「こころ」一覧
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村井はもう詰んでいる
連日、やることが多すぎて、人生が辛くなってきた。仕事だけならまだいいけれど、18歳の双子の息子たちにはまだまだ気が抜けないし、なんといっても義理の両親の問題が山……
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14. 「当たり前」を疑う――ケーキの話……
雑談の仕事をしている中で、「自分がこれをできるのは、当たり前ではなくて、単に得意だからなのだな」とわかることがある。 たとえば、優先順位をつけること。わたし……
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第13夜 フラれても好きな店
雨模様なのだった。 駅から遠いところにあるのがロビンソン酒場である。歩くだけでも相当の距離である。そのうえ雨。ふだん酒場で軟骨の揚げ物なんてたくさん摂取して……
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三、修行をなめるな!――「厳しさ中毒」と……
今もそうかどうかは知らないが、「禅」とか「修行」とか言うと、それなりの年齢の日本人には何か響くものがあるような気がする。そしてそれは、ご多分に漏れず、世上に流……
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大きな声では言えない、介護費用の話
大きな声では言えないが、地味に私を追いつめつつある問題がある。ずばり、どんどん高額になってきた介護費用だ。 わが家のケースは、なかなか複雑だ。まず、義母の認……
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二、悩み方がわからない若者たち
コロナ禍では中止にしていたが、それ以前より私は希望者との面会を続けていた。 面会場所は、私の都合で恐山か東京、福井にある私の寺に限られるが、希望者は圧倒的に……
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デイサービスは旅館じゃない
年末が近づき、マライア・キャリーの歌声も聞こえだしたことで、私はかなり焦っている。連日、自分の仕事以外の雑事が多すぎて、翻訳作業が一向に進まない。私はなぜ、こ……
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一、仕方がないんだ、人生は
今年、出家してから40年になった。自分の誕生日さえ忘れることがある人間なので、先だって昔の修行僧仲間からそう言われ、仰天してしまった。 私の得度は1984年の1……
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12.自分を知ると、誰かのことを知りたく……
聞いてもらえなかった経験 先日、雑談の中である人がこんな話をしてくれた。 「ずっと自分の考えや思っていることを話すのが苦手だったんです。サクちゃんとの雑談の場……
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受賞のことばと選評
第二十三回小林秀雄賞
受賞作品 『夢を叶えるために脳はある 「私という現象」、高校生と脳を語り尽くす』(2024年3月 講談社) 受賞のことば 小説を書きたしと思えども、あまりに難し――。せめ……
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11. 「ちゃんと聞く」とは――いかに聞……
「聞く」はとてもむずかしい 「人の話を聞くことができていますか」と問われて、「できている」と自信をもって答えられる人はどのくらいいるだろうか。それだけ「話を聞く……
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みごとな連携プレー
先日のことだ。最近、仕事が忙しい私は朝6時に起きて翻訳作業をしているのだが、その作業が波に乗り始めた9時頃、ケータイが鳴った。ケアマネさんからだった。ピンときた……
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まさかの同居計画
義父母の介護、ここのところシビアな展開だ。 まず、介護スケジュールが変更された。義母は平日はすべてデイサービスに通うことになった。今までデイサービスでは、昼……
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第23回(2024年度)小林秀雄賞 受賞……
2024年8月29日午後、一般財団法人 新潮文芸振興会と新潮社の主催による「小林秀雄賞」「新潮ドキュメント賞」選考会がオークラ東京にて行なわれ、受賞作品が決定しました……
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10.ネガティブをひっくり返す――使える……
わたしは、若い頃から環境や困難に対応し続けてきたら、耐える力や我慢するクセがついてしまったという自覚がある。雑談の仕事をしていると、同じように自分の意思や望み……
