みなさま、こんにちは!
日々野鮎美(27歳 会社員)です。
わたくし、”山ガール”ならぬ”単独登山女子”なんて名乗っていますが、要するに人見知りです……(?!)。
(私の詳しいプロフィールをもっと知りたい方はこちらを→リンク)
普段は会社員、週末になると山歩きばかりの生活を送っている私が、登山を始めてみたい人向けにアテンドするならこの山! ……という個人的にお気に入りのお山をご紹介します。
今回のお山は……藻岩山です!
登山口へのアクセスのよさが
誰でも気軽にチャレンジできる理由のひとつ
藻岩山へのアクセスは、札幌市営地下鉄の東西線「円山公園」駅から、JRバス「循環円10・11ロープウェイ線」に乗りつぎ、「慈啓会前」で下車すれば、歩いて2分で登山口に到着します。マイカーでもアクセス可能ですが、登山口の駐車場は平日でも混み合うそうですよ。
北海道にはおじいちゃん(日々野鶴三・79歳)が住んでいることもあり、藻岩山編は第81〜83話(コミックス8巻)に掲載されています。コミックスでは雪山ハイクしていますよ~。
藻岩山は、もともとはアイヌ語で「見晴らしのきく小さな山」を意味するインカルシペと呼ばれていました。それが後に、すぐ隣の山「モイワ」(アイヌ語で「小さな山」の意。後の円山)と混同され、明治初期ぐらいから藻岩山という名前で定着したそうです。
藻岩山に登ろうと調べていると、山頂にあるレストランではスープカレーを「登山者割引」で食べられると知りました。
北海道といえばスープカレー。山とカレーを一気に楽しんじゃおう! と、期待を膨らませて登ることに……。
今回は、一番人気のルート、慈啓会病院前コースで山頂へ! お昼ご飯を山頂で食べることにして、登り始める時間を逆算すると、午前10時に登山口と、ゆったりスタートに決定。写真の右手奥が登山口です。
藻岩山には北海道で初めて国の天然記念物に指定された原始林があり、身近な自然の研究場所として、札幌の街から高名な植物学や昆虫学の学者が育っていったそうですよ。ここには約450種の植物が育っているんだとか。
お年寄りから小さなお子さん、スニーカーで歩く人やランニングをする人、しっかりした装備で写真を撮って楽しむ人など、楽しそうなハイカーでいっぱい。やっぱりいいお山ですね。
歩いていると、ところどころ観音様が見守ってくれていることに気づきます。これは登山口の観音寺から山頂まで三十三体続いているそうです。
15分ほど歩くと登山道は道幅がすこし細くなり、木の階段や傾斜が出てきます。さらに登れば日本初のスキーリフト跡地(標高230m)です。
リフト跡地を過ぎると、またしばらく平たんな道が続きます。
しばらく歩くと「馬の背」と呼ばれる地点(標高340m)に出ます。
ここはほかのルートとの合流地点でもあり、多くの人で賑わいます。
ベンチがあるので、ちょっとひとやすみすることに。
ここから本格的な登りに入ります。といっても急登ではないので大丈夫。でも、木の階段をいくつか越えると土の地面には岩が転がっていて、前日が雨だったこともあり、少し滑りそうなので注意して歩きました。
山頂に近づくにつれ石畳のつづらおりの道になり、馬の背から約30分で山頂に到着! お疲れさまでした。
ここでお待ちかねのスープカレーを食べに、もいわ山頂駅2階のレストラン「ザ ジュエルズ」へ!
このレストランでは登山ウェア、登山ブーツ、登山帽子、登山リュック、ストックのいずれかを身に着けていると、スープカレーを20%引きで食べることができるんです。嬉しい!(2019年11月現在)
ザンギはもちろん、お野菜まで全部おいしい! 優しい辛さのカレーが疲れた体に染みます。札幌の街を眺めながら山頂で食べるスープカレーは満足感でいっぱい。来てよかった〜〜!
