだけで、嬉しいことはほとんどない。夫ともよく「今のお義父さんとお義母さんみたいな状況になったらまずいよね」という話をよくしますが、では実際に自分たちはどうするかを考えると、結局、一番大事なのはお金ということになってしまう。とにかくお金で全部決まっちゃう。ようやく義母の入所する施設が決まってホッとしたところもありますが、同時に「いつまで続くのか?」という不安も大きくなっています。そして義父も…、意外と丈夫だからなあ(笑)。

スー 「鳥人間コンテスト」じゃないですけど、水面スレスレになってからの老後が長いんですよね。

村井 そうそう。琵琶湖の上をスレスレで飛び続ける(笑)。1年でもこれくらいお金がかかるのに、10年も施設に入っていることになったら、一体いくらになるのか? 途中で退所させるわけにもいかない、けれどその費用を払えなくなったら…と不安が尽きません。

スー 施設が倒産して、入居者が退所せざる得なくなる場合もあるみたいですよね。だから、ある程度は安定感のある企業が運営するホームに入所してもらいたい。でも、そういうところは値が張る。老人ホームは入居金をいくら払うかで月額が変わるようですが、それって親があとどのくらい生きるのか推測するということですよね。なかなかの不謹慎。でも現実的には、そんなことも考えなくてはいけない。

村井 入居時に支払う一時金も、その償却期間も、施設によってまちまちなので、いろいろ悩ましいです。

スー 「みんなの介護」などで検索すればすぐに出てきますけど、もうゾッとするくらい金額とサービス内容が比例しているんですよ。それが経済の原理だから、こればかりはどうにもならない。読者のみなさんが、私たちの本を読んで、ちょっと笑ったり安心してくれたりするのはありがたいのですが、マジで不安だったら、まずは地域包括支援センターへ行って!と言いたい。現実が一気に見えてくると思います。

村井 自分の将来のことを考えても、本当気が重いです。

スー とにかく自分自身の老後について、出来る範囲でお金の準備はしておかなければと、それだけは考えています。すごくシビアだけど、国の保険制度はこれから大きく変わっていくだろうし。

村井 私は今後、日本では在宅介護がどんどん増えていくんじゃないかなと思っているんです。それが子世代、孫世代に受け継がれていくのかなと想像すると、重い気持ちになります。「介護は家族ではなく、第三者に任せるべき」ということが、やっと浸透し始めたのに、「自宅の和室で寝たきりになっているおじいちゃんやおばあちゃんをお嫁さんが介護する」なんて、昔に逆行するかもしれない。だって、入れる施設も費用もない、介護してくれる人もいない、そうなると、あとは在宅か、放置か…。

スー まったく時代が逆戻りですよね。恐ろしい。

村井 そもそも「老後」というのは、いつから「()」なのか。例えば70歳からが老後なのか、75歳からなのか、その線引きがあるわけでもない。私は50歳を超えてから、恐ろしいほど時間が経つのが速いので、自分にはもう時間がないなと思っています。もう今すでに老後でしょ、みたいな。結局、自分ひとりで生きていけなくなったら老後なのかと考えると、そう遠くない未来かなと。それに、みんな「老後がある」って思っているけど、その前に死んでしまうことだってありますよね。3年くらい前に、突然近しい友人が小さな子どもを残して亡くなったのですが、それを見てからは、なんだか老後って、もしかしたら考えても仕方がないのかな? と思うこともあって。

スー 老後を考えるとき、自分の知的好奇心を刺激するものを確保しておきたいと思うんです。できるだけ行きたいところへ出かけて、見たいものを見る。それができるだけの健康を保ちたい。先日プロレスのデスマッチを見に行ったのですが、私の後ろにいた70代と思しき女性が、めっちゃ大きな声を出して楽しんでいたんですよ。最高だな、と思いました。それくらいの年齢になったときに、自分が何にはまっているかはわからないですけど、とにかく自分の好きなものがある、という状態にはしておきたいですね。うちの父はそれがないから、ずーっとテレビを見ているだけ。それは嫌だなとは思います。

村井 義父も趣味はないです。映画が好きとか、全然ない。知的好奇心はゼロかもしれない。

スー 友人のお母さんは父と同じ87歳ですが、ものすごく知的好奇心がある人なんです。新聞は隅から隅まで読んでいて、「ニーナ・シモンのドキュメンタリーを観ました」とか「近所の健康センターでヨガをやっているらしいから行きたい」とか。とても生き生きしている。だから長生きするのであれば、ずっと一日ベッドに寝そべっているみたいな「死に待ち」にはならないようにしたい。

