みなさま、こんにちは!
日々野鮎美(27歳 会社員)です。
わたくし、”山ガール”ならぬ”単独登山女子”なんて名乗っていますが、要するに人見知りです……(?!)。
(私の詳しいプロフィールをもっと知りたい方はこちらを→リンク)
普段は会社員、週末になると山歩きばかりの生活を送っている私が、登山を始めてみたい人向けにアテンドするならこの山! ……という個人的にお気に入りのお山をご紹介します。
今回のお山は……「大山」です!
鳥取県が誇る歴史ある名峰、大山
今回は、鳥取県の西部に位置する大山へ(別名:伯耆大山)! 標高は1,709m。やや標高が高いものの、登山道はビッチリと整備されています。
大山は国立公園に指定されていて、西日本最大を誇る広さのブナの原生林のなかを歩いて山頂を目指します。
『出雲国風土記』にも「火神岳」として出てくる大山、その裾野に位置する米子市は、2万5千年前ごろに人が住み始め、弥生時代に米づくりが始まりました。大山は地域に根ざした神山として親しまれ、昔から米子の人たちは五穀豊穣を大山の中腹にある大山寺に祈願してきました。その大山寺が創建されたのは奈良時代の718年。古くから米子がとても栄えていたと想像できます! 漁港もあり、農業も盛ん。これはもうおいしいものがあるに違いないですね。
大山までのアクセスは、米子市から路線バスまたはマイカー、観光タクシー(2020年は11/23で終了)です。東京から飛行機で、米子鬼太郎空港まで1時間半程度。空港から大山寺行きの路線バスが出ているJR米子駅までは30分ほど。そこから大山るーぷバス(コロナのため運転見合わせ)か日本交通バスを利用します(約50分)。
下山後に甘いものを楽しむルートなら夏山登山道
大山のルートはいくつかありますが、登山初心者は夏山登山道で登り、同じ道を途中まで下りて、そこから行者谷から元谷散策ルートで大山寺を通って下山するのがおすすめです。
往路で大山寺の参道を歩くのもスタートの景観としては素晴らしいと思います。けれども長い石畳を歩かなくてはいけないのと、朝早いと参道のお店がまだ開店していないかもしれません。それならということで、今回は、参道から少し先にある夏山登山道入口から上り、下山時に参道のお店でご褒美の甘いものを……というコースにしてみました。
ここからはしばらく(登山道のほとんどがこういった整備された階段です)林の中を歩きますが、整備された道なので安心して自然を楽しめます。この時期は秋のはじめでしたが、初夏だと多くの草花を観察できそうです。
ひたすら整備されている道を歩きます。
迷うことはありませんが、トレランの人が多いので、すれ違う際は、お互いに気をつけましょう。
突然の広い視界に驚く
林の中は樹木の香りや湿気で気持ちがよいのですが、視界が狭いのが残念……。
そしてやっと、視界が開ける場所に到着! 6合目の避難小屋(このときは工事中)です。
小屋のバックでダイナミックに動く雲がかっこいい!
6合目あたりが大山の森林限界を超えるあたりなので、そのあとはすばらしい景色を眺めることができます。
そしてやや急登になっていきます。
山頂付近は歩きやすい木道
山頂付近になると、木道が作られていて歩きやすくなっていました。
と、同時に雲行きが怪しくなり……
ついにガス(霧)で真っ白に。風が吹きすさび 、寒い! ジャケットを着込みます。
寒いうえにこのときは頂上の避難小屋や頂上碑なども工事中であまり写真映えせず、すぐに退散しましたが、晴れていたらとってもすばらしい景色になるはずです。
完成したら座る場所も多く、それこそ調理もしやすいと思いますよ。
下山するとまた視界が開け……うーん、山頂で景色を楽しみたかった〜。
時間に余裕があればもう少し待ってもよかったかな。
下山は、同じ道を途中まで降り、分岐の案内板がでてきたら行者谷を経由して元谷散策ルートへ。元谷散策ルートで、大山寺に立ち寄ることができます。
また、元谷散策ルートは大山寺のほか自然豊かな林の中を歩くことができ、往路とは様子が大きく変わります。足元が往路ほどは整備されてなく、また下りも少し急勾配です。
下りきると、大山寺参道に到着。ここでお土産が買えるし飲食もできます。
土日はきっと大勢の人で賑わっているのでしょう。
小腹が空いたので、お団子を食べることに。
夕飯のためにお腹は空かせておきたいので、串団子を選びました〜。
大山登山、なんだかんだと結構長かった!
