「エッセイ」一覧
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お嫁さん煎餅
京都舞鶴
地方では今もお嫁入りの際に、お祝いに訪れた親戚や近所の人たちに配る祝い菓子の風習が残っている。例えば四国香川の西讃地方では、おいりという、彩り美しい丸い玉形を……
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23 ひとりでは生きられない
多くのことがなんの予兆もなく、とつぜん生じる。しかも年をとり、からだの操縦システムが一つ、また一つと壊れてゆくにつれて、その「とつぜん」の度合いが増し、ついに……
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土砂降りの雨の朝
土砂降りの雨が降っていたので、夫を車で駅まで送り、次は息子たちを送り出さねばと急いで家に戻っているときのことだ。国道の真ん中に、大きな亀がゆっくりと歩いている……
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人生に迷ったときに背筋を伸ばすための10……
(2)政治学者・宇野重規の10冊
ふと、人生に迷うときがある。もちろん、日頃もとくに確信を持って生きているわけではない。とはいえ、目の前のことだけをなんとかしのぐだけの日々が続くと、どうしても……
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五十七 常識について
小林先生のことを聞かせてほしいという声を方々からかけてもらい、北は仙台から西は広島まで、十指に余る会場を定期的にお訪ねしているが、広島の場合は毎回、世話役のY……
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そして俺の指導教員、ボブ・ドゥーリング ……
さて、ボブのスケベ話を続けよう。ボブは年に1度、集中講義のためデンマークの大学に行っていた。以下は、ある日デンマークの同僚(ラーセン〔男性〕)とボブが夜中に急……
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平成アートベストテン
この手の企画は、とかく枕詞がつくものだが、紙幅も限られているので、すぐに始めよう。以下、10項目を挙げる。原則、時系列で。 1・新世代の美術家の登場。平成の前……
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平成建築ベストテン
建築の視点から平成の時代を振り返ると、バブル期の派手なデザインから、バブル崩壊後のミニマルなデザインへ、そして阪神・淡路大震災や東日本大震災による激烈な破壊を……
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「また来るために」で死ぬことを思い留まっ……
前回の連載では、海外に出向いた時や、海外から友人を迎えた時の時間感覚の違いについて書かせてもらった。その続編を書く予定だったが、それは次の連載で触れたいと思う……
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平成Jポップベストテン
「Jポップ」の歴史と「平成」という時代は、ほぼ重なっている。一九八八年十月一日に開局したFMラジオ局J-WAVEが、洋楽リスナー(同局は当初洋楽専門だった)の耳でも聴……
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平成クラシックベストテン
平成はポスト・モダンが徹底された時代だった。そこでは芸術を担うご立派な近代的個人が立場を失ってゆき、何もかもがキッチュに取って代わっていった。その意味での日本……
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平成演劇ベストテン
かつて246CLUBという「劇場」があった。明治神宮の表参道の入口にある駅から青山通り(国道二四六号線)沿いに、少しく東宮御所方面へと向かった右手に。平成元年の『SKI……
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平成日本映画ベストテン
平成は一九八九年から始まるのだなと確認したあと、ああ、と思い当たった。わたしは「キネマ旬報」に一九八六年秋から日本映画時評を連載しているが、第三十二回でこう書……
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秦野 その2
おかしなたび
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はじめて文章を読むときのように読みたい1……
(1)小説家・町屋良平の10冊
小説を読みたいけれど、なにを読んでいいかわからない。そう言われることが時々ある。けれど大丈夫。自分もまだなにを読んでいいのか、よくわかっていない。なにを読んで……
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24 一緒になって20年。記念ケーキを錦……
2018年の帰国時、チケットを予約した瞬間からわたしはツレに宣言していました。「今回の血糖値はすべて『オ・グルニエ・ドール』で消費するから」。 カガク的に正しい……
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ごめんね、藁科さん
私の心のなかに長い間住み続けている少女がいる。いつも静かに佇んでいる。名字は藁科(わらしな)さんで、下の名前はどうしても思い出せない。柔らかそうな美しい栗色の髪……
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そして俺の指導教員、ボブ・ドゥーリング ……
これまでメリーランド大学における俺の恩師たち(中にはハチャメチャなのもいたが)を紹介してきたわけだが、そろそろ俺の指導教員、ボブ・ドゥーリングについても紹介し……
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秦野 その1
おかしなたび
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ちょっと遅れただけで、なんであんなに謝る……
前回の寄稿、「満員電車の話をウガンダの友人にしたところ……」では、日本の満員電車を目の当たりにしたウガンダの友人が、「ウガンダだったらね、あの空間にあれだけの人……
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五十六 小林先生と「萬葉集」
平成の世から令和の世になった。新元号「令和」は、「萬葉集」の巻第五に見える「梅花の歌三十二首并(あは)せて序」のなかの「序」の一節が出典だという。 ――于時初春令……
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22 黒い海の夢
死にたくはないですよ。でも若いころとちがって、死がとくに怖いとも思わない。おなじ時代を生きてきた連中が片っ端から消えてゆく。かれらとともに私も遠からず消滅する……
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うちわ餅と箒の音
青森県弘前
うちわ餅の話をするには、初めて弘前に行ったときの話から始めねばならない。 津軽半島の付け根に位置し、北東北の要諦として発展した弘前は、古くは弘前藩の城下町で……
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君に桜を見せたい
小さな写真だけが頼りの、ほとんど何も知らない少年との細々とした手紙のやりとりが続いて一年が経った。きっかけは、生活習慣を改め、酒を辞めたことだった。それまで長……
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MAIL MAGAZINE
とは
はじめまして。2021年2月1日よりウェブマガジン「考える人」の編集長をつとめることになりました、金寿煥と申します。いつもサイトにお立ち寄りいただきありがとうございます。
「考える人」との縁は、2002年の雑誌創刊まで遡ります。その前年、入社以来所属していた写真週刊誌が休刊となり、社内における進路があやふやとなっていた私は、2002年1月に部署異動を命じられ、創刊スタッフとして「考える人」の編集に携わることになりました。とはいえ、まだまだ駆け出しの入社3年目。「考える」どころか、右も左もわかりません。慌ただしく立ち働く諸先輩方の邪魔にならぬよう、ただただ気配を殺していました。
どうして自分が「考える人」なんだろう――。
手持ち無沙汰であった以上に、居心地の悪さを感じたのは、「考える人」というその“屋号”です。口はばったいというか、柄じゃないというか。どう見ても「1勝9敗」で名前負け。そんな自分にはたして何ができるというのだろうか――手を動かす前に、そんなことばかり考えていたように記憶しています。
それから19年が経ち、何の因果か編集長に就任。それなりに経験を積んだとはいえ、まだまだ「考える人」という四文字に重みを感じる自分がいます。
それだけ大きな“屋号”なのでしょう。この19年でどれだけ時代が変化しても、創刊時に標榜した「"Plain living, high thinking"(シンプルな暮らし、自分の頭で考える力)」という編集理念は色褪せないどころか、ますますその必要性を増しているように感じています。相手にとって不足なし。胸を借りるつもりで、その任にあたりたいと考えています。どうぞよろしくお願いいたします。
「考える人」編集長
金寿煥
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「考える人」から生まれた本
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