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山と食欲と私 日々野鮎美の山歩き日誌

みなさま、こんにちは!
日々野鮎美(27歳 会社員)です。

わたくし、”山ガール”ならぬ”単独登山女子”なんて名乗っていますが、要するに人見知りです…(?!)。
(私の詳しいプロフィールをもっと知りたい方はこちらを→リンク

普段は会社員、週末になると山歩きばかりの生活を送っている私が、登山を始めてみたい人向けにアテンドするならこの山! …という個人的にお気に入りのお山をご紹介します。

今回のお山は…「御岳山」です!

御岳山は、奥多摩エリアにある929mの山。さまざまな側面をもっている山で、ひとつは山岳信仰の霊山としての山。御岳山からは大岳山への縦走ができますが、もともとは信者の修行場でした。

そしてもうひとつは、愛犬家に嬉しいドッグフレンドリーの山です。というのも、御岳山にある武蔵御嶽神社の守り神は犬! (本当はオオカミ)だから。

そしておまけでもうひとつ、山ではありませんが、外岩のボルダリングといえば御岳山。御岳山というより、JR青梅線御嶽駅ちかくの川沿いにある岩場は、関東圏のボルダーにとって親しまれているエリアです。御岳山近くの道路では、大きなマットを抱えたボルダーたちの歩く姿を見かけることができるでしょう。

そんな御岳山へのアクセスは、先の「御嶽駅」で下車し、西東京バスに乗り「ケーブル下」へ。そして御岳登山鉄道(ケーブルカー)「滝本駅」から「御岳山駅」まで上がります。所要時間はわずか6分。ケーブルカーを使わずに登ると、1時間程度かかります。マイカーの場合は、早めに到着すれば滝本駅そばの有料駐車場が利用できますよ。

週末の気分転換に最適! ロックガーデンをぐるり巡るハイキング

御岳山にはハイキングコースがあり、なかでも人気なのがロックガーデンと呼ばれる1.5kmの沢沿いを歩くコース。ピークハントを目的としない山歩きで、御岳山にある「七代(ななよ)の滝」や、「綾広の滝」が見られます。

滝本駅から御岳山駅へは、ケーブルカーを利用

滝本駅。観光客やハイカーで溢れる

ケーブルカーの滝本駅周辺にはお土産屋、自販機やトイレがあるので、準備はここで整えましょう。もちろん滝本駅からケーブルカーを使わずに山歩きしてロックガーデンのエリアまで行くことも可能です。その場合は1時間30分かかります。

きれいな車両

京王線の御岳登山鉄道。犬を連れて乗る場合は、ペット運賃を払い、既定の乗車エリアに乗ればいいよう…下記リンクの「ペット同伴乗車をされるお客様へ」を参照してみてくださいね!
https://www.mitaketozan.co.jp/timetable

車両に乗って、景色を眺めること6分。御岳山駅に到着します。

御岳山駅

御岳山駅には御岳平と呼ばれる広場があり、ここも眺望よし。ここで早速お弁当を広げている人たちも。観光や参拝で上がって来た人たちかな? そうそう、広場には飲食店もあるんです! ソフトクリームも発見! う〜、寄り道したくなっちゃう! さて、美味しそうなお土産物を横目に、登山道は武蔵御嶽神社へと続きます。

立派な鳥居

訪れたのは春。山桜が満開の時期でした。

参道から眺める奥多摩の春の山

この時は、風が吹くとチラチラと桜が山々に舞って美しかったです。

御岳山のロックガーデン周遊は、だいたい御岳山駅からぐるり巡っても2時間程度。そのため、景色を眺めるゆとりも生まれますね。

木漏れ日の中を歩く

しばらく舗装された道を歩きます。ソロで歩いている人も多いですね。新しい靴慣らしなどにもいいかもしれません。

犬連れの方への注意書き

歩いていると気がつきますが、さすが、おいぬ様の山だけあって犬連れの方が多い! 飼い主さんも犬も嬉しそうにお散歩している姿を見かけられます。

飼い主さんへのマナーについても案内板があるので、愛犬と行かれる方は参考になさってくださいね。

水場もちゃんと愛犬用に用意。なんだかかわいい

なんとペット用の水場! 人と並列に置かれているのが面白い。

ロックガーデンを目指してスタート!

長尾平の長尾茶屋さんそばの休憩スポット

今日はロックガーデンの方面に向かって歩き、長尾平から天狗岩を通り七代の滝に立ち寄り、ロックガーデン、綾広の滝を経て武蔵御嶽神社へ戻るコースです。長尾平のちょっと先にある展望台も見晴らしよい場所です。長尾平から天狗岩へはふた通り行き方がありますが、急坂より平坦な道のほうを選びました。お昼は、ロックガーデンの休憩所で少し早めのランチを予定しています。

ひとまず出発!

天狗岩からちょっと足を伸ばして七代の滝へ!

人気の天狗岩

しばらく歩くと天狗岩と案内板がある大きな岩があり、鎖を使って登れます。人気のようでアトラクションばりに並んでいたので、登りたい気持ちもありつつ、私は眺めるだけにしておきました。

七代の滝に向かう途中、鉄ハシゴなどを通ります。グローブや軍手があるといいでしょう。

七代の滝、到着!
水量はあまり多くなく上品な滝

小さく、控えめな印象の滝ですね。

天狗岩を経て、しばらく沢沿いのロックガーデンを歩きます。前日に雨が降っていたりすると水量が増すそうです。この日は少なく平和な沢でした。

足元は小さい石や木の根など

 

歩きやすい渓流沿いはまさに岩の庭園!

