シンプルな暮らし、自分の頭で考える力。
知の楽しみにあふれたWebマガジン。
 
 

「エッセイ」一覧

分け入っても分け入っても日本語
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  • エッセイ

「うお・さかな」

 伊集院光さんが朝のラジオで語った話です。以前、放送で「水を得たさかなのよう」と表現したら、ディレクターに「正しくは『うお』です。訂正を入れてください」と言われ……

おかぽん先生青春記
  • 思い出すこと
  • エッセイ

童貞を捨てる旅

 私のいた高校は男子校である。私の在学した1975-78年にかけて、男子校には保健室と購買部以外女性は全くいなかった。人生でいちばん発情しているときに女性から隔離され……

村井さんちの生活
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  • こころ
  • エッセイ

Read between the lin……

 すっかり冬らしくなった。夏、あれほど青くキラキラと輝いていた琵琶湖は、水を鉛色に変え、所々で白い波を立てている。対岸に見える山々の頂上には灰色の雲がどっかと居……

随筆 小林秀雄
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六 いかに生きるべきか

 小林秀雄の言葉は、それを話題にする側が、入試問題や評論文のようにでなく、自分自身の出会いの経験として話しさえすれば、電光石火で相手の胸に届き、波立てると前に書……

暮らしのサウンドスケイプ
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音の忍(しのび)

 六月のある日、夜の山でムササビを観察していたら、突然、頭上でギイーンと長く引きずるような音がした。何かがきしむような、バイオリンの弓を、音が出ない程度に弦とこ……

分け入っても分け入っても日本語
  • ことば
  • エッセイ

「ことば」

 私は文章を書くとき、漢字の「言葉」を使わず、「ことば」とひらがな書きにします。いつ頃からこの方式をとっているのか、忘れてしまいました。最初に出した本は、すでに……

安田菜津紀の写真日記
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  • 世の中のうごき
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悪魔

 テレビをつけた瞬間に、崩れ落ちるビルの映像が映し出された。何の映画の宣伝だろう。それが決して架空の画ではないと気が付くまで時間を要した。「悪魔に報復する」と、……

分け入っても分け入っても日本語
  • ことば
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「むちゃくちゃ」

「明日までに報告書を出せなんて、むちゃくちゃを言う」「むちゃくちゃな量の仕事」などと使う「むちゃくちゃ」。日常的に、ついつい使うことばです。「秩序がない」「普通……

随筆 小林秀雄
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五 最後の講演会

 この随筆を、私は私の講演経験から始めたが、小林秀雄先生は講演が嫌いだった。なぜ嫌いかについては、昭和二十四年(一九四九)十月、四十七歳の秋に出した「私の人生観……

暮らしのサウンドスケイプ
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美しい声とは

 歴史上の人物の肖像画や骨格をもとに声を復元した合成音声をいくつか聞いた。ネットで聞ける音声については出典が分からないので信憑性は度外視になるが、舌の動き加減で……

安田菜津紀の写真日記
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猫の時間

 一段と冷え込む夕暮れ時。家路をたどる時間の中で、ちょっとした楽しみがある。民家に挟まれ、ひっそりとした小さな公園で、時々見かける猫の姿だ。  少し灰色がかった……

おかぽん先生青春記
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浪人という青春 その2

 浪人とは希望に満ちた存在である。なぜなら彼はまだ何者にもなっていないのだから。という箴言くらい誰か言っていそうなものだが、誰も言っていないようである。昭和52年……

村井さんちの生活
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友と私と大統領

 1年ほど前、同じ中学、高校に通った同級生から、数十年ぶりにソーシャルネットワーキングサービスを通じて、友達申請という形で連絡があった。最初は誰だかわからなかっ……

随筆 小林秀雄
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四 微妙という事

 小林秀雄先生は、昼間はきわめて寡黙だった。お宅に参上するのは午後の三時が多かったが、その日の相談事がすんでしまうと、後はいつも静寂に領された。こちらが何かを切……

安田菜津紀の写真日記
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  • エッセイ

 僭越ながら時々、写真の審査や講評をさせて頂く機会がある。毎度痛感するのは、批判的な言葉を探す方が楽であり、褒める言葉を見出す方が困難だ、ということだ。写真だけ……

