2019年開始連載を総まとめ
著者: 考える人編集部
2019年に始まった新連載を、担当編集者があらためてご紹介します。お気に入りの連載は見つかりましたか?
『マリー・アントワネットの日記 Rose/Bleu』で、悪名高い王妃を共感度200%の等身大の女性として描き出し、評判を呼んだ吉川トリコさん。こちらの連載では、不妊治療中のご自身の生活や、世間で騒がれる表現を巡る問題、家族にまつわる思い出など、その時々の風景について自由にお書きいただきます。特に、なかなか語られることのない不妊治療のリアルは、当事者でないと知り得ないことばかりで目を開かされること間違いなし。ぜひご注目下さい。
累計100万部突破の大人気コミック『山と食欲と私』から生まれた、主人公・日々野鮎美視点の登山ガイド連載。美味しい食材をリュックにつめて、今日も一人山を登る「単独登山女子」の鮎美が、登山初心者の方におすすめしたい山を実際に歩き、写真と文章で紹介します。原作者・信濃川日出雄さんの描き下ろし巻頭イラストもお楽しみに。再編集の上、2020年中にはガイドブックとして刊行予定です。
各界で活躍する方々に、それぞれのテーマに沿っておすすめの本を紹介していただく企画。開始直後から、掲載のたびに大きな反響を呼ぶ人気コーナーになりました。町屋良平さん、宇野重規さん、名久井直子さん、鴻巣友季子さん、與那覇潤さん、近藤雄生さん、斎藤環さん、宮下奈都さんが教えてくださった特別な本。あなたにも気に入っていただける本が、きっと見つかるはずです。選者のみなさんが設定した個性的な選書テーマも注目です。
いつの頃からか身のまわりのものが「雑貨」と呼ばれ、持て囃されるようになったと思いませんか? その波は本の世界にも押し寄せ、多くの書店で雑貨を取り扱うようになっています。本連載は東京の西荻で雑貨店、FALLを営む三品輝起さんが自身の体験を交え、「雑貨化」を考察する随想です。マガジンハウスの雑誌が牽引してきた雑貨の歴史を解き明かし、無印良品、東京ディズニーランドなど「これも雑貨だったのか?」と驚きの分析があります。また「(村上春樹さんには)高度な雑貨感覚がそなわっている」など斬新な批評もあり、あなたの身辺を侵食するモノの見方が変わります。
稚内の串ドーナツ、弘前のうちわ餅、小諸の揚げまんじゅう、松戸の缶入りクッキー、八丈島の牛乳煎餅、奈良のぶと饅頭、島原の寒ざらし……。山を越え、野を越え、川を越え、日本全国各地に息づく「地元菓子」を編集者の若菜晃子さんがたずねあるくエッセイ。連載もはや20回近く、気づけば「お菓子の文化誌」の様相を呈してきました。お菓子の向こうに垣間見える、人々の連綿たる営みにじんわりと心が温まり、その独自の観察眼とユーモアあふれる語り口に旅心が満たされること請け合いです。
バッハ、ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェン、ショパン、チャイコフスキー……偉大な作曲家たちは、つねに社会体制(regime)の変化を敏感に感じ取り、その表現様式を大胆に変革させてきました。近代社会の2大原理、すなわち「民主化」と「市場経済化」は、人々の価値観にどのような影響を与え、芸術をどのように変えてきたのでしょうか。クラシック音楽をウェブ上で視聴しながら、社会と芸術の奥深い関係を学べる異色の連載です。
『穴』で芥川賞を受賞、現在デビュー作『工場』がアメリカで翻訳され話題になっている、作家・小山田浩子さんの食についての連載エッセイが今年頭からスタートしました。仕事がひと段落ついたあと、外でランチをする小山田さんが、周りの客の声に耳をすましながら、一人で食事をするシーンをユーモラスに描きます。リアルなのに、うっすら不思議な空気の漂う筆致は小山田さんにしか書けない世界で癖になります。いわば小山田版「孤独のグルメ」といった趣き。担当編集者としては、かつて家族で訪れてあまり好ましくない思い出が残ったラーメン屋をわざわざ再訪する「2度目のラーメン」が好きです。第13回「ブライアントパークでピタサンド」には、『工場』英訳のプロモーションで11月に訪米したときの話が書かれています。
2019年の対談・インタビュー一覧
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考える人編集部
2002年7月創刊。“シンプルな暮らし、自分の頭で考える力”をモットーに、知の楽しみにあふれたコンテンツをお届けします。
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とは
はじめまして。2026年7月1日よりウェブマガジン「考える人」の編集長をつとめることになりました、松本太郎と申します。いつもサイトにお立ち寄りいただき、ありがとうございます。
2002年7月4日、季刊誌「考える人」が創刊されました。
目次には当代随一の執筆陣がずらりと並び、B5判240ページの誌面の隅々から知の香りが立ちのぼってくるかのようでした。
当時、入社3か月の営業部員だった私は、見上げるような思いで手に取り、発売日には編集長の松家仁之さんと創刊のご挨拶のために書店にうかがいました。
まだ書店訪問にも慣れておらず、編集長ともほぼ初対面の中、次のお店の約束の時間に間に合うだろうかと時計ばかりが気になって、終始、そわそわしていました。そんな私に松家さんがやわらかな笑顔で接してくれたこと、そして、新雑誌の門出を祝うようなすっきりと晴れた一日だったことを覚えています。
あれから四半世紀が過ぎ、ウェブマガジンとして衣替えした今でも、創刊時に掲げられた「Plain living, high thinking(シンプルな暮らし、自分の頭で考える力)」という言葉は古びていません。AIに尋ねれば瞬時に答えが返ってくる時代だからこそ、それらしい言葉に飛びつくのではなく、自分の頭で考え、心の声に耳を澄ませることの大切さは増しているように感じます。
創刊号には、養老孟司さんのロングインタビューが掲載されています。養老さんはその中で、恩師である中井準之助先生の口癖だった「人の心がわかる心を教養という」という言葉を紹介しています。
読んだ瞬間に立ち止まり、さまざまな思いが湧き上がってくるような文章に、楽しみながら出会える場であり続けたいと思っています。
「考える人」編集長
松本太郎
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