綺麗でおしゃれなレストランですが、登山者割引がありますし、登山者でも入りやすかったですよ。土日は混み合うようなので、念のため前日までに予約をしたほうがいいかもしれません。
藻岩山は山頂までロープウェイとミニケーブルカーを使っても登れるので、上りはロープウェイ、下りは登山道など、時間や体力に合わせてコースを選ぶことができます。
そして、藻岩山山頂からの夜景は日本新三大夜景に選ばれたそう。きっと、とってもロマンチック。今度来るときは……素敵な誰かと夜景を見ながらご飯! なんてこともしてみたいな~!
藻岩山ははじめて登山をする人にも向いていますが、山歩きの際は装備をしっかりと。事前の登山計画と登山届け、そして地図は必携ですよ〜!
文・構成 井上綾乃
取材協力 石津谷知子
「日々野鮎美の山歩き日誌」の読者のみなさんへ
今回の記事は、連載終了後に登山ガイドブックとして再編集する前提で、初夏に取材したものです。現在の実際の季節(12月)は、積雪が始まり、雪山は夏とは全く別の知識・装備・体力が求められます。初めて登山をする人は無雪期または冬であれば雪が積もっていない低山から始めましょう。安全に楽しく山歩きをするため、以上の点を、どうぞご注意ください。
関連サイト
くらげバンチ 山と食欲と私
-
日々野鮎美
ひびの・あゆみ 27歳、会社員。漫画『山と食欲と私』の主人公。「山ガール」と呼ばれたくない自称「単独登山女子」。美味しい食材をリュックにつめて、今日も一人山を登ります(たまには友人や同僚と登ることもあるよ)。
-
『山と食欲と私』公式 鮎美ちゃんとはじめる山登り―気軽に登れる全国名山27選ガイド―
2021/06/28発売
-
イラスト・監修 信濃川日出雄
しなのがわ・ひでお 新潟県出身。北海道在住。2007年のデビュー以来、ジャンルを問わず多岐にわたって執筆し、『山と食欲と私』が累計100万部を突破、大人気シリーズとなる。現在もくらげバンチで同作を連載中。
この記事をシェアする
「山と食欲と私 日々野鮎美の山歩き日誌」の最新記事
ランキング
MAIL MAGAZINE
とは
はじめまして。2021年2月1日よりウェブマガジン「考える人」の編集長をつとめることになりました、金寿煥と申します。いつもサイトにお立ち寄りいただきありがとうございます。
「考える人」との縁は、2002年の雑誌創刊まで遡ります。その前年、入社以来所属していた写真週刊誌が休刊となり、社内における進路があやふやとなっていた私は、2002年1月に部署異動を命じられ、創刊スタッフとして「考える人」の編集に携わることになりました。とはいえ、まだまだ駆け出しの入社3年目。「考える」どころか、右も左もわかりません。慌ただしく立ち働く諸先輩方の邪魔にならぬよう、ただただ気配を殺していました。
どうして自分が「考える人」なんだろう――。
手持ち無沙汰であった以上に、居心地の悪さを感じたのは、「考える人」というその“屋号”です。口はばったいというか、柄じゃないというか。どう見ても「1勝9敗」で名前負け。そんな自分にはたして何ができるというのだろうか――手を動かす前に、そんなことばかり考えていたように記憶しています。
それから19年が経ち、何の因果か編集長に就任。それなりに経験を積んだとはいえ、まだまだ「考える人」という四文字に重みを感じる自分がいます。
それだけ大きな“屋号”なのでしょう。この19年でどれだけ時代が変化しても、創刊時に標榜した「"Plain living, high thinking"(シンプルな暮らし、自分の頭で考える力)」という編集理念は色褪せないどころか、ますますその必要性を増しているように感じています。相手にとって不足なし。胸を借りるつもりで、その任にあたりたいと考えています。どうぞよろしくお願いいたします。
「考える人」編集長
金寿煥