みなさま、こんにちは!
日々野鮎美(27歳 会社員)です。
わたくし、”山ガール”ならぬ”単独登山女子”なんて名乗っていますが、要するに人見知りです……(?!)。
(私の詳しいプロフィールをもっと知りたい方はこちらを→リンク)
普段は会社員、週末になると山歩きばかりの生活を送っている私が、登山を始めてみたい人向けにアテンドするならこの山! ……という個人的にお気に入りのお山をご紹介します。
今回のお山は……「大楠山」です!
三浦半島の最高峰! といっても241m!
週末の天気予報が外れて、何と晴れ! こんなチャンスは山に行きたいけれど、ヘビーな登山は準備が追いつかない……。そんな時は、近場の里山がベスト! 低山は道が不明瞭であったり、標高が高い山に比べて登山者が少なく道迷いしやすいので、里山だからって安心というわけではないのですが、今回の大楠山のように整備されている山は安心して登れます。お子さんや初心者の山歩きの人を誘いやすくて、山プラス特典(ご飯や温泉)付きにできるルートとなる、横須賀の秋谷から大楠山を目指しました。
大楠山までの道のり
登山口最寄りのバス停まで、JR横須賀線の逗子駅から京急バスで20分ほど。長井、横須賀市民病院、大楠芦名口行きに乗り、秋谷地区の「前田橋」で下車します。
マイカーでしたら、登山口付近に有料駐車場はおそらくほぼないので、国道134号線沿いにある立石公園そばの県営駐車場を利用するとよいでしょう。その場合、国道をしばらく歩くことになります。
下車したら写真右手にある案内板をもとに、住宅地方面へ進みましょう。歩くとすぐに橋が見えてきます。
前田川に架かる「お国橋」の手前に「前田川遊歩道」の案内板があります。この時は遊歩道の一部通行止めのお知らせがありましたが、案内板の地図で前田橋コースを使っての大楠山登山には影響しない内容と確認して進みます。
案内板の奥に見える階段で前田川におります。
階段を下ると、なんと沢歩きの遊歩道が整備されています。
周囲が住宅地だけに、何だか入ってはいけない場所に侵入する感じがしますが、安心して進みましょう。
沢といえば沢だけれど、やっぱり町を流れる川です。なので沢歩きというより、川沿い歩きなのかな。場所によっては深いところもあるので、小さなお子さん連れは要注意。前日に雨が降ればすぐに増水しそう。
前田川遊歩道は木陰が多く、夏に来たら気持ちいいだろうな〜〜。
一度住宅地に出ますが、簡易的に案内の表札のようなものが電信柱にくくりつけてありました。道なりに歩くと、右手側に上の写真のような道があるので、ここを進みます。
歩き続けると案内板が出てきます。大楠山方面に目を向けると、そこに登山口が(写真の中央、暗くなっているところ)。ここで川ゾーンは終了で、次は山歩きになります。
登山口からの足元は木の葉でふかふか。傾斜もきつくなく、とても歩きやすいです。
歩き疲れたら、無理をせずに休みましょう。バス停から歩いて30分ぐらいしたところで1つ目のベンチ、そのあと、さらに20分ぐらい歩いた頃に2つ目のベンチがあります。水分をとりつつ、ちょっと休憩。
大楠山レーダ雨量観測所が現れる
2つ目のベンチから15分ほど歩くと、開けた場所に出ます。目の前にはどーんとそびえるレーダーの観測所。雨量を計っているのだとか。
ちなみにこの付近、桜がたくさんあるので、春はあたり一面淡いピンクに染まるのでしょうね。
春の山歩きにもよさそうです!
