「御つくりおき――京都のひととモノとのつきあいかた――」一覧
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25 丹波の作陶家、前野直史くんにスリップウェアの八寸皿……
ツレがめでたく年金を総額受給され、すべての老人福祉サービスを受けられる65歳を迎えました。ちょっとお祝いしたい気分ではありましたが、もうパーティという歳でもない……
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24 一緒になって20年。記念ケーキを錦「オ・グルニエ・……
2018年の帰国時、チケットを予約した瞬間からわたしはツレに宣言していました。「今回の血糖値はすべて『オ・グルニエ・ドール』で消費するから」。 カガク的に正しい……
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23 紫野の一閑張「夢一人」で120年前の籐の帽子ケース……
「茶匣(ばこ)組みましょうよ。茶匣。おもろいですよ」 悪魔のような囁きを吹き込んだのは、わたしが京都で根城にしている骨董「大吉」の若主人、理(おさむ)くん。茶〝道……
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22 帽子、鞄、靴。ブランドでは手に入らない+αを求め京……
ハゲにとって帽子は髪です。ただのハゲ隠しではありません。個人的にはいい歳してレゴの人形みたいにみっちり頭髪が生えている人よりもハゲてるほうが断然かっこいいよな……
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番外編 ドナウ川が青く見えるのは恋をしている人だけ
橋本治の本を買った店をすべて記憶している。――ことに気がついて驚いた。正直もの覚えの悪い人間で、ほかの作家、たとえば同じくらい大きな影響を受けた中井英夫について……
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21 「いますぐここでお薄一服」したくて河原町五条の「開……
何年くらい前でしょうか。旬のパティスリーをいち早く紹介してくれることで定評のあるパリ、ギャラリー・ラファイエット百貨店グルメ館(Galeries Lafayette Gourmet)の……
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20 河原町五条の茶筒司「開化堂」で掛け花を注文。御つく……
大好きな言葉に【用の美】があります。思想家の柳宗悦やなぎむねよしが提唱した民藝運動のなかから誕生した理念ですね。陶芸や染織の世界の専売特許という印象もあるかも……
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19 ご縁は金継ぎ。西陣の骨董店「画餠洞」で無理を繋いで……
わたしのお正月準備は10月に始まります。 その年の気候によって前後しますが、イタリア産クラスAグレード(上等のマロングラッセになるやつ)の栗が地元の八百屋に出回……
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18 寺町三条の「ヤマモト」で、絵に服を着せるような額装……
英国人はアートが好きです。正確にはアートとの距離感が近いというべきかもしれません。イギリスの人にとってそれは高尚な趣味でも金持ちの道楽でもなく純粋な娯楽である……
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17 人生の折り返しにきて、京縄手「たる源」でおひつを注……
羽釜や土鍋で炊かれた旨いごはんが京都を席巻中――という話を書きました。もちろん嘘ではありません。ただ、毎日の生活レベルでたくさんの人たちがそういう特別なごはんを……
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16 銀閣寺道「草喰なかひがし」の大将が「一志郎窯」の羽……
わたしはあまり京都の店に詳しくありません。食の本を書いたりしているので、さぞや博覧強記でしょうと期待されるのですが、どちらかというと惚れた店に憑くタイプ。いわ……
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15 大原の「Re:planter」村瀬貴昭さんに神様の……
英語では園芸上手を称して「緑の指グリーンフィンガー」を持っているといいます。とにもかくにも庭と植物が大好きな彼らにとって、これは相当に尊敬される才能。そこへい……
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14 荒神口「MORIKAGE SHIRT」で定年後ライ……
シャツを作ってやろう。と、決めました。 うちは記念日とかお祝い事には疎い家で、クリスマスや誕生日ですらあらためてギフト交換をすることはありません。美味しいも……
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13 二条城前「SONGBIRD DESIGN」で余生を……
ロンドンの我が家にある最も高価な調度は皮張りのソファでも御年150歳のダイニングテーブルでもなく、毎日座って仕事をしているドイツ製の椅子です。アート作品のなかに……
