「たべる」一覧
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第20回 料理の極意(11月16日筆)
北大路魯山人は料理ができたのだろうか。 大正から昭和にかけての時代、赤坂の料亭、星岡茶寮のお料理やサービスを、魯山人は監修、指導していた。食通の財界人、文化……
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第13夜 フラれても好きな店
雨模様なのだった。 駅から遠いところにあるのがロビンソン酒場である。歩くだけでも相当の距離である。そのうえ雨。ふだん酒場で軟骨の揚げ物なんてたくさん摂取して……
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第19回 料理は構想と実行が分離しない(……
学問と生活が乖離している。栄養士や管理栄養士の免許をもっていても、料理をしたことがなければ、調理者を指導し、食の教育を子どもにするのは無理だろう。 今は建築……
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第18回 鰯(11月2日筆)
鰯(いわし)を塩焼きにして大根おろしで食べる。鰯の腸(はらわた)は何度か食べてみたが、頭を落として腹を切り、内臓を除いた方が食べやすい。よく焼いた丸干しは腸もろと……
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第17回 自然と東アジアの孤島の人々(1……
私たちは、大自然を中心に物事を考えてきた。自然は私たちに豊かな恵みを与えてくれると信じ、疑うことがなかった。この自然の豊かな列島は、ホットスポットといわれるほ……
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第16回 味見(10月19日筆)
「おぜんざい」は、小豆が柔らかく煮えたら、砂糖で吸い加減(すいかげん)に整える。小皿に小豆の茹で汁をとり、味見する。「吸い加減」とは、飲んでちょうどいいなと思……
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第15回 新小豆(10月12日筆)
北海道、美瑛のマーケットで新小豆を見つけた。関西よりひと月くらい早いだろうか。新物だとすぐにわかるのは、ピカピカに光ってきれいだから。求めてすぐ煮た。 朝ご……
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第14回 ご飯をおいしく(10月5日筆)
新米だ。山間の田圃は水が冷たくて収量が少ないがいい米がとれる。そんなお米をいただいた。こういう特別なお米を炊くときは、夕食でも、主役になるおかずを作らない。ご……
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『源氏物語』にも登場、11月の行事菓子「……
大河ドラマ「光る君へ」をきっかけに、『源氏物語』はもちろん、平安時代の暮らしに興味をもつ方が増えているのではないでしょうか? 虎屋文庫で注目するのは、もち……
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第11回 アクの正体(9月14日筆)
「秋茄子は嫁に食わすな」と言う。その意味は、アクが強くなった秋茄子が、初産前の嫁の体に障らぬようにと思いやる親心だ、などという。強いアクで種子をガードして、微……
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第10回 味噌汁にトーストという大問題(……
味噌汁にパンを入れるなんて⁉︎ 西洋料理ならポタージュスープにクルトンを浮かべることで、和食なら汁に麩を浮かべることだから、なんの違和感も私にはない。だ……
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第9回 夏のかぼちゃ(8月31日筆)
今、全国で出回っているつるりとした早生のえびすかぼちゃは、甘いパイにもなる西洋種のかぼちゃだ。「どてかぼちゃ」「おたんこなす」「だいこんあし」などと野菜が悪口……
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第8回 フライパン運動(8月24日筆)
茄子を箸でつまめるほどの大きさに切って、油で炒め、味噌を炒り付け、砂糖で味噌の辛味を抑える。仕上げに紫蘇、あるいは蓼(たで)の葉をたっぷり入れて馴染ませる油味噌……
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第7回 精進あげ(8月17日筆)
お盆は、ご先祖さまが家に戻ってくる日。親族が集まり会食し時間を過ごすことが供養になる。会食の献立は、肉魚といった生臭ものを避け、かつ、暑い夏に安心して食べられ……
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第6回 ゴーヤーチャンプルー(8月11日……
