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河合隼雄物語賞・学芸賞

2024年6月3日 河合隼雄物語賞・学芸賞

第12回河合隼雄物語賞・学芸賞授賞作決定

著者: 考える人編集部

2024年6月3日、一般財団法人河合隼雄財団の主催(協力:新潮社)による「河合隼雄物語賞」「河合隼雄学芸賞」の第12回選考会が開催され、授賞作が決定しました。

第12回河合隼雄物語賞

八木詠美『休館日の彼女たち』(2023年3月刊行 筑摩書房)

第12回河合隼雄物語賞は、 八木詠美『休館日の彼女たち』(2023年3月刊行 筑摩書房) に決まりました。選考委員のみなさん(岩宮恵子氏、小川洋子氏、松家仁之氏=五十音順)は、「平行の世界に存在するもの同士が魂を交換させることによって、コミュニケーションの可能性を問いかけてくる作品」という授賞理由をあげています。

八木さんは受賞の報を受けて、「物語に生かされてきた者としてこのような賞をいただき、たいへん嬉しく思います」と受賞のことばを述べられました。

著者略歴

八木 詠美(やぎ・えみ)
1988年長野県生まれ。東京都在住。早稲田大学文化構想学部卒業。2020年、「空芯手帳」で第36回太宰治賞を受賞。2022年、同作の英語版『Diary of a Void』が刊行され、「ニューヨーカー」や「ニューヨーク・タイムズ」への書評掲載やニューヨーク公立図書館の年間ベストブックに挙げられるなど話題を呼んだ。現在、世界24カ国語で翻訳されている。2023年、二作目となる『休館日の彼女たち』を刊行。

第12回河合隼雄学芸賞

湯澤規子『焼き芋とドーナツ 日米シスターフッド交流秘史』(2023年9月刊行 KADOKAWA)

第12回河合隼雄学芸賞は、湯澤規子『焼き芋とドーナツ 日米シスターフッド交流秘史』(2023年9月刊行 KADOKAWA) に決まりました。選考委員のみなさん(内田由紀子氏、中沢新一氏、山極壽一氏、若松英輔氏=五十音順)は、「日米で産業革命に直面した女性たちが描いた夢と日常的生活実践を克明に描き出した秀作」という授賞理由をあげています。

湯澤さんは受賞の報を受けて、「栄誉ある賞をいただきありがとうございます。過去に生きた人びとの声を現代に伝える一つの物語として、そして学芸として認めていただいたことをうれしく思います。受賞を励みにしてこれからも研究に取り組んでまいります」と受賞のことばを述べられました。

著者略歴

湯澤 規子(ゆざわ・のりこ)
1974年大阪府生まれ。法政大学人間環境学部教授。筑波大学大学院歴史・人類学研究科単位取得満期退学。博士(文学)。明治大学経営学部専任講師、筑波大学生命環境系准教授を経て、現職。「生きる」をテーマに地理学、歴史学、経済学の視点から、当たり前の日常を問い直すフィールドワークを重ねている。『在来産業と家族の地域史 ライフヒストリーからみた小規模家族経営と結城紬生産』(古今書院)で経済地理学会著作賞、地理空間学会学会賞学術賞、日本農業史学会学会賞を受賞。『胃袋の近代 食と人びとの日常史』(名古屋大学出版会)で生協総研賞研究賞、人文地理学会学会賞(学術図書部門)を受賞。他の著書に『7袋のポテトチップス 食べるを語る、胃袋の戦後史』(晶文社)、『ウンコはどこから来て、どこへ行くのか 人糞地理学ことはじめ』(ちくま新書)、『「おふくろの味」幻想 誰が郷愁の味をつくったのか』(光文社新書)等。

授賞作には正賞記念品及び副賞として 100 万円が贈られます。 また、受賞者の言葉と選評は、7月5日発売の「新潮」に掲載されます。

河合隼雄物語賞・学芸賞についての詳細は、一般財団法人・河合隼雄財団のHPをご覧ください。

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考える人とはとは

 はじめまして。2021年2月1日よりウェブマガジン「考える人」の編集長をつとめることになりました、金寿煥と申します。いつもサイトにお立ち寄りいただきありがとうございます。
「考える人」との縁は、2002年の雑誌創刊まで遡ります。その前年、入社以来所属していた写真週刊誌が休刊となり、社内における進路があやふやとなっていた私は、2002年1月に部署異動を命じられ、創刊スタッフとして「考える人」の編集に携わることになりました。とはいえ、まだまだ駆け出しの入社3年目。「考える」どころか、右も左もわかりません。慌ただしく立ち働く諸先輩方の邪魔にならぬよう、ただただ気配を殺していました。
どうして自分が「考える人」なんだろう―。
手持ち無沙汰であった以上に、居心地の悪さを感じたのは、「考える人」というその“屋号”です。口はばったいというか、柄じゃないというか。どう見ても「1勝9敗」で名前負け。そんな自分にはたして何ができるというのだろうか―手を動かす前に、そんなことばかり考えていたように記憶しています。
それから19年が経ち、何の因果か編集長に就任。それなりに経験を積んだとはいえ、まだまだ「考える人」という四文字に重みを感じる自分がいます。
それだけ大きな“屋号”なのでしょう。この19年でどれだけ時代が変化しても、創刊時に標榜した「"Plain living, high thinking"(シンプルな暮らし、自分の頭で考える力)」という編集理念は色褪せないどころか、ますますその必要性を増しているように感じています。相手にとって不足なし。胸を借りるつもりで、その任にあたりたいと考えています。どうぞよろしくお願いいたします。

「考える人」編集長
金寿煥

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