「料理」一覧
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第9回 夏のかぼちゃ(8月31日筆)
今、全国で出回っているつるりとした早生のえびすかぼちゃは、甘いパイにもなる西洋種のかぼちゃだ。「どてかぼちゃ」「おたんこなす」「だいこんあし」などと野菜が悪口……
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第8回 フライパン運動(8月24日筆)
茄子を箸でつまめるほどの大きさに切って、油で炒め、味噌を炒り付け、砂糖で味噌の辛味を抑える。仕上げに紫蘇、あるいは蓼(たで)の葉をたっぷり入れて馴染ませる油味噌……
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第7回 精進あげ(8月17日筆)
お盆は、ご先祖さまが家に戻ってくる日。親族が集まり会食し時間を過ごすことが供養になる。会食の献立は、肉魚といった生臭ものを避け、かつ、暑い夏に安心して食べられ……
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第6回 ゴーヤーチャンプルー(8月11日……
沖縄の郷土料理、チャンプルーとは、ただ数種の具材の炒めものではない。チャンプルーとは「お豆腐の入った」炒め物だ。ご飯、そうめんなどでんぷん質をシンプルに炒めた……
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第5回 夏の楽しみ(7月27日筆)
夏は水のもの。 茄子、胡瓜、トマト、スイカ、ゴーヤー、菊かぼちゃ、そうめん、冷奴。 夏は辛み。 生姜、茗荷、紫蘇、胡椒、にんにく、夏大根。 夏の彩り。 ……
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第4回 ぬか漬けの盛り付け(7月20日筆……
ぬか床に手を入れ、胡瓜と茄子、茗荷を取り出し、ぬかを落として、水で洗う。ままの野菜であるよりも、ぐっと深く、しっとりと匂うような、胡瓜の緑と茄子の紺。つど、き……
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第3回 ぬか床の手入れ(7月13日筆)
夏の間、毎日食べるものといえば、ぬか漬けだ。炊き立ての白いご飯があれば、これだけで十分に満足する。飽きないのは自然物(しぜんぶつ)だから。ぬか床の微生物が造るお……
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第2回 冷やしそうめん(7月6日筆)
そうめんは「ハレ」の日の食べ物だ。ジメジメした日本の暑い夏にあってこれほど喉越しのよいものはなかった。蕎麦は「ケ」の素朴、そうめんやうどんはハレの洗練という立……
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第1回 料理は基準
こんがりと焼いた茄子に、湯むきしたトマト。これが冷蔵庫に冷えていると思うだけで早く家に帰りたくなる。「焼きなす」「冷やしトマト」は夏のご褒美だ。私たちの日常の……
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第29回 愛と屈折のコロッケ
コロッケの屈折 「コロッケ」という食べものは複雑だ。いつも美味しいのだが、食べるたびに少しだけ気まずくなる。 コロッケほど誤解されている食べものもないだろう。……
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第28回 「淡さ」論――「味巧者」への道
「淡さ」というセンス・オブ・ワンダー 「日本人っぽさ」について、「食」の観点から考えてみたい。かなり抽象的な話になると思うが、決してナショナリスティックに「日本……
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第27回 素晴らしき哉、メニュー!