村井 「死に待ち」は厳しいですね

スー 「死に待ちダイアリー」

村井 なかなか終わらなさそうな日記

スー 村井さん、我々はとにかく最後まで書きましょう。私のちょっと先の道を行く村井さんが、「やっぱり家族は愛だよね」とか「介護でこんなことをやってよかった」とか「ちょっと泣いちゃいました」みたいなことを一切書かないから、本当に励まされています。そう書かれると、「やっぱりそれがないとダメなんだな」みたいに思っちゃうじゃないですか。村井さんが、腹を立てたり、ちょっと意地悪だったり、本音をさらけ出してくれているところに、ものすごく助かっています。

村井 ありがとうございます。最後まで、そのスタイルでいきます。

スー こちらこそありがとうございます!(第4回おわり)

「とにかく我々は最後まで書いていきましょう!」

*ジェーン・スーさんと村井理子さんのふたりの対話は、今後も継続していく予定です。ご期待ください。

 

第1回 介護と家族の境界線)はこちらへ

第2回 介護が「女らしさ」の落とし前?)はこちらへ

第3回 介護の苦労を浄化するための方法)はこちらへ

 

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ジェーン・スー

1973年、東京生まれの日本人。作詞家、コラムニスト、ラジオパーソナリティ。TBSラジオ「ジェーン・スー 生活は踊る」のMCを務める。『貴様いつまで女子でいるつもりだ問題』(幻冬舎文庫)で第31回講談社エッセイ賞を受賞。著書に『私たちがプロポーズされないのには、101の理由があってだな』(ポプラ文庫)、『生きるとか死ぬとか父親とか』(新潮文庫)、『おつかれ、今日の私。』(マガジンハウス)、『闘いの庭 咲く女 彼女がそこにいる理由』(文藝春秋)など。

村井理子

むらい・りこ 翻訳家。訳書に『ブッシュ妄言録』『ヘンテコピープル USA』『ローラ・ブッシュ自伝』『ゼロからトースターを作ってみた結果』『ダメ女たちの人生を変えた奇跡の料理教室』『子どもが生まれても夫を憎まずにすむ方法』『人間をお休みしてヤギになってみた結果』『サカナ・レッスン』『エデュケーション』『家がぐちゃぐちゃでいつも余裕がないあなたでも片づく方法』など。著書に『(きみ)がいるから』『村井さんちの生活』『兄の終い』『全員悪人』『家族』『更年期障害だと思ってたら重病だった話』『本を読んだら散歩に行こう』『いらねえけどありがとう』『義父母の介護』など。『村井さんちのぎゅうぎゅう焼き』で、「ぎゅうぎゅう焼き」ブームを巻き起こす。ファーストレディ研究家でもある。

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考える人とはとは

 はじめまして。2021年2月1日よりウェブマガジン「考える人」の編集長をつとめることになりました、金寿煥と申します。いつもサイトにお立ち寄りいただきありがとうございます。
 「考える人」との縁は、2002年の雑誌創刊まで遡ります。その前年、入社以来所属していた写真週刊誌が休刊となり、社内における進路があやふやとなっていた私は、2002年1月に部署異動を命じられ、創刊スタッフとして「考える人」の編集に携わることになりました。とはいえ、まだまだ駆け出しの入社3年目。「考える」どころか、右も左もわかりません。慌ただしく立ち働く諸先輩方の邪魔にならぬよう、ただただ気配を殺していました。
 どうして自分が「考える人」なんだろう―。
 手持ち無沙汰であった以上に、居心地の悪さを感じたのは、「考える人」というその“屋号”です。口はばったいというか、柄じゃないというか。どう見ても「1勝9敗」で名前負け。そんな自分にはたして何ができるというのだろうか―手を動かす前に、そんなことばかり考えていたように記憶しています。
それから19年が経ち、何の因果か編集長に就任。それなりに経験を積んだとはいえ、まだまだ「考える人」という四文字に重みを感じる自分がいます。
 それだけ大きな“屋号”なのでしょう。この19年でどれだけ時代が変化しても、創刊時に標榜した「"Plain living, high thinking"(シンプルな暮らし、自分の頭で考える力)」という編集理念は色褪せないどころか、ますますその必要性を増しているように感じています。相手にとって不足なし。胸を借りるつもりで、その任にあたりたいと考えています。どうぞよろしくお願いいたします。

「考える人」編集長
金寿煥

著者プロフィール

ジェーン・スー

1973年、東京生まれの日本人。作詞家、コラムニスト、ラジオパーソナリティ。TBSラジオ「ジェーン・スー 生活は踊る」のMCを務める。『貴様いつまで女子でいるつもりだ問題』(幻冬舎文庫)で第31回講談社エッセイ賞を受賞。著書に『私たちがプロポーズされないのには、101の理由があってだな』(ポプラ文庫)、『生きるとか死ぬとか父親とか』(新潮文庫)、『おつかれ、今日の私。』(マガジンハウス)、『闘いの庭 咲く女 彼女がそこにいる理由』(文藝春秋)など。

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