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知の楽しみにあふれたWebマガジン。
 
 

安田菜津紀の写真日記

2018年6月22日 安田菜津紀の写真日記

「死にたい」は自己責任なのか

著者: 安田菜津紀

花びらたち。ときにはかないけれど、尊い。

 ネット上で「過労自殺は自己責任」という言葉が物議をかもしている。心がずきずきと痛んでいる人も少なくないはずだ。
 私は大学生時代、あしなが育英会という団体でボランティアをしていたことがあった。自殺で親を亡くした同級生も少なくなく、彼ら彼女たちが少しずつ語ってくれる言葉をつなぎ合わせていくと、経済的に困窮したことや人間関係、切っても切り離せない元々の生い立ちなど、自殺に至るまでにいくつもの要因が複雑に絡み合っていることが分かった。そして最後には「ごめんね」と言い残す人が多かったように思う。「生きていたら迷惑かけるから、ごめんね」「自分なんかいない方がいいね、ごめんね」。自殺は“自己責任”という安易な言葉で切り捨てられるようなものではなく、それしか選択肢がなくなるまで追いやられてしまった状態なのではないだろうか。
 そして“自己責任”という言葉は、残されてしまった家族や身近な人々をも追い込む言葉だろう。「どうして支えになれなかったんだろう」「自分が追い込んでしまったんではないか」と時を経てもなお、自身を責め続けている人も少なくないはずだ。
 そんな方々に、私があるとき目にした、自殺対策のポスターの言葉を伝えたいと思う。「弱かったのは、個人でなく、社会の支えでした」。追い込まれた人たちを切り捨てるのではなく、優しく包み込める社会を、私は諦めたくない。

陽の光と共に、名も知らない花がそこに輝いていた。

 

関連サイト

いのち支える相談窓口一覧

https://jssc.ncnp.go.jp/soudan.php

SNSで相談ができる団体

http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000194961.html

君とまた、あの場所へ―シリア難民の明日―

君とまた、あの場所へ―シリア難民の明日―

安田菜津紀

2016/04/22発売

シリアからの残酷な映像ばかりが注目される中、その陰に隠れて見過ごされている難民たちの日常を現地取材。彼らのささやかな声に耳を澄まし、「置き去りにされた悲しみ」に寄り添いながら、その苦悩と希望を撮り、綴って伝える渾身のルポ。

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考える人とはとは

何かについて考え、それが「わかる」とはどういうことでしょうか。

「わかる」のが当然だった時代は終わり、平成も終わり、現在は「わからない」が当然な時代です。わからないことを前提として、自分なりの考え方を模索するしかありません。

わかるとは、いわば自分の外側にあるものを、自分の尺度に照らして新しく再構成していくこと。

"Plain living, high thinking"(シンプルな暮らし、自分の頭で考える力)*を編集理念に、Webメディア「考える人」は、わかりたい読者に向けて、知の楽しみにあふれたコンテンツをお届けします。

*産業革命後に急速な都市化が進むロンドンで、イギリスの詩人ワーズワースが書き遺した言葉。

 

 

「考える人」編集長
松村 正樹

著者プロフィール

安田菜津紀

1987年神奈川県生まれ。NPO法人Dialogue for People(ダイアローグフォーピープル/D4P)所属フォトジャーナリスト。同団体の副代表。16歳のとき、「国境なき子どもたち」友情のレポーターとしてカンボジアで貧困にさらされる子どもたちを取材。現在、東南アジア、中東、アフリカ、日本国内で難民や貧困、災害の取材を進める。東日本大震災以降は陸前高田市を中心に、被災地を記録し続けている。著書に『写真で伝える仕事 -世界の子どもたちと向き合って-』(日本写真企画)、他。上智大学卒。現在、TBSテレビ『サンデーモーニング』にコメンテーターとして出演中。

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