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安田菜津紀の写真日記

2018年11月5日 安田菜津紀の写真日記

ジャーナリストは「危険」「辛い」「苦しい」だけの仕事か

著者: 安田菜津紀

今年3月、シリア北部。故郷へと戻ってきた子どもたち。

 シリアで3年4カ月にもわたり拘束されていた安田純平さんが解放され、帰国した。様々な声が飛び交っているものの、まずはご家族との時間を大切に、ゆっくり心と体を休めてほしいと思う。
 この事件後に、何度か学生さんたちに向けて講演をする機会があった。質問時間に必ずといっていいほど投げかけられたのが、「辛い仕事なのにどうして続けているんですか?」「苦しいときはどうやって乗り越えているんですか?」という言葉だった。
 人質事件などが大々的に報道されると、ジャーナリストは危険で苦しい仕事、というイメージが益々強くなる。ましてや「危ないところに自分から行ったのだから自己責任」というバッシング、切り捨てるような言葉が飛び交えば、この仕事を目指したいと思う若者はいよいよいなくなってしまうかもしれない。
 ただ、これだけは言い切れる。この仕事は辛いだけの仕事ではない。特に写真は、絶対に現場に行かなければ撮ることができないものだ。つまり、人に会うこと自体が仕事だといえる。厳しい現場を目の当たりにしながらも、それを上回る喜びがあった。子どもたちの成長や、少しずつでも日常を取り戻す人々のたくましさに、心を震わしながらシャッターを切った。
 そんな現地で出会った方々からの“頂きもの”を、これからも持ち帰り、分かち合っていきたいと思う。

9月、イラク北部、クルド自治区。難民キャンプで暮らす子どもたち。
君とまた、あの場所へ―シリア難民の明日―

君とまた、あの場所へ―シリア難民の明日―

安田菜津紀

2016/04/22発売

シリアからの残酷な映像ばかりが注目される中、その陰に隠れて見過ごされている難民たちの日常を現地取材。彼らのささやかな声に耳を澄まし、「置き去りにされた悲しみ」に寄り添いながら、その苦悩と希望を撮り、綴って伝える渾身のルポ。

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何かについて考え、それが「わかる」とはどういうことでしょうか。

「わかる」のが当然だった時代は終わり、平成も終わり、現在は「わからない」が当然な時代です。わからないことを前提として、自分なりの考え方を模索するしかありません。

わかるとは、いわば自分の外側にあるものを、自分の尺度に照らして新しく再構成していくこと。

“Plain living, high thinking”(シンプルな暮らし、自分の頭で考える力)*を編集理念に、Webメディア「考える人」は、わかりたい読者に向けて、知の楽しみにあふれたコンテンツをお届けします。

*産業革命後に急速な都市化が進むロンドンで、イギリスの詩人ワーズワースが書き遺した言葉。

 

 

「考える人」編集長
松村 正樹

著者プロフィール

安田菜津紀

1987年神奈川県生まれ。Dialogue for People(ダイアローグフォーピープル)所属フォトジャーナリスト。16歳のとき、「国境なき子どもたち」友情のレポーターとしてカンボジアで貧困にさらされる子どもたちを取材。現在、東南アジア、中東、アフリカ、日本国内で難民や貧困、災害の取材を進める。東日本大震災以降は陸前高田市を中心に、被災地を記録し続けている。著書に『写真で伝える仕事 -世界の子どもたちと向き合って-』(日本写真企画)、他。上智大学卒。現在、TBSテレビ『サンデーモーニング』にコメンテーターとして出演中。

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