「ことば」一覧
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第3回 創作以前の妄想
(前回はこちら) いただいた質問の中に「もし1週間登場人物になれるなら、万浬と森悟とどっちになりたいですか」という質問と、「亜黎(あれい)という万浬の前の世代の……
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第2回 小説のテーマ、ストーリー、キャラ……
(前回はこちら) 痛みのない世界を想像する 『ペインレス』に登場する、心に痛みを感じない人物というのは実在せず、あくまで仮定だと申しました。 そもそもの始まりは……
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17 貧乏映画からさす光 その2
1953年に、北原怜子さとこの『蟻の街の子供たち』と松居桃楼とうるの『蟻の街の奇蹟』という2冊の本が、あいついで刊行された。 そして1958年、北原の死の直後に、あ……
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(3) 「わかる/わからない」を超えるお……
松原俊太郎→滝口悠生 ご返事、ありがとうございます。 京都は異常な暑さも一段落してここ最近は少し涼しさも感じるようになって、まだまだ夏よ終わってくれるなという気分……
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四十七 「しんこ」と「あなご」
小林先生の夏の楽しみは、まずは六月、京都・平野屋の鮎に始まり、次いでは八月、東京湾の「しんこ」だった。 「しんこ」というのは鮗(このしろ)の幼魚で、大きさは……
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(2)木の讃歌――リチャード・パワーズの……
誰も聞いたことのない音楽を作ろうとした男の話である前作『オルフェオ』(2014、邦訳新潮社)が素晴らしかったので、もちろん本格的でない作品など一冊もない作家ではあ……
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第17回(2018年度)小林秀雄賞 受賞……
8月23日午後、新潮文芸振興会主催による「小林秀雄賞」「新潮ドキュメント賞」選考会がホテル オークラにておこなわれ、小林秀雄賞受賞作品が決定しましたので、ここにお知……
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(2) 小説と戯曲の「声」について
滝口悠生→松原俊太郎 先日の大雨では、京都もずいぶんな雨量だったようですが、お変わりなくお過ごしでしょうか。連日の猛暑も重なって、なんだか非常時といった感じが続い……
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四十六 反省と後悔
小林先生には、人口に膾炙(かいしゃ)した名言がいくつもある。「批評するとは自己を語る事である、他人の作品をダシに使って自己を語る事である」(「アシルと亀の子Ⅱ……
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四十五 科学技術と道義心
毎年八月になると、小林先生と湯川秀樹さんとの対談「人間の進歩について」(新潮社刊「小林秀雄全作品」第16集所収)を思い出す。湯川さんは京大教授を務めた理論物理学……
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(1)カーヴァーについて語るときにエヴン……
ニューヨークを拠点とするig publishingという小さな文芸出版社が、Bookmarkedというシリーズを出している。現役の作家が、若いころに読んで衝撃を受けた本を取り上げ、……
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四十四 素読という鍛錬
小林先生は、鍛錬ということもよく言われた。天才には必要ないだろうが、僕のような凡人には鍛錬が要る、何事も鍛錬しなければだめなのだと言って、音楽、絵画、骨董と、……
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(1) 小説と戯曲の違いって何?
『死んでいない者』で芥川賞を受賞した気鋭の小説家・滝口悠生さんと、「忘れる日本人」「山山」を発表し、劇団をもたず演出もしない劇作家として話題の新鋭・松原俊太郎さ……
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第2回 「わかる」と「かたち」をつなぐも……
(前回の記事へ) 森田 近代の西欧数学は日本にとって外来の学問でした。日本には江戸時代に「和算」という独自の数学文化が発達しましたが、1872年に学制が公布されると……
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第1回「わかる」の原点へ
森田 最近「制度(Institution)」という概念についてよく考えています。これは経済学者の青木昌彦(※1)先生からの影響ですが、組織とか法律のように政府が設計・運用で……
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四十三 歌会のこと
前回お話しした「小林秀雄に学ぶ塾」は、「小林秀雄に学ぶ塾」である、「小林秀雄を学ぶ塾」ではない。つまり、小林秀雄についての文学的知識をあれこれ提供する塾ではな……
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四十二 上手に質問する
茂木健一郎さんに勧められ、七年前から「小林秀雄に学ぶ塾」を続けている。その塾で昨年五月、同人雑誌『好・信・楽』を出し始め、それが先月、創刊一周年になった。創刊……
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14 少年読書回想
もう30年以上もまえのことになるが、新宿ゴールデン街の酒場で飲んでいたら、同行の友人が、カウンターのとなりに坐った男となにかぼそぼそと話しはじめた。話のようすで……
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四十一 ホテルオークラの結界
今年も三島由紀夫賞、山本周五郎賞が決った。三島賞は古谷田奈月さんの「無限の玄」、山本賞は小川哲さんの「ゲームの王国」で、贈呈式は六月二十二日、ホテルオークラで……
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四十 現代の迷信
ここ十年余り、小林先生について定期的に話してほしいという声を方々からかけてもらい、それが年々多くなってよろこんでいる。先月は、霞が関の若い人たちから「小林先生……
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三十九 「文化」について
前回取上げた「教養」は、英語やフランス語から入ってきた「culture」の訳語だが、「culture」にはもうひとつ、「文化」という訳語がある。というより今日では、「カルチ……
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三十八 教養とは何か
小林先生は、今から六十年以上も前、昭和二十九年(一九五四)の初めに「読書週間」と題した文章を書き、そのときすでに本が多過ぎる、本という物質の過剰が、読書という……
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三十七 トルストイを読み給え
新年度の始まりである。私は今年、七十一歳になっていて、もう新年度も旧年度もないようなものだが、それでも四月は気が引き締まる。学生時代、今年はこれだけ読むぞと本……
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短篇小説を読む:作品一覧
レベッカ・マカーイ「赤を背景とした恋人たち」(藤井光訳) 短篇の名手として知られるアメリカの作家、レベッカ・マカーイの初短篇集『戦時の音楽』(新潮クレスト・ブッ……
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とは
はじめまして。2021年2月1日よりウェブマガジン「考える人」の編集長をつとめることになりました、金寿煥と申します。いつもサイトにお立ち寄りいただきありがとうございます。
「考える人」との縁は、2002年の雑誌創刊まで遡ります。その前年、入社以来所属していた写真週刊誌が休刊となり、社内における進路があやふやとなっていた私は、2002年1月に部署異動を命じられ、創刊スタッフとして「考える人」の編集に携わることになりました。とはいえ、まだまだ駆け出しの入社3年目。「考える」どころか、右も左もわかりません。慌ただしく立ち働く諸先輩方の邪魔にならぬよう、ただただ気配を殺していました。
どうして自分が「考える人」なんだろう――。
手持ち無沙汰であった以上に、居心地の悪さを感じたのは、「考える人」というその“屋号”です。口はばったいというか、柄じゃないというか。どう見ても「1勝9敗」で名前負け。そんな自分にはたして何ができるというのだろうか――手を動かす前に、そんなことばかり考えていたように記憶しています。
それから19年が経ち、何の因果か編集長に就任。それなりに経験を積んだとはいえ、まだまだ「考える人」という四文字に重みを感じる自分がいます。
それだけ大きな“屋号”なのでしょう。この19年でどれだけ時代が変化しても、創刊時に標榜した「"Plain living, high thinking"(シンプルな暮らし、自分の頭で考える力)」という編集理念は色褪せないどころか、ますますその必要性を増しているように感じています。相手にとって不足なし。胸を借りるつもりで、その任にあたりたいと考えています。どうぞよろしくお願いいたします。
「考える人」編集長
金寿煥
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