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小さい午餐

 回転寿司を食べてきた。1人で行くのは初めてだ。回転寿司というのは、寿司がレーンを回っていたり注文した寿司が自分の真ん前で止まったりするというギミックにどうやっても遊戯性というか、面白がらそうとしている感がある。私は保育園に子供を預けているのだが、そういう身で、例えば定食や麺類を食べていたらランチね、という風に受けとられると思うのだが、それが回転寿司だと、なんというかふざけんじゃねえぞというような、遊んでやがるというかそういう視線を受けるのではないか。つまりジャンルとしては回転寿司は定食屋よりはカラオケとか遊園地に近いのではないか…でも、今日は行こう行ってやる行くんだと思って行ってきた。いろいろなことがうまくいっていなかった。納期、焦り、不義理、書いても書いてもピンとこない。たった今私以外の作家は全員もりもり仕事をしているような気がする。仕事以外もさえないことが続いていた。年末年始の集まりでのやりとり、お年玉のぽち袋に親戚の子の名前を間違えて書いていたことに後で気づいて電話で謝り、右を見れば1年間放置している確定申告で使うべきレシート類支払調書類マイナンバー提出要請書が雪崩れ部屋を見渡せば結局果たせなかった年末大掃除、誰のせいでもなく自分のせい、1人膠着状態、これを打破するには普段しないようなパーッとしたことをしよう、パーッとしたことってなんだ、と思ったときそれはお寿司じゃないかと思ったのだ。寿司の特別感、回転寿司のあの祝祭性が今の私の状況を変える、シャーっと滑ってくる寿司をピャピャッと食べてパーっと気持ちを切り替えて、そうしたらいろいろいい風になるかも、なるはず、そうしよう、ろくすっぽ身支度もせず家を出た。
 私は回転寿司自体あまり行ったことがない。といって回らない寿司屋にも行かない。じゃあ寿司が嫌いかというとそんなことはなく、寿司とは買ってきて家で食べるものだった。幼いころは近所の寿司屋から出前をとっていた。もちろんたまの大ごちそう、黒い丸い寿司桶、嬉しいなおいしいなと思っていたのだがあるとき親が誰かと話していて寿司の話題になり、出前をとっている寿司屋の名前をあげたところ相手があそこの寿司はまずいのにどうしてと驚愕し、シャリはひどいし、鮮度も悪いし、いくらもわさびもまがい物なのに…以来、おいしいごちそうだと思っていた出前のお寿司はひどい古いまがい物ということになり自然と親も出前をとらなくなり、そのころから近所にできた小僧寿しなどの持ち帰りチェーン寿司を利用するようになったと記憶している。今ではスーパーの魚売り場の寿司パックが私の標準的な寿司だ。回転寿司の最新は結婚前に夫と行ったチェーン店で、当時住んでいた近所にオープンした店だった。ほぼ満席の休日ランチ時間、私は自分が何を食べたかよく覚えていないが、夫がとうもろこしのを食べたことは忘れない。缶詰のとうもろこしがマヨネーズに和えて酢飯に載って軍艦になっているやつ、夫はそれを複数回とった。じゃあ最後にもう1皿食べて終わりにしようかと選んだ皿もとうもろこしだった。もう10年以上前のことだ。ときが経つのは早いし、夫は今でもとうもろこしが好きだ。夏に帰省するたびに焼いたとうもろこしを何本も食べて下痢をしている。
 蝋梅の匂いがした。お正月の匂いだ。黄色い花弁が丸く艶のある蝋梅の匂いは香水のように強い。子供の頃からこれを嗅ぐとああお正月お正月と思うのだが、それを、実際に年末になって嗅ぐまで忘れている。沈丁花とか藤のようにまだかなそろそろかな等一切思っていないところに不意に匂って、はっと、お正月だ、お正月には匂いがあったんだ! お正月には親戚と会う。それは大半が楽しく喜ばしい機会だ。おせちにお刺身カキフライ、それこそ冠婚葬祭がなければ1年ぶりに顔をあわせる人もいる。親戚の子供が大きくなっていることに驚き、私の子供もまた大きくなっていると驚かれ、あのヒロコちゃんがお母さんになるなんてねえなどと言われ毎年言われ、子供たちは遊び、大人はお酒を飲みつつ食事をしていると正面に座った親族の男性らと学校の話になった。