シンプルな暮らし、自分の頭で考える力。
知の楽しみにあふれたWebマガジン。
 
 

山と食欲と私 日々野鮎美の山歩き日誌

みなさま、こんにちは!
日々野鮎美(27歳 会社員)です。

 わたくし、”山ガール”ならぬ”単独登山女子”なんて名乗っていますが、要するに人見知りです……(?!)。
(私の詳しいプロフィールをもっと知りたい方はこちらを→リンク

 普段は会社員、週末になると山歩きばかりの生活を送っている私が、登山を始めてみたい人向けにアテンドするならこの山! ……という個人的にお気に入りのお山をご紹介します。

 今回のお山は……「達磨山(だるまやま)」です!

 静岡県東部、沼津市と伊豆市との境界にある達磨山は、標高982mの低山です。

 山の中腹にある「だるま山高原レストハウス」から登るので標高差が少なく、観光付きの登山からのステップアップという方にもチャレンジしやすい山。

 今回は、達磨山近くの金冠山(きんかんざん)にまず登ってから、小達磨山を経て達磨山へ向かう縦走です! 縦走というと登山上級者のイメージですが、成人女性がゆっくり歩いて4時間くらいのルートなのでご安心を!

達磨山へのアクセスは、まずレストハウスに向かう

 今回は金冠山近くの「だるま山高原レストハウス」から歩いてすぐの場所からスタート。そのためマイカーでも公共機関でも、まずはこのレストハウスに向かいます。

 公共機関でアクセスする場合は、伊豆箱根鉄道駿豆(すんず)線の修善寺駅から戸田(へだ)行き路線バスに乗り、約30分でレストハウスに到着。本数が少ないので、事前に行きと帰りのバスの時刻をおさえておきましょう〜。特に帰りに乗りたい修善寺駅行きの便は午後に3本しかないので、下山とバスの時刻が合うように登山計画をしておくとベストです。

起点と終点になる、だるま山高原レストハウスから金冠山へ

 レストハウスを背にして右側に公衆トイレがあり、その先の道路を少し上っていくと、右側に登山口があります。

売店、トイレ完備! 到着してすぐに最高の景観を楽しめる
レストハウスを出て道路を歩くので、テンション下がりますが登山口はすぐそこ!
歩道から突然現れる登山口

 登山道をしばらく道なりに歩いて行くと、少し広い原っぱのような場所に出ます。その先は整備された道幅の広い林道が続きます。トレランの大会などできそうな歩きやすさ! ウォーミングアップに最適です。

ふかふかと柔らかい足元。障害物が少なく、おしゃべりしながらでも歩きやすい
見渡しのいい道が続き、遠くには金冠山が!
いったん舗装路が現れるがそのまままっすぐ進む

 登山口から歩いて30分ほどすると舗装路が現れますが、この舗装路は金冠山を下山したあとで使います。ここはひとまずまっすぐ進んで金冠山へ。しばらくは階段メインの山道になります。

土が多い登山道。前日が雨だとぬかるんで滑りやすそう
急な上りを終えると広々とした山頂へ!

 スタート地点のレストハウスからでも富士山は見られますが、コツコツ歩いて到達したここからの富士山はまた格別! まずはちょっと行動食でも食べてひと休み。このあとは、来た道を戻り、さきほど見た舗装路を下って達磨山方面へ。

一本道を歩いて達磨山方面へ

縦走は延々山道を歩く……というわけでもないのが面白い

 今度は舗装路があった十字路を右折して、少し下って行きます。

 道なりに歩いて行くと、右手にトンネルが、その少し先に県道18号と西伊豆スカイラインとの合流点にある戸田峠バス停があります。

 戸田峠バス停の奥にある駐車場から、「小達磨山→達磨山」へ向かう登山口に入りましょう。上の写真の案内板の左側にある階段が登山口です。

戸田峠の伊豆山稜線歩道入口。左手にある階段を上がる。案内板には伊豆山稜線トレイルの情報が掲載
ありがたいけど滑りやすい木の階段。捻挫などに気をつけて

 前日か前々日に雨が降っていたので、足元がぬかるみ、ドロドロで滑りやすい状態でした。グリップが効くソールのシューズか、できれば登山靴を履いて行くのがベスト! 階段の木は滑りやすいし、階段を使わずに端を歩けばぬかるみで滑るし、スリップする度に焦るし、ちょっと恥ずかしい〜。

 みるみるズボンの裾が泥で茶色くなっちゃいました。

達磨山への通り道にある小達磨山山頂

 案内板が目立たなくて、素通りしてしまいそうな小達磨山の山頂。登山道の途中にあります。

 そういえば、金冠山で出会った初老の女性二人組は金冠山に登ったあと、私と同じルートを歩いてこの小達磨山に行って折り返すと言っていました。お二人はこの案内板に気づくかな。

達磨山への笹原が見えた! 結構茂っています

 樹林帯の合間から達磨山が見えてきました。あれが名物(私の中で)笹原の一本道! これから歩くと思うとテンションが上がる〜。

西伊豆スカイラインへ出る

 アップダウンを繰り返す樹林帯を抜けて下りると、一般道へ当たります。道路を上り方向へ歩いて、いざ達磨山へ。

登山道の両側はびっしり笹原が茂っていました。延々と続きそうな予感……

 この日は強風で、笹原が風に煽られて波立つように動いていました。本当に幻想的!

 笹原を突っ切る一本道ってなかなかないので、ワクワクする〜!

