「評論」一覧
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第3回 文学に描かれてきた「舌を抜かれる……
(*本連載について) 「口封じ」というナラティブの武器 ここからは、実社会でのみならず文学においても、さまざまな形で抑圧されてきた女性やマイノリティの「声」につ……
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第3回 在地音楽への道――「アメリカには……
なぜ北島三郎なのか 前回私は、1960年代後半以降の新左翼的な思潮を背景に五木寛之が定式化した、「日本人の、弱さや、貧しさや、哀しさや、おろかさ」の表現としての艶……
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第21回(2022年度)小林秀雄賞 受賞……
8月25日午後、一般財団法人 新潮文芸振興会と新潮社の主催による「小林秀雄賞」「新潮ドキュメント賞」選考会がオークラ東京にて行なわれ、受賞作品が決定しましたので、……
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第4回 心の「師」との出会い
「グレッセ」への讃歌 デビュー演説の翌年、未来の革命家の思想を読み解くうえで意想外に重要な論考が執筆された。「グレッセへの頌詞(しょうし)」(1785年)である。これ……
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第2回 女性と子どもにとってのリアルなデ……
(*本連載について) SFから日常へ――ディストピアの曲がり角 ここで、ディストピアとSFの関係に少し触れておきたい。 ディストピア文学はもともと未来を舞台にするこ……
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第2回 ひとりぐらいはこういう馬鹿が
第1回はこちら 承前:連載の意図 本連載で私が試みるのは、演歌(というよりここはあえて「艶歌」と表記したい)を、「北島三郎的なもの」として再想像、もっといえば再……
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第1回 俺がやらなきゃ誰がやる
音楽学者、北島三郎に挑む これから北島三郎について論じる。 いうまでもなく北島三郎は、現在日本で活動する演歌歌手のなかでおそらく最も有名な、そして圧倒的に「大……
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「慈母としての政治家」大久保利通
瀧井一博『大久保利通 「知」を結ぶ指導者』 2022/07/27 公式HPはこちら。 旧君を裏切り、親友を見捨てた「冷酷なリアリスト」という評価は正当なのか? 富国強兵と殖産……
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第3回 「名誉」を超えて
「抑圧された人々」のために 当時、アラスは2万2千人ほどの住民が暮らす地方の中心都市だった。それでも、長引く不況で繊維産業は衰退し、伝統的な穀物取引に多くを依存……
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第1回 ディストピア文学はなぜ長年流行し……
*本連載について わたしは翻訳業と並行して、2000年頃から新聞や雑誌で書評の執筆を始めましたが、気づいたら、書評や評論のほうが仕事の大部分を占めるようになってい……
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第2回 美徳と悪徳
「生真面目で、勤勉な」少年時代 アラスは、フランス北部アルトワの州都(県庁所在地)である。その地で、弁護士のフランソワ・ド・ロベスピエールとジャクリーヌ・カロ……
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第1回 真の民主主義を求めて
「ポピュリスト」以後 トランプ前アメリカ合衆国大統領がワシントンを去って1年と半年が経つ。在任中は、社会を敵と味方に分断し、議会やマスメディアに代表される既成権……
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第20回(2021年度)小林秀雄賞 受賞……
8月26日午後、一般財団法人 新潮文芸振興会の主催による「小林秀雄賞」「新潮ドキュメント賞」選考会がオークラ東京にておこなわれ、小林秀雄賞受賞作品が決定しましたので……
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「どんなふうにマンガを描いているのでしょ……
萩尾望都『私の少女マンガ講義』 2021/06/24 公式HPはこちら。 描くペース ――次にイタリアでの講演後に行われた質疑応答の中から印象的だった質問を念頭におきながら、萩……
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音楽はなぜリベラル・アーツに含まれたのか