沢沿いのロックガーデンを歩いていくと休憩所にあたります。

沢沿いを歩く道
休憩所

本当はここで早めのランチのつもりだったのですが、ちょっと人が多く賑やかで、座る場所があまりなさそう。ということで、綾広の滝や武蔵御嶽神社経由しぐるっと一周してからスタート地点でチェックしておいた長尾平に戻ってランチにしよう…と予定変更です。

たくさんの人が集まるのは、ふたつ目の滝「綾広の滝」。ここがロックガーデンの終点です。

綾広の滝

もう少し近寄ってみます。

そこそこの水量

七代の滝に比べて陽のあたる場所にあり、少し高さがあるからか人気スポットのようでした。滝の写真を撮る人も多かったですね。

ゆるい下りを歩いて戻る

綾広の滝のあとは、ゆるゆると平坦な道を歩いて元の武蔵御嶽神社へ戻ります。それから、長尾平まで行って昼食です。

平坦で歩きやすい

長尾平でのんびりご飯タイム

長尾平に戻ってランチタイム!

今回はコミックス3巻33話に出てくる「枝豆とウィンナーの炊き込みご飯」を作りました。

なんというか、平日が忙しいため近郊のお山でのハイキングを選んでいる…ということは、つまり山で食べるご飯の準備も事前にそこまでちゃんとはできない。が! かといってコンビニご飯を山で食べるのも、普段、平日で疲れた時のご飯を彷彿させられてイヤだな〜〜という時にありがたいレシピです。

このレシピは白米を使います。ご飯はアルファ米を使えば手間もかからず、おいしくて、パワーが得られますよ! コミックスではケチャップを足していますが、歩行時間が短いので、乳製品もいけるかな? と思い、今回はほんの少しバターを密封容器に入れて持って行きました。味が馴染んで正解でした! 詳しいレシピは、コミックスを読んでみてくださいね。

御岳山は、渓流あり滝ありで岩も多く気分転換にもってこいのお山でした。そして、単独行ばかりしている私にとって、犬連れ登山というスタイルは新鮮に映りました。愛犬と一緒に登山するのも、楽しそうですね!

私も今度、柴雄(実家の犬)を連れてきてみようかな?

ちなみに、低山は木が多く道迷いで遭難しやすくなります。御岳山では案内板が多く迷われることは少ないと思いますが、小さなお子さんがはぐれて迷った例が過去にあるのでお子さんを連れて行かれる方は注意しましょう。

足元は岩が多いので登山用のシューズがおすすめです。

装備をしっかりし、事前の登山計画と登山届け、そして地図の持参は必携ですよ〜!

文・構成 井上綾乃

関連サイト

くらげバンチ 山と食欲と私

KEIO御岳登山鉄道

http://www.mitaketozan.co.jp/

  • 【出張試し読み】山と食欲と私 - 信濃川日出雄 / 1話 おにぎり

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考える人とはとは

 はじめまして。2021年2月1日よりウェブマガジン「考える人」の編集長をつとめることになりました、金寿煥と申します。いつもサイトにお立ち寄りいただきありがとうございます。
「考える人」との縁は、2002年の雑誌創刊まで遡ります。その前年、入社以来所属していた写真週刊誌が休刊となり、社内における進路があやふやとなっていた私は、2002年1月に部署異動を命じられ、創刊スタッフとして「考える人」の編集に携わることになりました。とはいえ、まだまだ駆け出しの入社3年目。「考える」どころか、右も左もわかりません。慌ただしく立ち働く諸先輩方の邪魔にならぬよう、ただただ気配を殺していました。
どうして自分が「考える人」なんだろう―。
手持ち無沙汰であった以上に、居心地の悪さを感じたのは、「考える人」というその“屋号”です。口はばったいというか、柄じゃないというか。どう見ても「1勝9敗」で名前負け。そんな自分にはたして何ができるというのだろうか―手を動かす前に、そんなことばかり考えていたように記憶しています。
それから19年が経ち、何の因果か編集長に就任。それなりに経験を積んだとはいえ、まだまだ「考える人」という四文字に重みを感じる自分がいます。
それだけ大きな“屋号”なのでしょう。この19年でどれだけ時代が変化しても、創刊時に標榜した「"Plain living, high thinking"(シンプルな暮らし、自分の頭で考える力)」という編集理念は色褪せないどころか、ますますその必要性を増しているように感じています。相手にとって不足なし。胸を借りるつもりで、その任にあたりたいと考えています。どうぞよろしくお願いいたします。

「考える人」編集長
金寿煥

著者プロフィール

日々野鮎美

ひびの・あゆみ 27歳、会社員。漫画『山と食欲と私』の主人公。「山ガール」と呼ばれたくない自称「単独登山女子」。美味しい食材をリュックにつめて、今日も一人山を登ります(たまには友人や同僚と登ることもあるよ)。

著者の本

イラスト・監修 信濃川日出雄

しなのがわ・ひでお 新潟県出身。北海道在住。2007年のデビュー以来、ジャンルを問わず多岐にわたって執筆し、『山と食欲と私』が累計100万部を突破、大人気シリーズとなる。現在もくらげバンチで同作を連載中。

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