私の子供は来年小学校に入る。校則なり教師の態度なり、理不尽なことがあったら意義を申し立てるべきだと思うが親として具体的にどう動けばいいだろうと悩む私に彼らは、世界は理不尽なものなのだから学生のうちにそれに慣れておかねばならぬ、学校は理不尽でいいのだと言った。隣に座った別の男性も、彼の中学生の息子もそうだそうだとうなずいた。でも…。でも、そういう、合理的じゃない、ちゃんとした理由もないような理不尽に耐えさせるようなことをずっとしてきたから、理不尽に黙って耐えるような大人が理不尽を改善しないままやってきたから、今の日本はこんなになっちゃってるんじゃない?「日本だけじゃない」「そうそう」「世界中、どこもダメだよ」「その通り」「トランプ」「EU離脱」「ナニ、ヒロコちゃんはモンスターペアレンツになるの?」「ちがうよ父さん」中学生が言った。「1人で単数だからペアレント。モンスター・ペアレント!」民家の玄関にポインターの実物大陶像が置いてあってこちらをにらんでいた。同じ庭に白雪姫の小人たちもいてパンジーの花に埋もれ楽器を演奏していた。ラッパ、小太鼓、ハープ、アコーディオン、手ぶらで歌っている奴もいた。回転寿司屋についた。若い、大学生くらいに見える男女グループが楽しそうに話し笑いながら扉を開けて出てきたところだった。ツーブロックにした男の子が私のために扉を開けて待っていてくれたのでお礼を言った。和風だが和服ではない制服姿の女性が何名様ですかと言った。1人ですと答えると「カウンターでもよろしいですか」はい。「当店のお皿のとり方ご存知ですか」お皿のとり方。教えてもらっていいですかと答えると女性は実演用にレジ脇に用意してあるらしい、上に透明なドーム状の蓋がついた皿を手に持ち「こちら蓋には触らずお皿の縁を手前に持ち上げていただきますと蓋が開きますので。中のお皿だけおとりください」へええ、なるほど、はい。「ではこちらにどうぞ」小さいボードを手渡される。36番、と書いてある。案内されたのは寿司が流れるレーン沿いのカウンターで、1席ごとに番号が振ってある。私の席は36番、右側1つ隣の38番とさらにそこから1つ隣の40番にそれぞれ女性の1人客が座っていた。2人とも仕事中のランチタイムと思しき雰囲気で、40番の方の人は少し前から座っているらしく皿を積み上げ肘をついてスマホになにか打ちこんでいる。仕事中の人もランチに回転寿司にくるのだな、と少し安堵しつつ座る。短時間でスパッと適量食べられていいのかもしれない。テーブル席は、レーンに対して直角の向きに4人用ないし6人用に見えるテーブルがくっつき、人々はレーンと水平向きに座っている。カウンターとテーブル席は同じレーンを挟んで向かい合っているものの、顔の向きが90度違うのとレーンが2本並走していてそれぞれのレーンが違うために視線や動線がかち合わないようになっている。テーブル席は7割くらいの入りで、カウンターは隣り合って座っている人がいない程度の混み具合だった。ここは基本的に寿司2貫が載った皿1枚が100円で、メニューによっては200円の皿や1皿1貫しか載っていない皿がある。目の前の、誰がとってもいい共有レーンにはさっき説明を受けたドーム蓋つきの寿司が流れていき、その上段、私の目の高さよりはやや下、くらいの位置に注文品のレーンがありその手前にタッチパネルがついている。前(10年以上前だが)来たときも個別注文はタッチパネルだったが、それは卓上に置いてあったような。違うチェーンだからか、それともカウンター席だからだろうか。注文するのに腕をあげて指をパネルに押し当てつつ考えていると少し緊張し焦るような気分になった。小柄な人だったら結構腕が疲れるのではないか。期間限定のものやおすすめ、サイドメニュー、軍艦、握り寿司、巻物、デザート、腕を伸ばして人差し指でまず握り寿司のとこへ行く。