あり得たかもしれない「注文」 食堂で注文をする。今回は親子丼にした。実は前の日から生姜焼きを食べたかったのだが、嫌な予感がしたので親子丼に変えてみたのだ。 油……
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第26回 志村けんの水割り――酒とコント……
ただ「酔っ払いたい」だけ なぜ酒を飲むのか――。 そんな本質的なことを考えないまま、日頃から私は酒を飲んでいる。問いの答えは、強いて言えば「酔っ払いたいから」……
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第25回 パンと親父と満腹社会
朝の親父の絵ヅラ 実のところパンが好きではなかった。 現に今も好きではない。というか、パンのことが“頭にない”と言うほうがしっくりくる。普通「好き」ならば、何か……
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第24回 私のモスバーガー物語――土俗の……
帰郷してすぐに副店長 モスバーガーで働いていたことがある。 今から30年前のことだ。 前回に引き続き、「自分の料理遍歴」のようなものを書こうとしている。ファス……
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歓喜の魚――ほんの少し買い、たくさん作り……
登場人物たち 私 キャスリーン・フリン。本書の著者。 サブラ(23歳) マーガリン大好き。マクドナルドが実の母との思い出の味。子宮がん検診で引っかかり、野菜を食べな……
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第23回 歌舞伎町のつくね煮――土俗の料……
我、いかにして料理を始めたのか 編集者から「マキタさんはいつから料理をするようになったのですか?」と訊かれたので考えてみた。 プロの料理人でもない私がそのよう……
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第22回 義母が作る奇跡のお雑煮
料理と文脈 食べ物にも「文脈」がある。言わば、その料理が生まれた背景だ。元来、それはその土地の形状や土壌、また、気候だったりもするのだろう。そこで育まれた何か……
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第21回 50代からの焼肉革命
年相応の焼肉を 焼肉は無知なぐらいがちょうどいい――。 いきなり格言めいた始まりで恐縮だが聞いて欲しい。これは、別に馬鹿にした物言いでもなんでもなく、むしろ、憧……
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思い出のアップルパイ
ヤマザキマリ『貧乏ピッツァ』 2023/11/17 公式HPはこちら。 シングルマザーを支えた「暮しの手帖」 湘南の裕福な家に生まれ、通っていた地元のミッションスクールには、……
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第20回 分けて食べるか、混ぜて食べるか……
その無分別で非秩序なるもの 牛丼、カツ丼、親子丼、天丼……私はこれらご飯と具材とがコンバインされた「丼もの」が大好きだ。あゝ、胸に高鳴る鼓動。「丼もの」のことを……
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後編 「汁」をめぐる冒険
「10分どん兵衛」vs.「10分満水どん兵衛」 稲田 マキタさんと言えば、忘れてはいけないのが「10分どん兵衛」ですね。話題になってすぐに僕も真似をしました。 マキタ 経……
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前編 料理と文章のダブルスープ
美味しい「食文一致」 稲田 ずっとお会いしたいと思っていたのですが、本日ようやく念願が叶いました。 マキタ それはこちらのセリフですよ。稲田さんのことは、いわば「……
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第19回 餃子、その完全なるもの
「包むもの」と「包まれるもの」の神秘 餃子の季節である。というか、一年を通して、ずーっと餃子の季節だと私は思っている。 「令和」の改元の際には、私の実力……
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とは
はじめまして。2021年2月1日よりウェブマガジン「考える人」の編集長をつとめることになりました、金寿煥と申します。いつもサイトにお立ち寄りいただきありがとうございます。
「考える人」との縁は、2002年の雑誌創刊まで遡ります。その前年、入社以来所属していた写真週刊誌が休刊となり、社内における進路があやふやとなっていた私は、2002年1月に部署異動を命じられ、創刊スタッフとして「考える人」の編集に携わることになりました。とはいえ、まだまだ駆け出しの入社3年目。「考える」どころか、右も左もわかりません。慌ただしく立ち働く諸先輩方の邪魔にならぬよう、ただただ気配を殺していました。
どうして自分が「考える人」なんだろう――。
手持ち無沙汰であった以上に、居心地の悪さを感じたのは、「考える人」というその“屋号”です。口はばったいというか、柄じゃないというか。どう見ても「1勝9敗」で名前負け。そんな自分にはたして何ができるというのだろうか――手を動かす前に、そんなことばかり考えていたように記憶しています。
それから19年が経ち、何の因果か編集長に就任。それなりに経験を積んだとはいえ、まだまだ「考える人」という四文字に重みを感じる自分がいます。
それだけ大きな“屋号”なのでしょう。この19年でどれだけ時代が変化しても、創刊時に標榜した「"Plain living, high thinking"(シンプルな暮らし、自分の頭で考える力)」という編集理念は色褪せないどころか、ますますその必要性を増しているように感じています。相手にとって不足なし。胸を借りるつもりで、その任にあたりたいと考えています。どうぞよろしくお願いいたします。
「考える人」編集長
金寿煥
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