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第12夜 お大師さまの街の手練酒場
今回目指したのは川崎大師の近くにある、にぎやかな居酒屋である。ただ、行ってみたらなんだか違和感がある。なぜだろう…… その日は川崎駅で待ち合わせた。 川崎駅と……
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「介護」について書けること、書けないこと
7月上旬、私は新刊『義父母の介護』のプロモーションのため、新潮社の会議室で複数の媒体からインタビューを受けていた。 早朝、京都から東京まで移動するため新幹線に……
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9.「自分だけうまくいかない」のはなぜか……
子どもの頃から「将来の夢」や「やりたいこと」を訊かれると困った。どう考えてもわからないからだ。それで、数年前、「やりたいこと」がある人とない人は何がちがうのだ……
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プロローグ――それは瓶ビールから始まった
義父母と私 私は琵琶湖畔に住む、翻訳家でエッセイストだ。夫、高校生の双子の息子と一緒に、田舎町で、平凡だけど慌ただしい日常を送っている。 翻訳家という仕事は繁……
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認知症を少しでも避けたいのなら
二回目のショートステイに義父と義母を送り出しただけで、どっと疲れてしまった私と夫は、自宅リビングでコーヒーを飲みつつ、話し込んでいた。 「いやあ、それにしても……
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8.「自分」を多面的にみる――わたしの中……
雑談をしに来てくれた人に「普段、誰かに自分の話をすることはありますか?」と訊ねると、「ほとんどないですね」という方が少なからずいる。「どうせ話してもわかっても……
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義母、はじめてのショートステイに挑戦
愛犬ハリーが亡くなり、もう何もかも投げ出して寝ていたいと思う日々なのだが、後期高齢者介護は私を待ってはくれない。ほぼ連日、ヘルパーステーションから、デイサービ……
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田瀬理夫に聞く、良いデザインとは? 後編
(前編はこちら) ビーバー的建築、ビーバー的デザイン 堀部 最近ビーバーがマイブームなんです。 田瀬 え、ビーバー? 堀部 ビーバーって川に巣をつくるんですけれど、……
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田瀬理夫に聞く、良いデザインとは? 前編
現代は〈デザインされたもの〉で溢れています。日用品や衣食住に関わるもの、街、旅、教育さえも商品化され、その商品の広報のためにもデザインが不可欠となっています。……
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MAIL MAGAZINE
とは
はじめまして。2021年2月1日よりウェブマガジン「考える人」の編集長をつとめることになりました、金寿煥と申します。いつもサイトにお立ち寄りいただきありがとうございます。
「考える人」との縁は、2002年の雑誌創刊まで遡ります。その前年、入社以来所属していた写真週刊誌が休刊となり、社内における進路があやふやとなっていた私は、2002年1月に部署異動を命じられ、創刊スタッフとして「考える人」の編集に携わることになりました。とはいえ、まだまだ駆け出しの入社3年目。「考える」どころか、右も左もわかりません。慌ただしく立ち働く諸先輩方の邪魔にならぬよう、ただただ気配を殺していました。
どうして自分が「考える人」なんだろう――。
手持ち無沙汰であった以上に、居心地の悪さを感じたのは、「考える人」というその“屋号”です。口はばったいというか、柄じゃないというか。どう見ても「1勝9敗」で名前負け。そんな自分にはたして何ができるというのだろうか――手を動かす前に、そんなことばかり考えていたように記憶しています。
それから19年が経ち、何の因果か編集長に就任。それなりに経験を積んだとはいえ、まだまだ「考える人」という四文字に重みを感じる自分がいます。
それだけ大きな“屋号”なのでしょう。この19年でどれだけ時代が変化しても、創刊時に標榜した「"Plain living, high thinking"(シンプルな暮らし、自分の頭で考える力)」という編集理念は色褪せないどころか、ますますその必要性を増しているように感じています。相手にとって不足なし。胸を借りるつもりで、その任にあたりたいと考えています。どうぞよろしくお願いいたします。
「考える人」編集長
金寿煥
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「考える人」から生まれた本
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