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12 茶心あれば水心。三室戸「利招園茶舗」にテムズの水を……
あまり目鼻立ちの整った美形には興味がありません。スタイルもよくなくていい。モデル体型とかむしろ苦手。ひさうちみちお画伯曰く「表情のあるからだつき」が好きです。……
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11 40年来のお付き合い。知恩院前「一澤信三郎帆布」で……
改めて指折り数えてみると、なんだか怖くなる。たぶん「一澤帆布」さんは、わたしが一番長くお付き合いさせてもらっている京都のお店です。いまは〝いろいろ〟あった末に……
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10 三十三間堂西筋「WESTSIDE33」で命の水が溜……
ときどきTVでラグビーを観ます。ザッピング中にたまたまやっててほかに観るものがなければ程度の興味ですが。というか正確にはラグビーを観るのではなくラグビー選手を……
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09 「残りものの福」に導かれ宇治の茶陶「朝日焼」で京と……
毎年、年末になるとたくさんの友人が「暮れの元気なご挨拶」を日本から送ってくださいます。そのなかの何人かはいつも箱の中に和菓子を同梱してくださる。それらはとりわ……
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08 京の味をロンドンでも再現したくて、北野の「長文屋」……
日本には節目節目に決まったものを食べる習慣がたくさんあります。お節の数々に始まり、1月7日の七草粥、鏡開きのおぜんざい、端午の節句の粽(ちまき)や柏餅、土用の……
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07 視力そのものでもあるような快適な眼鏡を、新京極の「……
「御つくりおき」というとハードルが高そうなイメージがあります。けれど普段あまり意識していないだけで結構たくさんの人が実は職人さんのお世話になっているものです。京……
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06 ありそうでなかった台所道具を、高台寺 一念坂「金網……
「縁は異なもの味なもの」とか申しますが、いまはまるで一緒に暮らす仲間のような我が家の道具たちとの出会いも様々です。散歩の途中にたまたま通りかかって手作りの茶筒な……
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05 コロンビアロード花市場で花結い師TAKAYAくんに……
うちの実家は西陣の髪結いでした。けれど紺屋の白袴(しろばかま)と申しましょうか、わたしは髪を染めたこともパーマをかけたこともありません。それどころか凝った髪型……
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04 死ぬまで使うお茶碗を清滝「テラ」の個展で向坂典子さ……
お茶碗を買い替えました。この連載の1回目で書いたようにツレのものは少々口を欠いていたけれど、なんの不都合があったわけではありません。まるでテーブルに置かれた文……
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とは
はじめまして。2021年2月1日よりウェブマガジン「考える人」の編集長をつとめることになりました、金寿煥と申します。いつもサイトにお立ち寄りいただきありがとうございます。
「考える人」との縁は、2002年の雑誌創刊まで遡ります。その前年、入社以来所属していた写真週刊誌が休刊となり、社内における進路があやふやとなっていた私は、2002年1月に部署異動を命じられ、創刊スタッフとして「考える人」の編集に携わることになりました。とはいえ、まだまだ駆け出しの入社3年目。「考える」どころか、右も左もわかりません。慌ただしく立ち働く諸先輩方の邪魔にならぬよう、ただただ気配を殺していました。
どうして自分が「考える人」なんだろう――。
手持ち無沙汰であった以上に、居心地の悪さを感じたのは、「考える人」というその“屋号”です。口はばったいというか、柄じゃないというか。どう見ても「1勝9敗」で名前負け。そんな自分にはたして何ができるというのだろうか――手を動かす前に、そんなことばかり考えていたように記憶しています。
それから19年が経ち、何の因果か編集長に就任。それなりに経験を積んだとはいえ、まだまだ「考える人」という四文字に重みを感じる自分がいます。
それだけ大きな“屋号”なのでしょう。この19年でどれだけ時代が変化しても、創刊時に標榜した「"Plain living, high thinking"(シンプルな暮らし、自分の頭で考える力)」という編集理念は色褪せないどころか、ますますその必要性を増しているように感じています。相手にとって不足なし。胸を借りるつもりで、その任にあたりたいと考えています。どうぞよろしくお願いいたします。
「考える人」編集長
金寿煥
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