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山と食欲と私 日々野鮎美の山歩き日誌

みなさま、こんにちは!
日々野鮎美(27歳 会社員)です。

 わたくし、”山ガール”ならぬ”単独登山女子”なんて名乗っていますが、要するに人見知りです…(?!)。
(私の詳しいプロフィールをもっと知りたい方はこちらを→リンク

 普段は会社員、週末になると山歩きばかりの生活を送っている私が、登山を始めてみたい人向けにアテンドするならこの山! …という個人的にお気に入りのお山をご紹介します。

 今回のお山は…「開聞岳(かいもんだけ)」です!

薩摩富士と呼ばれ、九州にある日本百名山6座のうちの一つ

 開聞岳は、鹿児島県南部、薩摩半島の南端に位置し、鹿児島湾が望めます。標高は924mと低めですが、美しい円錐形の姿から薩摩富士とも呼ばれます。

 でも、東京でOLをしている私からすれば、鹿児島は遠い〜〜…! と、思いきや、飛行機なら羽田から鹿児島空港まで、約2時間で着いちゃいます。他の観光も含めて3連休を狙うか、1日有休を使えば、充実した山旅が実現できますよ! 

開聞岳までの道のり

 開聞岳登山口へのアクセスは、JR指宿枕崎線の開聞駅を下車して徒歩20分。

 車やバスを利用する場合は、120台収容できるかいもん山麓ふれあい公園の駐車場が開聞岳登山口のすぐそばにあるので便利ですね。

 開聞岳の登山ルートは基本的に一つ。少々歩きにくい箇所があるものの、標識もありルートがはっきりしているため、初心者でも登りやすい登山道です。

かいもん山麓ふれあい公園からスタート!

 かいもん山麓ふれあい公園からスタート。初めは公園内を進みます。公園内の管理棟にトイレがあるので、登る前に済ませましょう。

薩摩富士と呼ばれるのも納得の円錐形のシルエット
登山道は早めに歩いて上りは約2.5時間、下りは約1.4時間

 登山口は、駐車場から歩いてすぐそば。公園内では河津桜から八重桜までさまざまな桜を、早ければ2月頃から楽しめます。

 登り始めは、登山道が雨水によって侵食され溝状に掘りこまれている道や土が露出している側壁なども見られます。

 そして、1時間ほどして開けた展望から見ることができるのが、九州で一番大きな湖の池田湖! カルデラ湖です。

左手に見えるのが池田湖

 カルデラ湖とは、火山の爆発で陥没した凹地にできた湖のこと。九州中南部にはカルデラ湖が集中してあるそうで、池田湖はその一つです。

足元には火山礫がゴロゴロ

 そして、しばらく登山道を進むと見えてくるのが薩摩半島。その先には長崎鼻という岬があります。

薩摩半島と鹿児島湾の湾口付近。右のやや尖った岬が長崎鼻

 遠くにうっすらと見えるのは大隅半島、やはり鹿児島県。広いなー!

 さて、二合目からは本格的な登山道になり、五合目までは足元に火山礫がゴロゴロと転がっています。

 途中にいくつかベンチがあるので、疲れたら座ってひと息いれることができました。しっかり水分補給。

 七合目のあたりで比較的大きな岩がでてきますが、無理をせず、必要があれば手も使いながら、焦らず脇を通過しまししょう。

 そのまま道を少し進むと仙人洞という洞窟が出てきます。

仙人洞。かつて修験者が寝泊まりし、修行を重ねたという洞窟

 ここには岩の隙間に落ちないようにロープが張ってありました。

 さてさて、九合目を過ぎた頃、ぐっと展望が開けてきます。

寄せる波まではっきりと見える

 開聞岳は富士山と同じ独立峰で、少し海にせり出した場所にあるため、景観は開聞岳ならでは!

 すばらしいー! 山頂まであとちょっと!

