「エッセイ」一覧
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浪人という青春 その2
浪人とは希望に満ちた存在である。なぜなら彼はまだ何者にもなっていないのだから。という箴言くらい誰か言っていそうなものだが、誰も言っていないようである。昭和52年……
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友と私と大統領
1年ほど前、同じ中学、高校に通った同級生から、数十年ぶりにソーシャルネットワーキングサービスを通じて、友達申請という形で連絡があった。最初は誰だかわからなかっ……
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四 微妙という事
小林秀雄先生は、昼間はきわめて寡黙だった。お宅に参上するのは午後の三時が多かったが、その日の相談事がすんでしまうと、後はいつも静寂に領された。こちらが何かを切……
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毒
僭越ながら時々、写真の審査や講評をさせて頂く機会がある。毎度痛感するのは、批判的な言葉を探す方が楽であり、褒める言葉を見出す方が困難だ、ということだ。写真だけ……
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三 批評家・小林秀雄
小林秀雄は、批評家である。明治三十五年(一九〇二)四月十一日、東京・神田に生れ、昭和四年(一九二九)九月、二十七歳の秋、「様々なる意匠」によって文壇に出、日本……
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父の命日
ハロウィンのメロディーが、肌寒くなりはじめた小路に漏れ聞こえる。街中がどこかカラフルで楽し気になるにつれ、暗澹とした気持ちになっていたかつての自分を思い出す。……
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私のことなど忘れて下さい
先日の休みに夫が突然、数年前にそう遠くない場所に出来たアウトレットモールに行きたいと言い出した。人混みが嫌い、行列が嫌いな夫が珍しいと理由を尋ねると、自転車を……
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「負けず嫌い」
「負けず嫌い」は「負け嫌い」の誤用ではないのか、という質問をよく受けます。たしかに不思議な言い方です。勉強するのが嫌いなことを「勉強嫌い」と言うのと同様、負ける……
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苔にあこがれる
苔のような生活、というのにはまっていた時期がある。日本では一九八〇年代に広がったニューエイジ的カルチャーには有益なヒントがいっぱいあった。そんななかで触れたネ……
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阿蘇のイチゴ
曲がりくねった迂回路を突き進み、木々のトンネルを抜けきると、目の前が突然開け、視界が一気に青一色となる。真下に広がる金色に染まり始めた田を同時に眺めながら、「……
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「下駄を履くまで分からない」
「勝負(事)は下駄を履くまで分からない」と言います。勝負事は最後まで何が起こるか分からず、下駄を履いて帰りかけるまで勝敗は分からない、ということです。これはいっ……
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二 電光石火で波立てる
仙台との縁は、もう十年になる。東北学院大学で、哲学の佐々木俊三先生が、新入生を対象に「学問のすすめ」と題した講座をひらかれ、その「学問のすすめ」のなかで、ゲス……
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歳末、 「音のある季語」を訪ねて
好きな季語の一つに「年用意(としようい)」がある。正月事始ともいい、十二月十三日から掃除や残務整理など、新年を迎えるための準備に入ることである。 試しに、私の……
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「おたく」
1980年代頃、口頭で「御社(おんしゃ)」という呼称を使うことが広まり、90年代には普通に用いられるようになったと述べました。なぜこの時期に「御社」が広まったか……
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「御社」
日本語学者の金田一秀穂さんが2003年に出した新書に、「大人の流行語・若者の流行語」について書かれたくだりがあります。 〈〔最近は〕「御社(おんしゃ)」という……
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浪人という青春 その1
前回はつい調子に乗って書いてるうちに、自分が浪人していたことを忘れてしまっていたよ。高校からすぐ大学に入ったように書いたけど、実は一浪したんだ。浪人っていうと……
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明日への武器
少年鑑別所と聞いたとき、浮かんできたのは『あしたのジョー』だった。 ドヤ街にやって来た不良少年矢吹丈が、アル中の元ボクサー丹下段平に見込まれ、拳闘をやらない……
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「ムズい・キモい」「ハズい」
ムズい・キモい 「ムズい」を1980年代末に使っていた記憶が、私にはあります。 当時、大学生だった私は、江戸時代の各元号が西暦何年に当たるかを暗記しようとしてい……
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国籍のこと。
幾重にも重なる家族の生きてきた証を、勝手に二分し、どちらかを切り捨てろと迫るものはなんだろうか。 私の父はかつて、兄を認知していなかった。それだけ書くと冷徹……
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「夭逝」
夭逝(ようせい) 大学でかつて私の授業を受け、今はことばに関わる仕事をしている優秀な教え子がいます。あるとき私は、彼の手になる詳細な調査報告書を読んでいました……
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自分、強すぎ!
家族内の男性三人が、朝の8時前に全員家からいなくなるという、夢のような日々が続いている。息子達は、一旦登校すれば午後4時を過ぎるまで帰宅することはない。夫に至っ……
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「居眠り・うたた寝」「爆笑」
居眠り・うたた寝 1973年のヒット曲、アグネス・チャン「草原の輝き」は、私(67年生まれ)と同世代の人ならば、たいてい誰でも歌えるのではないでしょうか。この歌……
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四季を告げる鳥の声 2 寒い季節の鳥たち
前回の暖かな季節に続き、今回は寒さのなかで聞ける鳥たちの声に耳を澄ませてみよう。 立秋の声を聞くと風の温度が微妙に下がるのが分かる。だが鳥たちの声が変わる……
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「白羽の矢が立つ」
「白羽の矢が立つ」という慣用句があります。私の携わる『三省堂国語辞典』(三国)第7版を引くと、「多くの中から特にえらび出される」という説明の後に、気になる……
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MAIL MAGAZINE
とは
はじめまして。2021年2月1日よりウェブマガジン「考える人」の編集長をつとめることになりました、金寿煥と申します。いつもサイトにお立ち寄りいただきありがとうございます。
「考える人」との縁は、2002年の雑誌創刊まで遡ります。その前年、入社以来所属していた写真週刊誌が休刊となり、社内における進路があやふやとなっていた私は、2002年1月に部署異動を命じられ、創刊スタッフとして「考える人」の編集に携わることになりました。とはいえ、まだまだ駆け出しの入社3年目。「考える」どころか、右も左もわかりません。慌ただしく立ち働く諸先輩方の邪魔にならぬよう、ただただ気配を殺していました。
どうして自分が「考える人」なんだろう――。
手持ち無沙汰であった以上に、居心地の悪さを感じたのは、「考える人」というその“屋号”です。口はばったいというか、柄じゃないというか。どう見ても「1勝9敗」で名前負け。そんな自分にはたして何ができるというのだろうか――手を動かす前に、そんなことばかり考えていたように記憶しています。
それから19年が経ち、何の因果か編集長に就任。それなりに経験を積んだとはいえ、まだまだ「考える人」という四文字に重みを感じる自分がいます。
それだけ大きな“屋号”なのでしょう。この19年でどれだけ時代が変化しても、創刊時に標榜した「"Plain living, high thinking"(シンプルな暮らし、自分の頭で考える力)」という編集理念は色褪せないどころか、ますますその必要性を増しているように感じています。相手にとって不足なし。胸を借りるつもりで、その任にあたりたいと考えています。どうぞよろしくお願いいたします。
「考える人」編集長
金寿煥
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「考える人」から生まれた本
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