たまに平地が現れてはまた階段。きれいだけど、歩くにはなかなかハード

 笹原はきれい……だけど、つまりひたすら階段の一本道! たまにある平地で、時々脚を休めましょうね。

 振り返れば、またまた富士山が見えますよ〜。これは下山時の景色が楽しみだ!

いよいよ登頂! 天気がよいのでここからも富士山が見える
ちょうど山頂でランチタイム!

 今回の山ごはんは「絶品クサウマ カシューナッツ炒め」! 作り方はコミックス1巻6話を参考にしてくださいね。

 最近はスモークチキンもコンビニで売っているし、セロリ、ニンニク、パプリカと野菜も手に入りやすいものばかりだから、前日の夜に用意できちゃいました。会社員には、これって結構重要ポイントですよね! そして、最後になじませるピーナッツ油も大事。

 ピーナッツ油は大きめのスーパーに行けば売っています。1本買っておくと普段のご飯でもアレンジに使えるので、おすすめ調味料です。ここにおにぎりとインスタントスープをプラスして、贅沢ランチのできあがり!

 達磨山のご褒美は下山にあり

  達磨山は、往路も地形や景色がいろいろ変わって飽きずに楽しめるんですが、復路はなんといっても富士山を眺めつつ下山ができるのが嬉しいんです。空がすっきり晴れて見晴らしがいいと、本当に至福の山歩きタイム。まるで私だけの富士山、My Mt. Fuji~。

 とはいえ、来た道を戻るので小達磨山をまた通過します。つまり、また登り返しがあるので、本当は下るだけじゃないんですけどね。

笹原を下りながら見られる絶景

 下山してから余力があれば、修善寺に足を伸ばして温泉に寄るのもいいですね。

 混雑もなくて、とってもいい山ですが、それなりに脚を使います。ルート自体はハードではないので、登山から少しブランクがある人や、ちょっとした運動不足のリカバリにもいいですね。

 実は、達磨山と金冠山のルートは伊豆山稜線歩道と呼ばれるトレイルの一部。修善寺自然公園のもみじ林から達磨山を通過しそのまま南へ歩き続けて古稀山、さらに棚場山から後藤山へ歩いて、小説「伊豆の踊子」に出てくる天城峠まで続く42.8kmのプチロングトレイルなんですよ! 楽しそう〜。ここは歩いて行ってみたい場所がたくさんありすぎる!

 と思う反面、私も冬が近づいてくると、寒くてついついインドアになりがち。久々の登山も、下山のぬかるみに注意しながら歩いていて、脚がもうへとへと。運動不足で体がなまってるな〜。会社でも休憩時間にこっそりと運動をしよう、と帰りのバスで思いました。

 達磨山は低山ですが、樹木が少なく、開けた笹原のため、風の寒さ対策は用意しておきましょう〜。真夏は日よけ、熱中症の対策も重要です。

 事前の登山計画と登山届け、そして地図は必携です。

 冬の場合は天候によっては積雪することもあるため、事前に確認を。山歩きは、雪がない時に楽しみましょう!

文・構成 井上綾乃

「日々野鮎美の山歩き日誌」の読者のみなさんへ

今回の記事は、連載終了後に登山ガイドブックとして再編集する前提で、秋に取材したものです。現在の実際の季節(2月)は、積雪することもあり、雪山は夏とは全く別の知識・装備・体力が求められます。初めて登山をする人は無雪期または冬であれば雪が積もっていない低山から始めましょう。安全に楽しく山歩きをするため、以上の点を、どうぞご注意ください。

関連サイト

伊豆市 観光情報サイト

http://kanko.city.izu.shizuoka.jp/form1.html?pid=2408

くらげバンチ 山と食欲と私

https://kuragebunch.com/episode/10834108156628844112

この記事をシェアする

MAIL MAGAZINE

「考える人」から生まれた本

もっとみる

テーマ

  • くらし
  • たべる
  • ことば
  • 自然
  • まなぶ
  • 仕事
  • 思い出すこと
  • からだ
  • こころ
  • 世の中のうごき

考える人とはとは

何かについて考え、それが「わかる」とはどういうことでしょうか。

「わかる」のが当然だった時代は終わり、平成も終わり、現在は「わからない」が当然な時代です。わからないことを前提として、自分なりの考え方を模索するしかありません。

わかるとは、いわば自分の外側にあるものを、自分の尺度に照らして新しく再構成していくこと。

"Plain living, high thinking"(シンプルな暮らし、自分の頭で考える力)*を編集理念に、Webメディア「考える人」は、わかりたい読者に向けて、知の楽しみにあふれたコンテンツをお届けします。

*産業革命後に急速な都市化が進むロンドンで、イギリスの詩人ワーズワースが書き遺した言葉。

 

 

「考える人」編集長
松村 正樹

著者プロフィール

日々野鮎美

ひびの・あゆみ 27歳、会社員。漫画『山と食欲と私』の主人公。「山ガール」と呼ばれたくない自称「単独登山女子」。美味しい食材をリュックにつめて、今日も一人山を登ります(たまには友人や同僚と登ることもあるよ)。

イラスト・監修 信濃川日出雄

しなのがわ・ひでお 新潟県出身。北海道在住。2007年のデビュー以来、ジャンルを問わず多岐にわたって執筆し、『山と食欲と私』が累計100万部を突破、大人気シリーズとなる。現在もくらげバンチで同作を連載中。

連載一覧

  • 津野海太郎「最後の読書」読売文学賞受賞


ランキング


  • ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標(登録番号第6091713号)です。ABJマークを掲示しているサービスの一覧はこちら