 マグロやエビやイカ、シメサバなどが写真つきで表示された中で、とりあえずアジを触る。触ってから気づいたがアジは1皿1貫の高級品だ。まあ1 皿目だしいいか、注文を送信してよろしいですかと出るのではいを押すと意外と大きなポロン、という音が鳴り36番のあなたの注文を送信しました、という内容の文字が表示された。卓上には醤油差しや小さい細々した容器や箸箱などが並んでいる。それぞれにラベルシールが貼ってあって、小さい文字で醤油、ポン酢、わさび、粉茶、などと書いてある。割り箸やスプーンなども容器に入っていて、湯呑みは注文品レーンのさらに上の棚に積んである。私は腰を浮かせてプラスチックの湯呑みを1つとって粉茶を入れた。お茶の容器に粉茶は付属のサジ2杯入れるようにとあったのでそうした。レーン下、私の正面についている熱湯・注意と書いてあるレバーを押して湯を注ぐ。お茶の掬いようが悪かったのか溶けていないのか飲むとちょっと薄かった。頼んだアジが私の正面より2センチくらい左にずれたあたりで静止した。腕を伸ばしてとる。さっき教わった通り皿の縁を持ち上げるとドーム蓋が持ち上がる。なるほど。上に生姜とネギが載っている。醤油差しは押した分だけ1滴ずつ垂れてくるタイプで、寿司の上でぽとぽと落とす。食べる。うん、アジだ。スーパーの持ち帰り寿司と比べたら、もっとおいしい場合ももっとおいしくない場合もあるだろう。目の前の共有レーンにタラ白子ポン酢の軍艦、という今まで食べたことがない寿司が流れてきた。ポン酢に酢飯、寿司の種類はドーム蓋つき皿の隣に札が立っていてわかるようになっている。ポン酢部分はゼリーになって、タラの白子と1:3くらいの割合で軍艦の上に載っかっている。わさびの容器の蓋をとると、意外なくらいこんもりびっしりと薄緑色のわさびが詰めこまれていた。差しこんである小さい耳かき状のスプーンが抜けずようよう抜くとわさびが卓上に溢れた。タラ白子ポン酢軍艦の皿の隅にわさびをひとすくい載せてから、少量箸でとって軍艦に載せて口に入れた。ふむ、と思った途端かなり強烈にわさびが効いた。ネタと酢飯の間でなく上に置いたためかやたらに刺激的だった。わさびってこんなにちょびっとでこんなにクーンとくるものだったっけ、と思いながらタッチパネルでいくらを頼んだ。これも1皿1貫の高級品だ。気後れするが今日は景気良くせねばならぬ、いくらは子供の頃から好きだった。祖母が、いくらが好きなんじゃねえ私のもあげよう、と私の皿に入れてくれて、弟の皿には祖父が入れて、しかしそのいくらは知人によると偽物で、別においしかったけどなあ。当時はやたらに丸くて張り詰めてピカピカしてるやつは偽いくらだとか、口に皮が残ったら、中の赤が濃い部分が2つ以上あるのは、いやその逆がとかいろいろ言われていた。というか最近偽物のいくらという言葉自体を聞かない気がするが根絶されたのか、それとも精妙になったのでもう本物と見分けなくていいのか、マイワシというのも頼んだ。目の前に、炙りベーコン、という札を立てた寿司が流れていく。筋状に垂らされたマヨネーズに焦げ目がついて小さく火脹れている。ハンバーグの寿司にもたっぷりマヨネーズが絞ってある。ツブ貝、ホッキ貝、どうやって切ったんだろうというくらい、透けるほど薄く切ったアボカドが載っかったエビが流れていく。あったかいもの、茶碗蒸しも食べようとタッチパネルを触ると、三つ葉あり/三つ葉なしという選択肢が出た。三つ葉が苦手な人が多いのか。三つ葉だって安くない。嫌いならなしが選べるのは合理的かもしれない。ありを頼む。三つ葉は実家の裏庭にいくらでも生えていたけれど今はもうなくなってしまった。
 炙り牛肉と牛しゃぶサラダという寿司が流れていく。牛しゃぶサラダをとる。同時にいくらとマイワシがきて私の前で止まった。牛しゃぶサラダは茹でた牛肉の上に玉ねぎスライスと生姜とネギが載って醤油色のドレッシングが垂らしてある。箸で1貫とろうとするとうまくいかず、肉をめくってみると薄切り肉の向きと2つ並んだ酢飯の配置が直交していた。薄切り肉の下から酢飯を掘り出し皿の隅に置いてから、剥がした肉を約半量載せて食べる。なるほど牛しゃぶサラダという味がした。マイワシは写真とどこがどうとは言えないがどこか違っていた。いくらはいくらの味、やっぱりわさびが強い。特別強い調合のわさびなのか。いつしか38番と40番の女性客は立ち去っていた。茶碗蒸しがきた。蓋をとると立派な緑濃い分厚い三つ葉がむっくと立ち上がった。