 このあと山頂直下の九合目では、急坂ではしごやロープが登場します。

 山頂直前には、御嶽神社の鳥居と小さな祠がありました。

 やっぱり信仰の山ですね。

 信仰とは少し話が逸れますが、開聞岳はパワースポットでもあるそうです。

 昭和の世間を騒がせたUMA(未確認生物)に、イギリス・スコットランドのネス湖のネッシーがいましたが、実は日本版ネッシーであるイッシーで騒がれたのが池田湖。池田湖は古くから龍神伝説があり、ただのカルデラ湖ではないんですよ。

とうとう山頂へ! 池田湖を見渡せるパノラマが広がる

山頂からの大パノラマ

 到着〜〜!

 360度の大パノラマです。足場はあまりよくないので、バーナーで料理するにはちょっと場所が狭いかも。やや気をつけて。

 今回は、7巻79話に登場する「決断のコンビーフポテト」!

 細かく刻んだじゃがいもと玉ねぎに少量の水を加えて炒め、コンビーフと調味料を加えれば完成!

あらかめじめカットしておくと楽チンですよ!

 お腹も満たされ、来た道を下山。

 あとはのんびり観光するプランを考えつつ、下山するのみ!

 せっかく有休を使ったんだから、開聞岳近くにある名物、流しそうめん(そうめん流し)も食べたいし温泉にも入りたい。鹿児島には魅力的なものがいっぱいです〜。

おまけ 謎の動物

謎の動物と遭遇

 下山時にタヌキ、アライグマとも異なる謎の動物に遭遇しました。

 顔つきはハクビシンのようですが、耳が白い。アナグマ!? 

文・構成 井上綾乃
取材協力 石津谷知子

関連サイト

いぶすき観光ネット・開聞岳

https://www.ibusuki.or.jp/tourism/view/kaimondake/

くらげバンチ 山と食欲と私

https://kuragebunch.com/episode/10834108156628844112

  • 【出張試し読み】山と食欲と私 - 信濃川日出雄 / 1話 おにぎり

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考える人とはとは

 はじめまして。2021年2月1日よりウェブマガジン「考える人」の編集長をつとめることになりました、金寿煥と申します。いつもサイトにお立ち寄りいただきありがとうございます。
「考える人」との縁は、2002年の雑誌創刊まで遡ります。その前年、入社以来所属していた写真週刊誌が休刊となり、社内における進路があやふやとなっていた私は、2002年1月に部署異動を命じられ、創刊スタッフとして「考える人」の編集に携わることになりました。とはいえ、まだまだ駆け出しの入社3年目。「考える」どころか、右も左もわかりません。慌ただしく立ち働く諸先輩方の邪魔にならぬよう、ただただ気配を殺していました。
どうして自分が「考える人」なんだろう―。
手持ち無沙汰であった以上に、居心地の悪さを感じたのは、「考える人」というその“屋号”です。口はばったいというか、柄じゃないというか。どう見ても「1勝9敗」で名前負け。そんな自分にはたして何ができるというのだろうか―手を動かす前に、そんなことばかり考えていたように記憶しています。
それから19年が経ち、何の因果か編集長に就任。それなりに経験を積んだとはいえ、まだまだ「考える人」という四文字に重みを感じる自分がいます。
それだけ大きな“屋号”なのでしょう。この19年でどれだけ時代が変化しても、創刊時に標榜した「"Plain living, high thinking"(シンプルな暮らし、自分の頭で考える力)」という編集理念は色褪せないどころか、ますますその必要性を増しているように感じています。相手にとって不足なし。胸を借りるつもりで、その任にあたりたいと考えています。どうぞよろしくお願いいたします。

「考える人」編集長
金寿煥

著者プロフィール

日々野鮎美

ひびの・あゆみ 27歳、会社員。漫画『山と食欲と私』の主人公。「山ガール」と呼ばれたくない自称「単独登山女子」。美味しい食材をリュックにつめて、今日も一人山を登ります(たまには友人や同僚と登ることもあるよ)。

著者の本

イラスト・監修 信濃川日出雄

しなのがわ・ひでお 新潟県出身。北海道在住。2007年のデビュー以来、ジャンルを問わず多岐にわたって執筆し、『山と食欲と私』が累計100万部を突破、大人気シリーズとなる。現在もくらげバンチで同作を連載中。

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