「エッセイ」一覧
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突然の入院騒ぎ その3
(前回の記事へ) DAY 14 涙の訴え 朝一番の巡回で、看護師さんが「気分はどう?」と聞いた時、待ってましたとばかりに「もうダメです」と答えた。看護師さんはびっくり……
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三十五 「学問」の姿
今年の大学入試センター試験に、本居宣長の「石上私淑言」(いそのかみのささめごと)が出た。前回、読者にもその問題文を読んでもらい、受験生諸君には、春、晴れて大学……
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突然の入院騒ぎ その2
(前回の記事へ) DAY 8 経食道心エコー検査 症状が安定したため、24時間の点滴と心電図が外れた。一気に自由度が上がり、快適になる。病院内を歩く自由も確保し、とう……
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月300冊の読み聞かせ
幼い頃、母は絵本の読み聞かせにこだわる人だった。人を無為に傷つける人間とならないよう、内面を豊かにするには絵本が必要だと思い立ったらしい。その数は月に300冊、1……
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純粋な動機
1980年代前半、学生の政治意識は低く、学生運動は沈静化しており、大学は社会人になるためのモラトリアム期間であることがほぼ公然と認められていた。これを「大学のレジ……
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三十四 情と欲のわきまえ
今年の大学入試センター試験に、本居宣長の「石上私淑言」(いそのかみのささめごと)が出た。「次の文章は『石上私淑言』の一節で、本居宣長が和歌についての自身の見解……
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突然の入院騒ぎ その1
DAY 1 息ができない 歩いているだけで息が切れてしまい、愛犬ハリーの散歩に行くことが出来なくなって三日目。強い疲労感をどうすることもできない。時間外ではあったけ……
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「猫・犬」
私たちに最も身近な愛玩動物といえば、犬と猫です。「犬猫」と並べて言いますが、語源についてよく議論になるのは、とりわけ猫のほうです。 最近も、テレビ番組で、猫……
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10 古典が読めない!
私がある本をえらぶのか、それともある本が私をえらぶのか。いずれにせよ、近ごろは、じぶんとおなじ年ごろの70代から80代ぐらいの人たちが書いた本を手にとる機会が、め……
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三十三 天寿を磨く
前回、小林先生と井伏鱒二さんの酒の飲み方について聞いてもらったが、小林先生にも井伏さんにも可愛がられ、絶大な信頼を寄せられていた編集者に菅原国隆さんがいる。た……
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元旦、道路に寝転んで
今年こそ、絶対に十分な休息を取ると決めていた年末年始だったけれど、やはり今年もドタバタと年を越してしまい、気づけば正月はすっかり終わっていた。ゆっくりと休めた……
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不純な動機
前回の予告通り大学時代の読書の話をしよう。代々木ゼミナールで有意義な時間を過ごした僕は、慶応義塾大学に補欠合格し、クラシカル・ギタークラブに所属した。ギター部……
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三十二 惜しいのは命だけだ
奥湯河原の「加満田」で毎年のように小林先生と年越しをし、毎週木曜日には程ヶ谷カントリー倶楽部でゴルフを楽しんだ批評家、中村光夫さんに、『≪論考≫小林秀雄』という……
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三十一 小林先生の年越し
小林秀雄先生の年越しは、毎年、神奈川県奥湯河原の旅館「加満田」(かまた)でだった。 今ではもうよく知られている話のようだが、先生と「加満田」との縁は昭和二十……
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09 それは「歴史上の人物」ですか?
敗戦後の本がない時代にそだったので、子どものころは、本は買ってもらうというよりも、どちらかといえば、友だちの家や近所のお兄さんから借りてくるものと思っていた。……
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08 京の味をロンドンでも再現したくて、……
日本には節目節目に決まったものを食べる習慣がたくさんあります。お節の数々に始まり、1月7日の七草粥、鏡開きのおぜんざい、端午の節句の粽(ちまき)や柏餅、土用の……
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そして、あの頃の歌たち
僕らのギター部はあくまで「クラシカルギター・クラブ」だったから、ナイロン弦を張ったなで肩のギターを持ちより、18-20世紀初頭までに作られた曲の合奏や独奏をするの……
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ご飯が大事
在沖米軍と一口に言っても、部隊によって街の雰囲気は違い、食べる量も違うそうだ。コザは嘉手納基地の門前町だから空軍(エアフォース)が多く、家族で住んでいる地上勤……
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思わぬプレゼント
先日、覚えのない荷物が届いた。とても大きな箱に梱包されたそれは、送り状を見ると、どうも自分で注文したらしい。しかし、まったく記憶にない。恐る恐る箱を開けてみた……
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沖縄タコスの戦後史
(前回まで)「チャーリー」こと勝田直志さんは、コザの有名なタコス専門店「チャーリー多幸寿」の創業者。沖縄戦の生き残りでもある。1956年創業のレストランをタコス専門……
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会社の消滅とAIノマドの時代
ある一族の創造的生き残り戦略 先日、公益財団法人・奥出雲多根自然博物館(館長:宇田川和義さん)で開催された「こども未来まつり」に招かれて参加した。シンポジウム……
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三十 日本酒の受難と復活
鎌倉の小町通りに、「奈可川」という小料理の店がある。小林秀雄先生行きつけの店のひとつで、私たちも何度も連れていってもらったが、この店で先生のいちばんの目当ては……
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昔話の続きである
会社ってェ奴は2 この買う買う詐欺は、個人的に大いに勉強になったが、私の父親が「あこぎなやり口」に怒って、広告代理店に苦情を申し立てると言い出した。 すでに書……
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08 手紙と映画館が消えたのちに
小説であれ随筆であれ、新しい本がでたと知ると、すぐ本屋に向かう。そんな作家が私にもわずかながらいて、そのひとりが山田稔なのです。 家にもどって、ときには家に……
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MAIL MAGAZINE
とは
はじめまして。2021年2月1日よりウェブマガジン「考える人」の編集長をつとめることになりました、金寿煥と申します。いつもサイトにお立ち寄りいただきありがとうございます。
「考える人」との縁は、2002年の雑誌創刊まで遡ります。その前年、入社以来所属していた写真週刊誌が休刊となり、社内における進路があやふやとなっていた私は、2002年1月に部署異動を命じられ、創刊スタッフとして「考える人」の編集に携わることになりました。とはいえ、まだまだ駆け出しの入社3年目。「考える」どころか、右も左もわかりません。慌ただしく立ち働く諸先輩方の邪魔にならぬよう、ただただ気配を殺していました。
どうして自分が「考える人」なんだろう――。
手持ち無沙汰であった以上に、居心地の悪さを感じたのは、「考える人」というその“屋号”です。口はばったいというか、柄じゃないというか。どう見ても「1勝9敗」で名前負け。そんな自分にはたして何ができるというのだろうか――手を動かす前に、そんなことばかり考えていたように記憶しています。
それから19年が経ち、何の因果か編集長に就任。それなりに経験を積んだとはいえ、まだまだ「考える人」という四文字に重みを感じる自分がいます。
それだけ大きな“屋号”なのでしょう。この19年でどれだけ時代が変化しても、創刊時に標榜した「"Plain living, high thinking"(シンプルな暮らし、自分の頭で考える力)」という編集理念は色褪せないどころか、ますますその必要性を増しているように感じています。相手にとって不足なし。胸を借りるつもりで、その任にあたりたいと考えています。どうぞよろしくお願いいたします。
「考える人」編集長
金寿煥

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