わたくし、”山ガール”ならぬ”単独登山女子”なんて名乗っていますが、要するに人見知りです……(?!)。
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普段は会社員、週末になると山歩きばかりの生活を送っている私が、登山を始めてみたい人向けにアテンドするならこの山! ……という個人的にお気に入りのお山をご紹介します。
今回のお山は……「筑波山」です!
コミックス(4巻/第42〜46話)でも登場している「筑波山」。そう、あの山コンの回です。今回は2007年から名物入りしたつくばうどんを食す! が目的です。
日本百名山の中では標高が一番低い筑波山
東京都心からアクセスのよい山は、北は秩父エリアか奥多摩エリア、南に下れば丹沢エリアがあります。そして、都心から東に足を延ばせば筑波山!
そして筑波山は周囲に山が少ないため、眺望もよく美しい筑波の街を眺めることができます。
日本百名山のひとつということもあり、登山者が多く、ケーブルカーやロープウェイもあり、山頂の飲食店の充実度はバッチリ。
一人で山歩きするのが少しさみしい時など、こうした観光地化された山では人が多くさみしくありませんね。
筑波山までの道のり
筑波山へのアクセスは、さまざまな方法があります。つくばエクスプレスを利用してつくば駅からシャトルバスを利用するか、JR常磐線で土浦駅で下車し、土浦駅から路線バスで沼田バス停まで。そこからは直行筑波山シャトルバスを利用します。
マイカーの場合は、市営筑波山駐車場を利用するか、満車の場合は付近の有料駐車場などを利用します。
今回の往路は筑波の魅力がたっぷり味わえる白雲橋コースで登りますが、下山はケーブルカーです。……週末にがっつり1日を山に費やすのもいいのですが、なるべく早めに帰宅して、家に溜まってきた山道具の断捨離作業もしたかったりいろいろやるべきことがあったりして、時短しちゃいます!
標高差が610mとそれなりにあるので、高尾山などの低山ハイクからのステップアップにもよいかもしれませんね。
白雲橋コースの登山口は筑波山神社から鳥居をくぐりスタート。ややわかりにくい場所にありますが、いたるところに案内板があるので確認しながら探しましょう。
林道を歩いてしばらくすると、白蛇弁天を横切ります。
登山をはじめて早速あらわれるパワースポットに気分も上がりますね!
林道を抜け、白蛇弁天から1時間ほど歩くと、大きな岩が点在するエリアに入ります。
岩ってなぜテンションが上がるんでしょうか……。
日常にはない岩肌の手触りや、自然にできた空間にワクワクするばかり。
ここには高天原という巨石の上に鎮座する、天照大御神を祀った筑波山神社の摂社・稲村神社があります。。
山歩きをすると、日本の山や神社は、古事記や日本書紀などの日本神話と深い結びつきがあることに気がつきます。
筑波山には、変わった形の岩がたくさんあり、由来や言い伝えが岩のそばにある案内板に記されていますよ。
山には鎖場という、急峻な岩場や、滑りやすいなど足元が不安定な場所に設置された鎖やロープを使って通る箇所があるんですが、鎖場がある山とない山があります。
筑波山には鎖場もあるので、ちょっとしたスキルアップにもつながるかも!?
鎖場があると、なんとなく気合いが入るというか、テンションが上がります。
流行りのインスタ映え!? 広々とした筑波を見下ろそう
高天原から40分ほど歩いて、辿り着くのがこの絶景!
筑波山は、女体山と男体山がありますが、ここは女体山の山頂です。
このあとは、男体山へ向かいます。ゆるゆるとアップダウンがある稜線を歩いてレストハウスのある御幸ヶ原へ。
山頂の広場に着く頃にはお昼の時間。
筑波山ではバーナーが禁止されているため、お昼ご飯はお弁当を持参するか、レストランでの食事になります。
今回の山行の目的のひとつでもあるのが、筑波山名物「つくばうどん」!
つくばうどん……それは、
つ=つくね
く=黒野菜
ば=バラ肉
うどんなんです!