沖縄の郷土料理、チャンプルーとは、ただ数種の具材の炒めものではない。チャンプルーとは「お豆腐の入った」炒め物だ。ご飯、そうめんなどでんぷん質をシンプルに炒めた……
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第5回 夏の楽しみ(7月27日筆)
夏は水のもの。 茄子、胡瓜、トマト、スイカ、ゴーヤー、菊かぼちゃ、そうめん、冷奴。 夏は辛み。 生姜、茗荷、紫蘇、胡椒、にんにく、夏大根。 夏の彩り。 ……
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第4回 ぬか漬けの盛り付け(7月20日筆……
ぬか床に手を入れ、胡瓜と茄子、茗荷を取り出し、ぬかを落として、水で洗う。ままの野菜であるよりも、ぐっと深く、しっとりと匂うような、胡瓜の緑と茄子の紺。つど、き……
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第3回 ぬか床の手入れ(7月13日筆)
夏の間、毎日食べるものといえば、ぬか漬けだ。炊き立ての白いご飯があれば、これだけで十分に満足する。飽きないのは自然物(しぜんぶつ)だから。ぬか床の微生物が造るお……
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第2回 冷やしそうめん(7月6日筆)
そうめんは「ハレ」の日の食べ物だ。ジメジメした日本の暑い夏にあってこれほど喉越しのよいものはなかった。蕎麦は「ケ」の素朴、そうめんやうどんはハレの洗練という立……
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第1回 料理は基準
こんがりと焼いた茄子に、湯むきしたトマト。これが冷蔵庫に冷えていると思うだけで早く家に帰りたくなる。「焼きなす」「冷やしトマト」は夏のご褒美だ。私たちの日常の……
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第12夜 お大師さまの街の手練酒場
今回目指したのは川崎大師の近くにある、にぎやかな居酒屋である。ただ、行ってみたらなんだか違和感がある。なぜだろう…… その日は川崎駅で待ち合わせた。 川崎駅と……
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第29回 愛と屈折のコロッケ
コロッケの屈折 「コロッケ」という食べものは複雑だ。いつも美味しいのだが、食べるたびに少しだけ気まずくなる。 コロッケほど誤解されている食べものもないだろう。……
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第28回 「淡さ」論――「味巧者」への道
「淡さ」というセンス・オブ・ワンダー 「日本人っぽさ」について、「食」の観点から考えてみたい。かなり抽象的な話になると思うが、決してナショナリスティックに「日本……
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第27回 素晴らしき哉、メニュー!
あり得たかもしれない「注文」 食堂で注文をする。今回は親子丼にした。実は前の日から生姜焼きを食べたかったのだが、嫌な予感がしたので親子丼に変えてみたのだ。 油……
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とは
はじめまして。2021年2月1日よりウェブマガジン「考える人」の編集長をつとめることになりました、金寿煥と申します。いつもサイトにお立ち寄りいただきありがとうございます。
「考える人」との縁は、2002年の雑誌創刊まで遡ります。その前年、入社以来所属していた写真週刊誌が休刊となり、社内における進路があやふやとなっていた私は、2002年1月に部署異動を命じられ、創刊スタッフとして「考える人」の編集に携わることになりました。とはいえ、まだまだ駆け出しの入社3年目。「考える」どころか、右も左もわかりません。慌ただしく立ち働く諸先輩方の邪魔にならぬよう、ただただ気配を殺していました。
どうして自分が「考える人」なんだろう――。
手持ち無沙汰であった以上に、居心地の悪さを感じたのは、「考える人」というその“屋号”です。口はばったいというか、柄じゃないというか。どう見ても「1勝9敗」で名前負け。そんな自分にはたして何ができるというのだろうか――手を動かす前に、そんなことばかり考えていたように記憶しています。
それから19年が経ち、何の因果か編集長に就任。それなりに経験を積んだとはいえ、まだまだ「考える人」という四文字に重みを感じる自分がいます。
それだけ大きな“屋号”なのでしょう。この19年でどれだけ時代が変化しても、創刊時に標榜した「"Plain living, high thinking"(シンプルな暮らし、自分の頭で考える力)」という編集理念は色褪せないどころか、ますますその必要性を増しているように感じています。相手にとって不足なし。胸を借りるつもりで、その任にあたりたいと考えています。どうぞよろしくお願いいたします。
「考える人」編集長
金寿煥
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