さて、街に戻ったら帰りがてら、日本海の恵みの魚介を食べるぞ〜〜!
これも登山のモチベーションのひとつでした(笑)。
鳥取は遠いイメージでしたが、首都圏からなら三連休あればなんとかなりますね。
今回は山頂では絶景が見られず残念でしたが、中国地方の誇る山だということは、豊かな自然や、ダイナミックな山と雲、見晴らしのよい景色(山頂以外で……笑)などから実感できました。
「日々野鮎美の山歩き日誌」の読者のみなさんへ
今回の記事は、連載終了後に登山ガイドブックとして再編集する前提で、10月初旬に取材したものです。現在の実際の季節(1月)は積雪することもあり、全く別の知識・装備・体力が求められます。安全に楽しく山歩きをするため、以上の点を、どうぞご注意ください。
文・構成 井上綾乃
関連サイト
大山登山
https://www.hotel-daisen.jp/tozan/flower/
伯耆町公式ウェブサイト
https://www.houki-town.jp/new2/3/
大山るーぷバス
https://www.pref.tottori.lg.jp/120712.htm
<くらげバンチ 山と食欲と私>
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日々野鮎美
ひびの・あゆみ 27歳、会社員。漫画『山と食欲と私』の主人公。「山ガール」と呼ばれたくない自称「単独登山女子」。美味しい食材をリュックにつめて、今日も一人山を登ります(たまには友人や同僚と登ることもあるよ)。
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『山と食欲と私』公式 鮎美ちゃんとはじめる山登り―気軽に登れる全国名山27選ガイド―
2021/06/28発売
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イラスト・監修 信濃川日出雄
しなのがわ・ひでお 新潟県出身。北海道在住。2007年のデビュー以来、ジャンルを問わず多岐にわたって執筆し、『山と食欲と私』が累計100万部を突破、大人気シリーズとなる。現在もくらげバンチで同作を連載中。
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とは
はじめまして。2021年2月1日よりウェブマガジン「考える人」の編集長をつとめることになりました、金寿煥と申します。いつもサイトにお立ち寄りいただきありがとうございます。
「考える人」との縁は、2002年の雑誌創刊まで遡ります。その前年、入社以来所属していた写真週刊誌が休刊となり、社内における進路があやふやとなっていた私は、2002年1月に部署異動を命じられ、創刊スタッフとして「考える人」の編集に携わることになりました。とはいえ、まだまだ駆け出しの入社3年目。「考える」どころか、右も左もわかりません。慌ただしく立ち働く諸先輩方の邪魔にならぬよう、ただただ気配を殺していました。
どうして自分が「考える人」なんだろう――。
手持ち無沙汰であった以上に、居心地の悪さを感じたのは、「考える人」というその“屋号”です。口はばったいというか、柄じゃないというか。どう見ても「1勝9敗」で名前負け。そんな自分にはたして何ができるというのだろうか――手を動かす前に、そんなことばかり考えていたように記憶しています。
それから19年が経ち、何の因果か編集長に就任。それなりに経験を積んだとはいえ、まだまだ「考える人」という四文字に重みを感じる自分がいます。
それだけ大きな“屋号”なのでしょう。この19年でどれだけ時代が変化しても、創刊時に標榜した「"Plain living, high thinking"(シンプルな暮らし、自分の頭で考える力)」という編集理念は色褪せないどころか、ますますその必要性を増しているように感じています。相手にとって不足なし。胸を借りるつもりで、その任にあたりたいと考えています。どうぞよろしくお願いいたします。
「考える人」編集長
金寿煥