さらに、うどんも霞ヶ浦のレンコンパウダーが練りこまれているとか。
しかもつくねは、銘柄鶏の「つくば茜鶏」で、バラ肉はローズポークのバラ肉を使用。つくばといえば緑豊かな土地。野菜も豊富に栽培されているため、野菜も地元産のものを使っています。
※お店によります。また、行動食は別途用意していきましょうね。
お弁当を山でいただくのも最高ですが、ちょっと今週の平日は残業も多くてハードだった、という方は、無理せず、地元のお店でお金を払っておいしいものを食べるのも、いいですよ♪
お店を見渡すと、レトロでかわいい物がちらほら。
筑波といえば、ガマの油。筑波山の名物の塗り薬がありますが、なぜかカエル推し。
ガマの油は、江戸時代に、ある大道商人の「油売り口上」が人気を集め、全国にひろまった塗り薬で、お土産やさんにはカエルモチーフのものが多々。
ガマガエルの置物かわいすぎますが、買って帰らなかったことにちょっと後悔……
下山は、ケーブルカーなら、ごめんなさい。8分で降りることができるんです! 下山を含めて登山だとは思うのですが、ありがたくも頼もしい……
ちなみに、御幸ヶ原コースを下るとケーブルカー沿いを歩くので、動いているケーブルカーを見ることができますよ。写真を撮りたい人はこのコースがよいのかもしれません。
時間と体力があれば、男体山への縦走もいいですね。
さまざまなルートとふたつの峰があることから筑波山は春から秋の3シーズンはもちろん、スキルが上がって雪山登山ができるようになったら、冬も楽しめるお山なんですよ!
ちなみに、下山後は、筑波山神社そばの宿で日帰り温泉も楽しめます。
観光要素も多い筑波山ですが、どの山に行くにもきちんとした装備と登山届けはしっかり行いましょうね〜!
文・構成 井上綾乃
関連サイト
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日々野鮎美
ひびの・あゆみ 27歳、会社員。漫画『山と食欲と私』の主人公。「山ガール」と呼ばれたくない自称「単独登山女子」。美味しい食材をリュックにつめて、今日も一人山を登ります(たまには友人や同僚と登ることもあるよ)。
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『山と食欲と私』公式 鮎美ちゃんとはじめる山登り―気軽に登れる全国名山27選ガイド―
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イラスト・監修 信濃川日出雄
しなのがわ・ひでお 新潟県出身。北海道在住。2007年のデビュー以来、ジャンルを問わず多岐にわたって執筆し、『山と食欲と私』が累計100万部を突破、大人気シリーズとなる。現在もくらげバンチで同作を連載中。
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はじめまして。2021年2月1日よりウェブマガジン「考える人」の編集長をつとめることになりました、金寿煥と申します。いつもサイトにお立ち寄りいただきありがとうございます。
「考える人」との縁は、2002年の雑誌創刊まで遡ります。その前年、入社以来所属していた写真週刊誌が休刊となり、社内における進路があやふやとなっていた私は、2002年1月に部署異動を命じられ、創刊スタッフとして「考える人」の編集に携わることになりました。とはいえ、まだまだ駆け出しの入社3年目。「考える」どころか、右も左もわかりません。慌ただしく立ち働く諸先輩方の邪魔にならぬよう、ただただ気配を殺していました。
どうして自分が「考える人」なんだろう――。
手持ち無沙汰であった以上に、居心地の悪さを感じたのは、「考える人」というその“屋号”です。口はばったいというか、柄じゃないというか。どう見ても「1勝9敗」で名前負け。そんな自分にはたして何ができるというのだろうか――手を動かす前に、そんなことばかり考えていたように記憶しています。
それから19年が経ち、何の因果か編集長に就任。それなりに経験を積んだとはいえ、まだまだ「考える人」という四文字に重みを感じる自分がいます。
それだけ大きな“屋号”なのでしょう。この19年でどれだけ時代が変化しても、創刊時に標榜した「"Plain living, high thinking"(シンプルな暮らし、自分の頭で考える力)」という編集理念は色褪せないどころか、ますますその必要性を増しているように感じています。相手にとって不足なし。胸を借りるつもりで、その任にあたりたいと考えています。どうぞよろしくお願いいたします。
「考える人」編集長
金寿煥