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安田菜津紀の写真日記

2019年5月17日 安田菜津紀の写真日記

ちょっと遅れただけで、なんであんなに謝るの?

著者: 安田菜津紀

夜明けのニューデリー駅

 前回の寄稿、「満員電車の話をウガンダの友人にしたところ……」では、日本の満員電車を目の当たりにしたウガンダの友人が、「ウガンダだったらね、あの空間にあれだけの人がいたら、多分皆で歌っていると思うんだよ」と驚いていたエピソードを紹介した。
 読んで下さった方々からは、「海外の旅先でバスに乗ったら大合唱が始まったことがある」「インドから来た友人に、電車にあんなに人がいるのになぜお互いしゃべらないのかと聞かれた」と続々、ほっこりとする、あるいははっとさせられるような体験談を寄せて頂いた。
 電車といえば満員の車両以外にも、時間の正確さについて、国外から来た友人たちの言葉にはっとさせられることがある。
 以前カンボジアから来日した友人が、「日本の電車ってちょっと遅れただけで、なんで謝るの?」と不思議そうに尋ねてきたことがあった。例のウガンダの友人からは「ちょっと遅れただけであんなに謝るなんて、冗談言ってこっちをバカにしてるのかな?」なんて真顔で言われたこともある。そんな厳しい日本の電車事情をインド渡航時に友人にしたところ、「電車が来るだけいいじゃん」と笑って言われてしまった。確かに、以前インドを旅した別の友人から、乗るはずだった長距離列車が予定時刻から数時間経っても駅に来ず、挙句「今日はその列車は来ません」と言われた、という体験談を聞いたことが思い出される。
 2~3分の遅れにいら立つよりも、「今日も電車が来てくれた!」に感謝を積み重ねられる心のゆとりを持ちたい、と彼らの言葉に触れながら思う(それが実現するためにはもう少し、通勤時間や働き方を柔軟にしていく必要があるのだろう)。
 日常の中での時間の流れの違いに関しては、さらに次の回でも書いていきたい。

朝日の中、人々がニューデリー駅へと集ってくる
君とまた、あの場所へ―シリア難民の明日―

君とまた、あの場所へ―シリア難民の明日―

安田菜津紀

2016/04/22発売

シリアからの残酷な映像ばかりが注目される中、その陰に隠れて見過ごされている難民たちの日常を現地取材。彼らのささやかな声に耳を澄まし、「置き去りにされた悲しみ」に寄り添いながら、その苦悩と希望を撮り、綴って伝える渾身のルポ。

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考える人とはとは

何かについて考え、それが「わかる」とはどういうことでしょうか。

「わかる」のが当然だった時代は終わり、平成も終わり、現在は「わからない」が当然な時代です。わからないことを前提として、自分なりの考え方を模索するしかありません。

わかるとは、いわば自分の外側にあるものを、自分の尺度に照らして新しく再構成していくこと。

“Plain living, high thinking”(シンプルな暮らし、自分の頭で考える力)*を編集理念に、Webメディア「考える人」は、わかりたい読者に向けて、知の楽しみにあふれたコンテンツをお届けします。

*産業革命後に急速な都市化が進むロンドンで、イギリスの詩人ワーズワースが書き遺した言葉。

 

 

「考える人」編集長
松村 正樹

著者プロフィール

安田菜津紀

1987年神奈川県生まれ。Dialogue for People(ダイアローグフォーピープル)所属フォトジャーナリスト。16歳のとき、「国境なき子どもたち」友情のレポーターとしてカンボジアで貧困にさらされる子どもたちを取材。現在、東南アジア、中東、アフリカ、日本国内で難民や貧困、災害の取材を進める。東日本大震災以降は陸前高田市を中心に、被災地を記録し続けている。著書に『写真で伝える仕事 -世界の子どもたちと向き合って-』(日本写真企画)、他。上智大学卒。現在、TBSテレビ『サンデーモーニング』にコメンテーターとして出演中。

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