 左側の1つ隣34番席に男性がきた。60代くらいでナッパ服姿、座るやいなや慣れた風にタッチパネルを操作している。私はお茶をもう1杯飲もうと粉を入れ湯を注いだ。湯の注ぎ方が悪かったのかお茶の粉が水面に浮いて全然混ざらない。息で粉茶を湯に沈めようとフッと吹くと、水面の粉茶が舞い上がって私の顔に吹きつけてきた。あああああ、湯呑みを置き紙おしぼりで顔を拭ったが心もとない。顔が緑になっていないかと思ったが鏡がなく、仕方なくスマホを自撮り画面にして見る。今日は外出するつもりではなかったので眉毛も描いていない、仕事が煮詰まり顎には吹き出物(これがずっと治らない)という今の私の顔、緑色にはなっていなかった。眼球がざらざらした。茶碗蒸しを食べるとき使ったスプーンで湯呑みをかき回して飲んだ。
 目の前に、食べ終えた皿はここに入れてくださいと書かれた穴というかスリットがあるのだが、入れてしまうとなんだか自分がどれくらい食べたかわからなくなりそうで皿は積み上げた。どれくらい食べたらちょうどいいのか、だいたいパック寿司の1人前は10貫とかそれくらいだから5皿か、だったらもう食べ終えてもいいが物足りない気もする。それにまだ全然パーっとなっていない。なにを頼めばパーっとするのだろう。タッチパネルをどんどん押して送るが私が今食べてパーっとしそうなものが出てこない。きゅうり巻きという表記の河童巻きも納豆巻きも鉄火巻きもあるのにかんぴょう巻きがない。スーパーでもかんぴょう巻きを見ない。おいしいのに絶滅危惧種なのか。うどん、天丼、デザート、アルコール…隣の男性が注文した品物が私の目の前を通過し次々彼の前に止まった。マグロ、上にマヨネーズかチーズかなにかが載っかって焦がしてあるエビ、穴子かうなぎらしい茶色、小さい丼もあった。横目に見ていると麺類のようだ。タッチパネルには、うどんとかラーメンとかもメニューにあってだいたいどれも400円くらい、安いような、寿司4皿すなわち8貫分と思うと高いような、いやここの寿司が安すぎるのか、レーンを挟んで向かい側のテーブル席の女性(顔は見えなくて腕だけ見える)は天丼を食べている。5、60代くらいの女性2人連れ、どちらも天丼、割に立派な海老のシルエットがレーンの隙間から見える。国産天然魚パレードと書かれた札が回っていく。ハマチのような色味の魚が続く。その直後にこだわり寿司パレード、という札がきて半透明の白い身に薄く灰色の筋が入った白身魚が回っていく。甘エビがきたのでとる。せっかくだしとタッチパネルでウニを頼む。ウニは200円の上に1貫物だ。ドッカン、と大きな音がした。34番席の男性が食べ終えた寿司の皿をスリットに落としている。ドッカン、ドッカン、こんな音がするのか。ウニがきたので食べた。満腹なようなそうでもないような、最後にもう1皿なにかと思っていると最初に食べたタラ白子ポン酢軍艦が再びきたのでとって食べた。湯呑みの底に粉茶が溶け残っていたので湯だけ注いでスプーンでかき回して飲んだ。隣の男性は湯呑みに割り箸を立てて混ぜていた。タッチパネルで会計というのを押すと女性の店員さんがやってきて私が食べたのは8皿と茶碗蒸しで間違いないかと言うのではいと答える。アジとウニとイクラは1貫だったから、ならば13貫食べたことになる。「では番号のバインダーお持ちになってレジでお支払いください」祝祭感どころか、どちらかというと食事の気分ですらなかったなと思った。タッチパネルを操作しなにを次に発注するか、なにをとるか、今自分は満腹か本当にそうかと考え続ける、全然パーっとしない、もちろん悪いのは店ではなくて私で、多分今の私は皇帝に満漢全席をごちそうしてもらったって女王様にアフタヌーンティーに呼ばれたってパーっとはしないのだろう。店を出るところにガチャガチャがあった。子供にと思ってディズニープリンセスものを1つ回した。知らないプリンセスの髪飾りが出てきた。コートのポケットに入れて家に帰った。

