「エッセイ」一覧
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23 紫野の一閑張「夢一人」で120年前……
「茶匣(ばこ)組みましょうよ。茶匣。おもろいですよ」 悪魔のような囁きを吹き込んだのは、わたしが京都で根城にしている骨董「大吉」の若主人、理(おさむ)くん。茶〝道……
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満員電車の話をウガンダの友人にしたところ……
多くの人が新生活をはじめる4月。慣れない通学路や通勤、都市部では満員電車に悩まされている人たちも少なくないはずだ。 ある時、日本を訪れたウガンダの友人に、こ……
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食べて知る水のおいしさ 寒ざらし
長崎島原
以前なにかの資料で見て以来、長崎島原の寒ざらしは長らく食べてみたい味だった。それは冷菓で、うつわに注がれた黄金色のシロップの底に、白くて丸い玉が沈んでいた。一……
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五十五 頭の良し悪しとは
小林先生は、会うといきなり、言おうとすることの結論を、結論だけを、ポンと言われることがよくあった。あの日もそうだった。お宅を訪ねて応接間に通された私に、あの日……
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シーガル先生の呪い
俺のいたメリーランド大学心理学研究科では、社会心理学か産業心理学かどちらかを履修せねばならなかった。社会心理学のほうが少しは基礎的であろうと思い、そちらを履修……
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歴史研究は何の役に立つのか
「有用性」をめぐる葛藤 歴史家であれば誰しも、あるときは他人から、あるときは自分自身から突きつけられる問いがある。歴史研究は何の役に立つのか、という問いである……
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21 往年の目力(読書日記)
ついこのあいだ傘寿と思ったら、4月にはもう81歳。そこでこれまでのやり方を変え、3回書いたら、つぎの回は「読書日記」にして、みずからに活かつ)を入れることにした……
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輪島 その2
おかしなたび
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22 帽子、鞄、靴。ブランドでは手に入ら……
ハゲにとって帽子は髪です。ただのハゲ隠しではありません。個人的にはいい歳してレゴの人形みたいにみっちり頭髪が生えている人よりもハゲてるほうが断然かっこいいよな……
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輪島 その1
おかしなたび
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サクラサク
子どもたちの卒業式が間近に迫り、慌ただしい日々を送っている。日常生活の大きな変化に、子どもの人生の潮目に、またもや心がついていかない。様々な準備作業に対応する……
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立ち止まって、深呼吸
2年ほど前のこと。仕事でお世話になっている方についての誤情報が、ネットで出回ってしまったことがあった。その人の顔と名前が晒された上、一時期凄まじい勢いでそれが……
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五十四 学習と学問のちがい
今年もまもなく、入試の時節に句切りがつくようだ。受験戦争に勝利を収め、四月からは大学生となる諸君にまずお祝いを申し上げ、そのうえで訊いてみたい、これまで諸君が……
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アフリカ砂ヘビの脳
俺はメリーランド大学カレッジパーク校に大学院生として1983年の夏から5年半ほど留学していた。最初の3年ほど、非常によく勉強した。浪人時代、代々木ゼミナール原宿校……
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あんころ餅
石川松任 懐かしの駅の立ち売り
夏の七月、土用の丑の頃、琵琶湖に近い草津の町を歩いていた私たちは、姥(うば)が餅(もち)という餅屋に立ち寄った。東海道と中山道の分岐の宿場町草津が、旅ゆく人の往来……
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20 「どうしようもなさ」の哲学――『鶴……
――1985年、私学会館での黒川創の出版祝いの場で、「あの本(梅棹批判文をふくむ私の評論集)は思想の科学社からはだせません」と鶴見俊輔さんに大声で宣告された。 そ……
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研究室での暮らし
米国メリーランド大学の大学院生の暮らしは概ね地味である。講義はきちんと履修せねばならない。1科目でもDがつくと放校処分である。実は俺は2年目の講義でDを喰らって……
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やじろとたがね
名前が語る、三重の餅文化
いつの頃からか、地方の町を旅すると地元のお菓子に目がいくようになった。それも最近お目見えの一品ではなく、さりとて名の知れた銘菓でもなく、昔から、それもいつから……
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いい親になりたい
二月上旬のとある金曜日、わが家はインフルエンザA型で一家半滅状態だった。 めったに体調を崩さない夫からメールが届き、具合が悪いので会社を早退するとあった。「悪……
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五十三 我慢だよ、我慢だよ
今年も、先生の命日が近くなった。先生が亡くなったのは、昭和五十八年(一九八三)三月一日だった。以来、毎年、祥月しょうつき命日にお墓参りをされる先生の長女、白洲……
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21 「いますぐここでお薄一服」したくて……
何年くらい前でしょうか。旬のパティスリーをいち早く紹介してくれることで定評のあるパリ、ギャラリー・ラファイエット百貨店グルメ館(Galeries Lafayette Gourmet)の……
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研究の始まりと異国の初恋
メリーランド大学附属英語学校をなんとか卒業した僕は、心理学研究科の修士の学生としてボブの研究室で研究を始めた。研究室がある動物学心理学棟の4Fには、北側に動物……
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ばっさり捨てて、しっかり暮らす
何もやらないと宣言していた年末年始、すべての正月関連行事(大掃除、おせち料理)からの撤退を宣言していた私は、2018年に築き上げた積ん読の山を少しは切り崩そうと、……
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五十二 志ん生そっくり
小林先生って、志ん生そっくりですね――。 「新潮CD」で先生の講演を聴いた人たちは、皆が皆と言っていいほどにこう言ってくる。たしかに先生の語り口は、ふだんの酒席で……
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MAIL MAGAZINE
とは
はじめまして。2021年2月1日よりウェブマガジン「考える人」の編集長をつとめることになりました、金寿煥と申します。いつもサイトにお立ち寄りいただきありがとうございます。
「考える人」との縁は、2002年の雑誌創刊まで遡ります。その前年、入社以来所属していた写真週刊誌が休刊となり、社内における進路があやふやとなっていた私は、2002年1月に部署異動を命じられ、創刊スタッフとして「考える人」の編集に携わることになりました。とはいえ、まだまだ駆け出しの入社3年目。「考える」どころか、右も左もわかりません。慌ただしく立ち働く諸先輩方の邪魔にならぬよう、ただただ気配を殺していました。
どうして自分が「考える人」なんだろう――。
手持ち無沙汰であった以上に、居心地の悪さを感じたのは、「考える人」というその“屋号”です。口はばったいというか、柄じゃないというか。どう見ても「1勝9敗」で名前負け。そんな自分にはたして何ができるというのだろうか――手を動かす前に、そんなことばかり考えていたように記憶しています。
それから19年が経ち、何の因果か編集長に就任。それなりに経験を積んだとはいえ、まだまだ「考える人」という四文字に重みを感じる自分がいます。
それだけ大きな“屋号”なのでしょう。この19年でどれだけ時代が変化しても、創刊時に標榜した「"Plain living, high thinking"(シンプルな暮らし、自分の頭で考える力)」という編集理念は色褪せないどころか、ますますその必要性を増しているように感じています。相手にとって不足なし。胸を借りるつもりで、その任にあたりたいと考えています。どうぞよろしくお願いいたします。
「考える人」編集長
金寿煥
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「考える人」から生まれた本
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