分岐の標識が出てくるので、標識通りに大楠山へ向かいます。
ちなみに下山の時には、ここの分岐を左折する(写真では右)のがポイントです。
ついに山頂に到着! 相模湾、東京湾を一望できます。展望塔やレストハウスも完備。
レストハウスでは、ドリップコーヒーもいただけます。
レトロな雰囲気の店内が最高でした。
レストハウスのインテリアは、ターコイズブルーのペンキで塗られたベンチやテーブル、そして日焼けした白い壁と、なんとも味わいがあってすてき。
スタッフの方曰く、大楠山はカワセミ、サシバ(トンビにそっくりなタカ)を見に来るバードウォッチングの人も多いとか。
あとはやっぱり春の山に咲く桜と菜の花もおすすめだそう。
ここではカップラーメンが販売されていたり、温かいココアがあったり。今回は温かい飲み物だけ注文しました。
食事は、下山したところにある、名物の野菜の料理がおいしいと評判のお店へ。
先ほどの分岐の標識まで下りて左折、大楠芦名口へ向かいましょう。
しばらく道なりに20分ほど歩きます。
お店の位置はややわかりづらいので、スマホのGPSを使ってGoogle mapなどを頼りに進むとよいと思います。
住宅地に入る直前、右側に分岐があり、そこにお店の看板があるのでそのまま進みます。
なんといいますか、「突然見つけてしまった秘密基地」のような雰囲気の「SYOKU-YABO農園」さん。
2010年から営業され、着々と地元の方々にファンを増やしているようです。
普段は「糅飯」という一汁二菜の料理が並ぶそう。この日は新年メニューでおせち風の野菜定食! 糅飯も食べてみたかったけど、レアなメニューでラッキーかも!
おいしくいただいたあと、帰りのご褒美はまだまだ続きます。
逗子駅へ向かうには大楠芦名口バス停から。
この帰りのバスから眺める相模湾が最高! なんです。
お腹いっぱいだし、静かだし、あーきれい……。
海沿いをのんびり走ります。
都会で暮らし、日中はオフィスで働く私にとって、視界が広いところを眺めるのは最高のリフレッシュです〜。
半日山を歩いて、お腹いっぱいになって、そして海を眺めながらの私バスのプチ旅行。
のーんびり、平和な里山、万歳!
明日は家の片付けをして、一週間分の作り置きをしておこ~っと!
大楠山は一年中楽しめる山ですが、低山は道迷いをすることも。夏場は蜂がいるので虫除けや長袖、ウェアの色に気をつけましょう。事前の登山計画と登山届け、そして地図は必携ですよ〜!
文・構成 井上綾乃
関連サイト
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日々野鮎美
ひびの・あゆみ 27歳、会社員。漫画『山と食欲と私』の主人公。「山ガール」と呼ばれたくない自称「単独登山女子」。美味しい食材をリュックにつめて、今日も一人山を登ります(たまには友人や同僚と登ることもあるよ)。
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『山と食欲と私』公式 鮎美ちゃんとはじめる山登り―気軽に登れる全国名山27選ガイド―
2021/06/28発売
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イラスト・監修 信濃川日出雄
しなのがわ・ひでお 新潟県出身。北海道在住。2007年のデビュー以来、ジャンルを問わず多岐にわたって執筆し、『山と食欲と私』が累計100万部を突破、大人気シリーズとなる。現在もくらげバンチで同作を連載中。
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とは
はじめまして。2021年2月1日よりウェブマガジン「考える人」の編集長をつとめることになりました、金寿煥と申します。いつもサイトにお立ち寄りいただきありがとうございます。
「考える人」との縁は、2002年の雑誌創刊まで遡ります。その前年、入社以来所属していた写真週刊誌が休刊となり、社内における進路があやふやとなっていた私は、2002年1月に部署異動を命じられ、創刊スタッフとして「考える人」の編集に携わることになりました。とはいえ、まだまだ駆け出しの入社3年目。「考える」どころか、右も左もわかりません。慌ただしく立ち働く諸先輩方の邪魔にならぬよう、ただただ気配を殺していました。
どうして自分が「考える人」なんだろう――。
手持ち無沙汰であった以上に、居心地の悪さを感じたのは、「考える人」というその“屋号”です。口はばったいというか、柄じゃないというか。どう見ても「1勝9敗」で名前負け。そんな自分にはたして何ができるというのだろうか――手を動かす前に、そんなことばかり考えていたように記憶しています。
それから19年が経ち、何の因果か編集長に就任。それなりに経験を積んだとはいえ、まだまだ「考える人」という四文字に重みを感じる自分がいます。
それだけ大きな“屋号”なのでしょう。この19年でどれだけ時代が変化しても、創刊時に標榜した「"Plain living, high thinking"(シンプルな暮らし、自分の頭で考える力)」という編集理念は色褪せないどころか、ますますその必要性を増しているように感じています。相手にとって不足なし。胸を借りるつもりで、その任にあたりたいと考えています。どうぞよろしくお願いいたします。
「考える人」編集長
金寿煥