随筆 小林秀雄
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三 批評家・小林秀雄

 小林秀雄は、批評家である。明治三十五年(一九〇二)四月十一日、東京・神田に生れ、昭和四年(一九二九)九月、二十七歳の秋、「様々なる意匠」によって文壇に出、日本……

安田菜津紀の写真日記
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父の命日

 ハロウィンのメロディーが、肌寒くなりはじめた小路に漏れ聞こえる。街中がどこかカラフルで楽し気になるにつれ、暗澹とした気持ちになっていたかつての自分を思い出す。……

村井さんちの生活
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私のことなど忘れて下さい

 先日の休みに夫が突然、数年前にそう遠くない場所に出来たアウトレットモールに行きたいと言い出した。人混みが嫌い、行列が嫌いな夫が珍しいと理由を尋ねると、自転車を……

分け入っても分け入っても日本語
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「負けず嫌い」

「負けず嫌い」は「負け嫌い」の誤用ではないのか、という質問をよく受けます。たしかに不思議な言い方です。勉強するのが嫌いなことを「勉強嫌い」と言うのと同様、負ける……

地球の音
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苔にあこがれる

 苔のような生活、というのにはまっていた時期がある。日本では一九八〇年代に広がったニューエイジ的カルチャーには有益なヒントがいっぱいあった。そんななかで触れたネ……

安田菜津紀の写真日記
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阿蘇のイチゴ

 曲がりくねった迂回路を突き進み、木々のトンネルを抜けきると、目の前が突然開け、視界が一気に青一色となる。真下に広がる金色に染まり始めた田を同時に眺めながら、「……

分け入っても分け入っても日本語
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「下駄を履くまで分からない」

「勝負(事)は下駄を履くまで分からない」と言います。勝負事は最後まで何が起こるか分からず、下駄を履いて帰りかけるまで勝敗は分からない、ということです。これはいっ……

随筆 小林秀雄
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二 電光石火で波立てる

 仙台との縁は、もう十年になる。東北学院大学で、哲学の佐々木俊三先生が、新入生を対象に「学問のすすめ」と題した講座をひらかれ、その「学問のすすめ」のなかで、ゲス……

暮らしのサウンドスケイプ
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歳末、 「音のある季語」を訪ねて

 好きな季語の一つに「年用意(としようい)」がある。正月事始ともいい、十二月十三日から掃除や残務整理など、新年を迎えるための準備に入ることである。  試しに、私の……

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考える人とはとは

 はじめまして。2021年2月1日よりウェブマガジン「考える人」の編集長をつとめることになりました、金寿煥と申します。いつもサイトにお立ち寄りいただきありがとうございます。
「考える人」との縁は、2002年の雑誌創刊まで遡ります。その前年、入社以来所属していた写真週刊誌が休刊となり、社内における進路があやふやとなっていた私は、2002年1月に部署異動を命じられ、創刊スタッフとして「考える人」の編集に携わることになりました。とはいえ、まだまだ駆け出しの入社3年目。「考える」どころか、右も左もわかりません。慌ただしく立ち働く諸先輩方の邪魔にならぬよう、ただただ気配を殺していました。
どうして自分が「考える人」なんだろう―。
手持ち無沙汰であった以上に、居心地の悪さを感じたのは、「考える人」というその“屋号”です。口はばったいというか、柄じゃないというか。どう見ても「1勝9敗」で名前負け。そんな自分にはたして何ができるというのだろうか―手を動かす前に、そんなことばかり考えていたように記憶しています。
それから19年が経ち、何の因果か編集長に就任。それなりに経験を積んだとはいえ、まだまだ「考える人」という四文字に重みを感じる自分がいます。
それだけ大きな“屋号”なのでしょう。この19年でどれだけ時代が変化しても、創刊時に標榜した「"Plain living, high thinking"(シンプルな暮らし、自分の頭で考える力)」という編集理念は色褪せないどころか、ますますその必要性を増しているように感じています。相手にとって不足なし。胸を借りるつもりで、その任にあたりたいと考えています。どうぞよろしくお願いいたします。

「考える人」編集長
金寿煥


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