音楽は「生の根幹」に結びついている 音楽は、少し贅沢な、余った時間の娯楽だとみなされることがある。確かに気持ちに余裕が生まれれば、ふと音楽が聴きたくなるものだ……
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最終回 瀧川事件と「帝大システムの限界」
「自治」の伝統と瀧川事件 昭和戦前期の京大をめぐる最大の出来事といえば、1933(昭和8)年の瀧川事件をあげる人が多いだろう。文部省(文相・鳩山一郎)が京大総長や……
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第20回 東大を激怒させた京大の「変態的……
「大学間の競争」 京都帝国大学が東大とは違う新しい帝国大学を創造する試みであったことは、これまでも指摘されてきた。たとえば教育分野についてみてみると、京大……
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第19回 京大生・瀧川幸辰の「大いなる不……
東大の「滑り止め」? 1910(明治43)年、いまの東京大学法学部、当時の東京帝国大学法科大学で、初の入学試験が実施されるとの噂が広まった。『読売新聞』(7月2〜3日……
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第18回 「実用か、教養か」一橋大学の揺……
一橋の優位・実業教育 すでに第12回で述べたように、戦前、出身大学・学校によって「月給相場」には大きな差があった。自民党参議院議員を務めた小野義夫の証言によれば……
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アクションとポイエーシス
1 二〇世紀を代表する哲学者のひとり、ハンナ・アーレントは、『人間の条件』という有名な著作で、人間の行いを「活動」と「仕事」と「労働」という三つの領域にわける……
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第17回 脱「帝大の下」、一橋大学の自意……
東大と一橋 数年前、ある安酒場で一流保険会社のOBと偶然隣り合わせになった。その人は、名門私立中高一貫校からストレートで東大法学部に進み、安田講堂攻防戦の時には……
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第16回 帝大に多様性を持ち込んだ「成城……
知育の偏重と個性の尊重 1918(大正7)年、公立・私立の(旧制)高等学校開設を認め、また修業年限を本則7年(中学に相当する尋常科4年・高校に相当する高等科3年)……
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第15回 「点取主義」と「大正自由教育」……
優等生・池田留吉の「赤門生活」 1913(大正2)年刊行の『赤門生活』(南北社)という本に、東京帝国大学法科大学(いまの東大法学部)の学生の暮らしを描いた小説風の……
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第14回 関東大震災と「東大の危機」
関東大震災と東大 いまからちょうど96年前の1923(大正12)年9月1日、マグニチュード7.9の巨大地震が帝都東京を襲った。関東大震災の発生である。死者・行方不明者は10……
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MAIL MAGAZINE
とは
はじめまして。2021年2月1日よりウェブマガジン「考える人」の編集長をつとめることになりました、金寿煥と申します。いつもサイトにお立ち寄りいただきありがとうございます。
「考える人」との縁は、2002年の雑誌創刊まで遡ります。その前年、入社以来所属していた写真週刊誌が休刊となり、社内における進路があやふやとなっていた私は、2002年1月に部署異動を命じられ、創刊スタッフとして「考える人」の編集に携わることになりました。とはいえ、まだまだ駆け出しの入社3年目。「考える」どころか、右も左もわかりません。慌ただしく立ち働く諸先輩方の邪魔にならぬよう、ただただ気配を殺していました。
どうして自分が「考える人」なんだろう――。
手持ち無沙汰であった以上に、居心地の悪さを感じたのは、「考える人」というその“屋号”です。口はばったいというか、柄じゃないというか。どう見ても「1勝9敗」で名前負け。そんな自分にはたして何ができるというのだろうか――手を動かす前に、そんなことばかり考えていたように記憶しています。
それから19年が経ち、何の因果か編集長に就任。それなりに経験を積んだとはいえ、まだまだ「考える人」という四文字に重みを感じる自分がいます。
それだけ大きな“屋号”なのでしょう。この19年でどれだけ時代が変化しても、創刊時に標榜した「"Plain living, high thinking"(シンプルな暮らし、自分の頭で考える力)」という編集理念は色褪せないどころか、ますますその必要性を増しているように感じています。相手にとって不足なし。胸を借りるつもりで、その任にあたりたいと考えています。どうぞよろしくお願いいたします。
「考える人」編集長
金寿煥