Webマガジン「考える人」

シンプルな暮らし、自分の頭で考える力。
知の楽しみにあふれたWebマガジン。
 
 

安田菜津紀の写真日記

最近お邪魔している岩手県岩泉町、中洞牧場の猫たち。ストーブの上がお気に入りの場所。

 ラジオなどを通してニュースにかかわる仕事をしていることもあり、とりわけこの1カ月、あまりに慌ただしく、揺さぶられる情報がふりかかってくる日々だった。セクハラ問題、日報、公文書改竄、と国内問題だけを挙げてもきりがない。そんなニュースの目まぐるしさもさることながら、どこかもやもやと煮え切らないものが残るのは、言葉の「質」の問題ではないかと思う。
 何かをさげすむような、嘲笑や冷笑がこもった言動、傷ついた人々を更に追い込むかのような発言、そんな刺々しい言葉が連日報じられている今の社会の中で、子どもたちに「いじめはいけません」と伝えても、大人側にどれほど説得力があるだろうか、とふと不安になってしまう。
 ニュースの中に限らず、身近に起きるあらゆる問題も、突き詰めていけば結局、「人としてどうありたいか」という原点に戻るような気がしている。
 私が尊敬する人があるとき、彼女なりの素敵な大人の条件を教えてくれたことがある。それはとてもシンプルで、「ありがとう」「おめでとう」、そして「ごめんなさい」が言える人。そんな言葉をただ“伝える”だけではなく、相手の心まで届けられる人間になれているだろうか。一人一人がまず“自分から変わろう”と心がければ、社会の空気も和らいでいくのでは、と考えている今日この頃だ。

中洞牧場の牛たち。のんびりするためのヒントを、いつも動物たちに教えてもらっているように思う。
君とまた、あの場所へ―シリア難民の明日―

君とまた、あの場所へ―シリア難民の明日―

安田菜津紀

2016/04/22発売

シリアからの残酷な映像ばかりが注目される中、その陰に隠れて見過ごされている難民たちの日常を現地取材。彼らのささやかな声に耳を澄まし、「置き去りにされた悲しみ」に寄り添いながら、その苦悩と希望を撮り、綴って伝える渾身のルポ。

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考える人とはとは

何かについて考え、それが「わかる」とはどういうことでしょうか。

「わかる」のが当然だった時代は終わり、平成も終わり、現在は「わからない」が当然な時代です。わからないことを前提として、自分なりの考え方を模索するしかありません。

わかるとは、いわば自分の外側にあるものを、自分の尺度に照らして新しく再構成していくこと。

“Plain living, high thinking”(シンプルな暮らし、自分の頭で考える力)*を編集理念に、Webメディア「考える人」は、わかりたい読者に向けて、知の楽しみにあふれたコンテンツをお届けします。

*産業革命後に急速な都市化が進むロンドンで、イギリスの詩人ワーズワースが書き遺した言葉。

 

 

「考える人」編集長
松村 正樹

著者プロフィール

安田菜津紀

1987年神奈川県生まれ。Dialogue for People(ダイアローグフォーピープル)所属フォトジャーナリスト。16歳のとき、「国境なき子どもたち」友情のレポーターとしてカンボジアで貧困にさらされる子どもたちを取材。現在、東南アジア、中東、アフリカ、日本国内で難民や貧困、災害の取材を進める。東日本大震災以降は陸前高田市を中心に、被災地を記録し続けている。著書に『写真で伝える仕事 -世界の子どもたちと向き合って-』(日本写真企画)、他。上智大学卒。現在、TBSテレビ『サンデーモーニング』にコメンテーターとして出演中。

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