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「随筆 小林秀雄」一覧

随筆 小林秀雄
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五十九 日本の風景

 前々々回、小林先生が奈良の大和三山を愛でて、「『万葉』の歌人等は、あの山の線や色合いや質量に従って、自分達の感覚や思想を調整したであろう」と書いていたことと、……

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五十八 「ひろみ」にて

 天ぷらの「ひろみ」は、JR鎌倉駅の鶴岡八幡宮側出口を出て小町通りに入り、すこし行った左手にある。今では雑誌、テレビ、ラジオ等で何度も紹介され、地元はもちろん全……

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五十七 常識について

 小林先生のことを聞かせてほしいという声を方々からかけてもらい、北は仙台から西は広島まで、十指に余る会場を定期的にお訪ねしているが、広島の場合は毎回、世話役のY……

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五十六 小林先生と「萬葉集」

 平成の世から令和の世になった。新元号「令和」は、「萬葉集」の巻第五に見える「梅花の歌三十二首并(あは)せて序」のなかの「序」の一節が出典だという。 ――于時初春令……

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五十五 頭の良し悪しとは

 小林先生は、会うといきなり、言おうとすることの結論を、結論だけを、ポンと言われることがよくあった。あの日もそうだった。お宅を訪ねて応接間に通された私に、あの日……

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五十四 学習と学問のちがい

 今年もまもなく、入試の時節に句切りがつくようだ。受験戦争に勝利を収め、四月からは大学生となる諸君にまずお祝いを申し上げ、そのうえで訊いてみたい、これまで諸君が……

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五十三 我慢だよ、我慢だよ

 今年も、先生の命日が近くなった。先生が亡くなったのは、昭和五十八年(一九八三)三月一日だった。以来、毎年、祥月しょうつき命日にお墓参りをされる先生の長女、白洲……

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五十二 志ん生そっくり

 小林先生って、志ん生そっくりですね――。  「新潮CD」で先生の講演を聴いた人たちは、皆が皆と言っていいほどにこう言ってくる。たしかに先生の語り口は、ふだんの酒席で……

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五十一 にせものの価値

 十二月である、十二月と言えば「忠臣蔵」である、というような言い方は、今でも通じるのだろうか、それとも、もう通じないのだろうか。そんなことを思いながら今回の準備……

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五十 「本居宣長」の本

 小林先生の『本居宣長』は、昭和五十二年(一九七七)の十月三十日に出た。定価は一冊四〇〇〇円……、ということは、今日で言えば八〇〇〇円から九〇〇〇円にもなる本であ……

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四十九 人間性が鳴り渡る

 先年、ある大学で、小林秀雄についての講義をもたせてもらったときのことだ。小林先生が学生たちの質問に答えた内容を一冊の本にした『学生との対話』(新潮社刊、現在は……

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四十八 本居宣長の桜

 小林先生の「本居宣長」は、第一章に図版が入っている。今年は単行本の刊行から四十一年になるが、私は毎年、秋風が立ついまごろになると、あの図版の経緯を思い出す。 ……

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四十七 「しんこ」と「あなご」

 小林先生の夏の楽しみは、まずは六月、京都・平野屋の鮎に始まり、次いでは八月、東京湾の「しんこ」だった。  「しんこ」というのは鮗(このしろ)の幼魚で、大きさは……

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四十六 反省と後悔

 小林先生には、人口に膾炙(かいしゃ)した名言がいくつもある。「批評するとは自己を語る事である、他人の作品をダシに使って自己を語る事である」(「アシルと亀の子Ⅱ……

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四十五 科学技術と道義心

 毎年八月になると、小林先生と湯川秀樹さんとの対談「人間の進歩について」(新潮社刊「小林秀雄全作品」第16集所収)を思い出す。湯川さんは京大教授を務めた理論物理学……

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四十四 素読という鍛錬

 小林先生は、鍛錬ということもよく言われた。天才には必要ないだろうが、僕のような凡人には鍛錬が要る、何事も鍛錬しなければだめなのだと言って、音楽、絵画、骨董と、……

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四十三 歌会のこと

 前回お話しした「小林秀雄に学ぶ塾」は、「小林秀雄に学ぶ塾」である、「小林秀雄を学ぶ塾」ではない。つまり、小林秀雄についての文学的知識をあれこれ提供する塾ではな……

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四十二 上手に質問する

 茂木健一郎さんに勧められ、七年前から「小林秀雄に学ぶ塾」を続けている。その塾で昨年五月、同人雑誌『好・信・楽』を出し始め、それが先月、創刊一周年になった。創刊……

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四十一 ホテルオークラの結界

 今年も三島由紀夫賞、山本周五郎賞が決った。三島賞は古谷田奈月さんの「無限の玄」、山本賞は小川哲さんの「ゲームの王国」で、贈呈式は六月二十二日、ホテルオークラで……

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四十 現代の迷信

 ここ十年余り、小林先生について定期的に話してほしいという声を方々からかけてもらい、それが年々多くなってよろこんでいる。先月は、霞が関の若い人たちから「小林先生……

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三十九 「文化」について

 前回取上げた「教養」は、英語やフランス語から入ってきた「culture」の訳語だが、「culture」にはもうひとつ、「文化」という訳語がある。というより今日では、「カルチ……

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三十八 教養とは何か

 小林先生は、今から六十年以上も前、昭和二十九年(一九五四)の初めに「読書週間」と題した文章を書き、そのときすでに本が多過ぎる、本という物質の過剰が、読書という……

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三十七 トルストイを読み給え

 新年度の始まりである。私は今年、七十一歳になっていて、もう新年度も旧年度もないようなものだが、それでも四月は気が引き締まる。学生時代、今年はこれだけ読むぞと本……

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考える人とはとは

 はじめまして。2021年2月1日よりウェブマガジン「考える人」の編集長をつとめることになりました、金寿煥と申します。いつもサイトにお立ち寄りいただきありがとうございます。
「考える人」との縁は、2002年の雑誌創刊まで遡ります。その前年、入社以来所属していた写真週刊誌が休刊となり、社内における進路があやふやとなっていた私は、2002年1月に部署異動を命じられ、創刊スタッフとして「考える人」の編集に携わることになりました。とはいえ、まだまだ駆け出しの入社3年目。「考える」どころか、右も左もわかりません。慌ただしく立ち働く諸先輩方の邪魔にならぬよう、ただただ気配を殺していました。
どうして自分が「考える人」なんだろう―。
手持ち無沙汰であった以上に、居心地の悪さを感じたのは、「考える人」というその“屋号”です。口はばったいというか、柄じゃないというか。どう見ても「1勝9敗」で名前負け。そんな自分にはたして何ができるというのだろうか―手を動かす前に、そんなことばかり考えていたように記憶しています。
それから19年が経ち、何の因果か編集長に就任。それなりに経験を積んだとはいえ、まだまだ「考える人」という四文字に重みを感じる自分がいます。
それだけ大きな“屋号”なのでしょう。この19年でどれだけ時代が変化しても、創刊時に標榜した「"Plain living, high thinking"(シンプルな暮らし、自分の頭で考える力)」という編集理念は色褪せないどころか、ますますその必要性を増しているように感じています。相手にとって不足なし。胸を借りるつもりで、その任にあたりたいと考えています。どうぞよろしくお願いいたします。

「考える人」編集長
金寿煥


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