庭

小山田浩子

2018/03/31発売

それぞれに無限の輝きを放つ、15の小さな場所。芥川賞受賞後初著書となる作品集。

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考える人とはとは

 はじめまして。2021年2月1日よりウェブマガジン「考える人」の編集長をつとめることになりました、金寿煥と申します。いつもサイトにお立ち寄りいただきありがとうございます。
「考える人」との縁は、2002年の雑誌創刊まで遡ります。その前年、入社以来所属していた写真週刊誌が休刊となり、社内における進路があやふやとなっていた私は、2002年1月に部署異動を命じられ、創刊スタッフとして「考える人」の編集に携わることになりました。とはいえ、まだまだ駆け出しの入社3年目。「考える」どころか、右も左もわかりません。慌ただしく立ち働く諸先輩方の邪魔にならぬよう、ただただ気配を殺していました。
どうして自分が「考える人」なんだろう―。
手持ち無沙汰であった以上に、居心地の悪さを感じたのは、「考える人」というその“屋号”です。口はばったいというか、柄じゃないというか。どう見ても「1勝9敗」で名前負け。そんな自分にはたして何ができるというのだろうか―手を動かす前に、そんなことばかり考えていたように記憶しています。
それから19年が経ち、何の因果か編集長に就任。それなりに経験を積んだとはいえ、まだまだ「考える人」という四文字に重みを感じる自分がいます。
それだけ大きな“屋号”なのでしょう。この19年でどれだけ時代が変化しても、創刊時に標榜した「"Plain living, high thinking"(シンプルな暮らし、自分の頭で考える力)」という編集理念は色褪せないどころか、ますますその必要性を増しているように感じています。相手にとって不足なし。胸を借りるつもりで、その任にあたりたいと考えています。どうぞよろしくお願いいたします。

「考える人」編集長
金寿煥

著者プロフィール

小山田浩子

1983年広島県生まれ。2010年「工場」で新潮新人賞を受賞してデビュー。2013年、同作を収録した単行本『工場』が三島由紀夫賞候補となる。同書で織田作之助賞受賞。2014年「」で第150回芥川龍之介賞受賞。他の著書に『』『小島』『パイプの中のかえる』など。

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