シンプルな暮らし、自分の頭で考える力。
知の楽しみにあふれたWebマガジン。
 
 

「ジャーナリズム」一覧

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昼食はパパイヤだけです。

 無政府状態のソマリアだが、とにかくホテルはあった。「サハフィール」という名前だった。2003年、ソマリアの首都モガディシオに入ったときのことだ。  武装した護衛団……

食べる葦
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銃撃・略奪・チグリス川の鯉

 2003年3月のイラク戦争で、私が泊まったバグダッドの宿は「サフィール」という小さなホテルだった。サフィールは英語でいえばアンバサダー、大使という意味だ。アンバサ……

安田菜津紀の写真日記
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チョコレートは誰のために

 畑の間を潜り抜けるような赤土の道は至るところがへこみ、車は激しく揺れながら奥地へと進んでいく。両側に生い茂る少し背丈の低い木々は、よく見ると黄色いふっくらとし……

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性被害の”当事者”は誰か

 #MeToo というハッシュタグを、Twitterのタイムラインで頻繁に目にするようになった。思えばこの一年国内外問わず、とりわけ性被害や犯罪に対して声があがった年だったの……

安田菜津紀の写真日記
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“伝える”よりも、“届ける”を目指して

 風が木々の葉を揺らす音だけが、静かに響いていた。耳を澄ませても、波音は聞こえない。けれども目の前の校舎の柱は無残にへし折れ、黒板や辛うじて残る可愛らしい絵が描……

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死にたい、といえる安心

 10月31日、父の命日に発覚した事件のことを、あれからずっと考えている。神奈川県座間市の男性の自宅から9人の遺体が見つかり、容疑者はSNSを通じて「死にたい」と訴えて……

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黒い髪でも赤い髪でも

 「黒い髪だろうが、赤い髪だろうが、本来問題にすらならないはずだ。見た目にとらわれて内面を無視し、“悪い生徒”とレッテルを貼るのは教育ではない」。この言葉をくれた……

安田菜津紀の写真日記
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私は”何人”か、マイノリティーとは何か

 「だって別に朝鮮学校とか行ってないんでしょ?」真顔で問うその人の目を、私はもう一度見つめ返した。何ら悪意のある言葉ではない。私の心も傷ついてはいない。ただ一抹……

安田菜津紀の写真日記
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シリアに咲く花

 4月、外には美しい風景があふれているのに、心はざわついたままだった。理由ははっきりしていた。シリアで化学兵器が使われ、さらにアメリカがそのシリアを突如空爆、と……

安田菜津紀の写真日記
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3月、今を生きる宿題

 3月がもうすぐ、終わろうとしている。11日は6年前、東日本大震災が起きた日。同じ日、取材でお世話になった方のお子さんが、保育所で亡くなったことを昨年知った。12日、……

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6年という月日は

 6年という月日。早かったのだろうか、遅かったのだろうか。こうして東日本大震災を振り返る度に、直後から感じてきた後ろめたさが蘇る。あの日、東北にも、まして日本に……

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言葉の力を信じています

 取材したものを持ち帰り、発表の場を頂く度に思うことがある。自分よりもずっと、経験が豊富なジャーナリストたちが同じ場を訪れていたらどうだったろう。より声を広げる……

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白旗と、傷跡

 イラク北部、クルド人自治区。太陽の光が優しく降り注ぐ日でも、通り抜けていく風はぴりりと冷たい。難民キャンプのゲートの前に、古びた車が一台乗り捨てられていた。車……

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「元旦」のない国から

 1月1日、新しい年を迎えた日。私はイラク北部、クルド人自治区の主要都市アルビルの救急病院にいた。日がどっぷりと落ちてもなお、遠くから切れ目なく救急車の音がけたた……

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 僭越ながら時々、写真の審査や講評をさせて頂く機会がある。毎度痛感するのは、批判的な言葉を探す方が楽であり、褒める言葉を見出す方が困難だ、ということだ。写真だけ……

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考える人とはとは

 はじめまして。2026年7月1日よりウェブマガジン「考える人」の編集長をつとめることになりました、松本太郎と申します。いつもサイトにお立ち寄りいただき、ありがとうございます。

 2002年7月4日、季刊誌「考える人」が創刊されました。

 目次には当代随一の執筆陣がずらりと並び、B5判240ページの誌面の隅々から知の香りが立ちのぼってくるかのようでした。

 当時、入社3か月の営業部員だった私は、見上げるような思いで手に取り、発売日には編集長の松家仁之さんと創刊のご挨拶のために書店にうかがいました。

 まだ書店訪問にも慣れておらず、編集長ともほぼ初対面の中、次のお店の約束の時間に間に合うだろうかと時計ばかりが気になって、終始、そわそわしていました。そんな私に松家さんがやわらかな笑顔で接してくれたこと、そして、新雑誌の門出を祝うようなすっきりと晴れた一日だったことを覚えています。

 あれから四半世紀が過ぎ、ウェブマガジンとして衣替えした今でも、創刊時に掲げられた「Plain living, high thinking(シンプルな暮らし、自分の頭で考える力)」という言葉は古びていません。AIに尋ねれば瞬時に答えが返ってくる時代だからこそ、それらしい言葉に飛びつくのではなく、自分の頭で考え、心の声に耳を澄ませることの大切さは増しているように感じます。

 創刊号には、養老孟司さんのロングインタビューが掲載されています。養老さんはその中で、恩師である中井準之助先生の口癖だった「人の心がわかる心を教養という」という言葉を紹介しています。

 読んだ瞬間に立ち止まり、さまざまな思いが湧き上がってくるような文章に、楽しみながら出会える場であり続けたいと思っています。

「考える人」編集長
松本太郎


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