「食べる葦」一覧
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断崖絶壁バーミヤンのナン
アフガニスタンの首都カブールからバーミヤン石仏に行く途中、運転手のアトム君が道を間違えた。幹線道路から西に入る谷を、一本手前の谷で曲がってしまったらしい。 ……
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ベラルーシのリンゴ
女優の岸惠子さんのエッセイ「ベラルーシの林檎」に、面白い場面が出てくる。ポーランドに買い出しに来た旧ソ連の老女が、帰りの列車の中でリンゴを食べるシーンだ。 ……
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砂漠の中のクスクス
クスクスというのは「肉煮込み汁ご飯」といったところか。サハラ周縁地域でよく食べられている家庭料理だ。 小麦やヒエ、キビなどを粗く挽いて蒸す。それを皿に盛り、……
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インジェラは辛くてつらい
インジェラと初めて出会ったのは1984年だ。ダラッと皿一杯に広がった薄パン。灰色をしていて、表面にはブツブツ小さな穴が開いている。なんだこれ、まるで雑巾じゃないか……
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スパゲッティマカロニ豆ライス!
カイロに駐在していたころ、昼飯でよく食べたのは「コシャリ」だった。 スパゲッティやらマカロニやらライスやら豆やらを混ぜ合せ、トマト味の甘酸っぱいソースをかけ……
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モロヘイヤ・スープはウサギに限る
モロヘイヤは、シソの葉のような形の緑色の葉をつける野菜で、ナイル川の沿岸で栽培されている。エジプトでもっとも人気のある緑色野菜である。 葉っぱを食べるのだが……
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ブドウの葉ご飯と王様
ブドウの葉でご飯を包んだ「ドルマ」。ギリシャでは一般的な伝統料理だ。そのドルマに、なんと中東のヨルダンで出会った。 直径1センチ、長さ5センチほどの筒型の一口……
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ガーナのお餅は最高の味!
西アフリカには「フーフー」という食べ物がある。ナイジェリアやベナン、トーゴなどのギニア湾沿岸地方でよく食べられている。 キャッサバという根茎を砕いて粉にし、……
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エクソダスと血詰めソーセージ
「ブルボス」というのは、南アフリカ名物の大型の粗挽きソーセージのことだ。初期オランダ系入植者がつくりだした。太さ3センチ、長さは50センチもあって、ドデンととぐ……
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昼食はパパイヤだけです。
無政府状態のソマリアだが、とにかくホテルはあった。「サハフィール」という名前だった。2003年、ソマリアの首都モガディシオに入ったときのことだ。 武装した護衛団……
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カラシニコフ氏の冷凍ピロシキ
カラシニコフ自動小銃は世界中に2億丁あるといわれる。世界でもっとも大量に出回っている銃だ。その開発者、ミハイル・カラシニコフ氏は、ロシア・ウラル地方の都市イジ……
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羊ひっくり返しご飯
1993年、中東和平を話し合いで達成しようという合意が米国の仲介で成立し、調印式が米ホワイトハウスで行われた。中庭に特設された壇上で、イスラエル・ラビン首相とPLO……
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銃撃・略奪・チグリス川の鯉
2003年3月のイラク戦争で、私が泊まったバグダッドの宿は「サフィール」という小さなホテルだった。サフィールは英語でいえばアンバサダー、大使という意味だ。アンバサ……
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世界一うまい羊肉
アラブ世界で「肉」といえば、それはヒツジ肉である。 豚肉はイスラム教でタブーとされていて、食べることはおろか、触ることも許されない。私が住んでいたエジプトで……
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MAIL MAGAZINE
とは
はじめまして。2021年2月1日よりウェブマガジン「考える人」の編集長をつとめることになりました、金寿煥と申します。いつもサイトにお立ち寄りいただきありがとうございます。
「考える人」との縁は、2002年の雑誌創刊まで遡ります。その前年、入社以来所属していた写真週刊誌が休刊となり、社内における進路があやふやとなっていた私は、2002年1月に部署異動を命じられ、創刊スタッフとして「考える人」の編集に携わることになりました。とはいえ、まだまだ駆け出しの入社3年目。「考える」どころか、右も左もわかりません。慌ただしく立ち働く諸先輩方の邪魔にならぬよう、ただただ気配を殺していました。
どうして自分が「考える人」なんだろう――。
手持ち無沙汰であった以上に、居心地の悪さを感じたのは、「考える人」というその“屋号”です。口はばったいというか、柄じゃないというか。どう見ても「1勝9敗」で名前負け。そんな自分にはたして何ができるというのだろうか――手を動かす前に、そんなことばかり考えていたように記憶しています。
それから19年が経ち、何の因果か編集長に就任。それなりに経験を積んだとはいえ、まだまだ「考える人」という四文字に重みを感じる自分がいます。
それだけ大きな“屋号”なのでしょう。この19年でどれだけ時代が変化しても、創刊時に標榜した「"Plain living, high thinking"(シンプルな暮らし、自分の頭で考える力)」という編集理念は色褪せないどころか、ますますその必要性を増しているように感じています。相手にとって不足なし。胸を借りるつもりで、その任にあたりたいと考えています。どうぞよろしくお願いいたします。
「考える人」編集長
金寿煥
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