「エッセイ」一覧
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第9回 母のこと、父のこと
計らいは「がん封じ乃椿」 6年前の遍路でも世話になった安芸の友人宅に泊めてもらい、脚を休ませることにした。翌日は朝から篠突く雨となった。休むにはちょうど良い。母……
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第28回 「淡さ」論――「味巧者」への道
「淡さ」というセンス・オブ・ワンダー 「日本人っぽさ」について、「食」の観点から考えてみたい。かなり抽象的な話になると思うが、決してナショナリスティックに「日本……
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第8回 カイロスと呼べる自分だけの時間
ゴロゴロ浜に山頭火を重ねて ホテルを出て間もなく、小島と小島の間から朝日が昇りはじめた。朝焼けがしだいに濃くひろがる海を左手に、国道55号を進む。入江で今日も一……
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義母、はじめてのショートステイに挑戦
愛犬ハリーが亡くなり、もう何もかも投げ出して寝ていたいと思う日々なのだが、後期高齢者介護は私を待ってはくれない。ほぼ連日、ヘルパーステーションから、デイサービ……
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第7回 身体を軸にして見、考えること
ふと気づくとそこにいる蜘蛛 スーザンは50代前半、オランダでは禅のインストラクターをしている。これが人生二度目の海外旅行。20年前にニューヨークへ夫と行ったのが一……
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田瀬理夫に聞く、良いデザインとは? 前編
現代は〈デザインされたもの〉で溢れています。日用品や衣食住に関わるもの、街、旅、教育さえも商品化され、その商品の広報のためにもデザインが不可欠となっています。……
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7.思考のクセを自覚する――人生のシナリ……
この人になら話せるかもしれない。話してみよう、といざ話し出しても、はじめからスラスラと思い通りに言葉が出てくるわけではない。 話し出してみないとわからないつ……
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第27回 素晴らしき哉、メニュー!
あり得たかもしれない「注文」 食堂で注文をする。今回は親子丼にした。実は前の日から生姜焼きを食べたかったのだが、嫌な予感がしたので親子丼に変えてみたのだ。 油……
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第6回 「因」があって「縁」が生まれる
「それは自然に逆らっとるわ」 Oさんに蹤(つ)き、慈眼寺(じげんじ)を目指して宿を出た。小学校の校長をされていたOさんは声が大きく、包み込むような温かさで誰とでも接……
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第5回 光明は苦海にしか射さない
転んだことにも意味がある? 血で汚れた服を洗濯し、シャワーで手足や顔の傷口を洗い手当てをする。布団に寝転がり休んでいるといつの間にか土砂降りの雨になっていた。 ……
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松本清張はよみがえる!「嫉妬」と「格差」……
(20)批評家・酒井信の10冊
週刊誌をめくり、ワイドショーにチャンネルを合わせれば、現代でも松本清張(1909~1992)が描いたような「嫉妬」や「復讐心」、「格差」や「生きづらさ」に起因する事件……
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6.相手を信用するとは?——プール理論
話すのが怖いと感じても、相手を信用して出してみる。自分から先に出すことで信用していることを証明する。するべきこと自体は明確だが、人を信用するというのは目に見え……
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第4回 歩き遍路が抱えているもの
タトゥーの巨漢の無垢な笑み 終始他者に気を配り、控えめな智恵さん。どれ程の悲しみを抱えて遍路にやってきたことだろう。「お母様が守ってくださっていますよ」「こち……
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第26回 志村けんの水割り――酒とコント……
ただ「酔っ払いたい」だけ なぜ酒を飲むのか――。 そんな本質的なことを考えないまま、日頃から私は酒を飲んでいる。問いの答えは、強いて言えば「酔っ払いたいから」……
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さようなら、ハリー
突然のことで驚かせてしまうかもしれないが、愛犬ハリーが亡くなった。 今年2月に癌が発覚した時点ですでに末期で、手の施しようもなく、余命はわずかだろうと獣医師に……
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第3回 人生を「どちら側」からながめるか
ズキズキと痛み出した右膝 7世紀後半、修験道の祖とされる役小角(えんのおづぬ)が石鎚山(いしづちさん)で修行をしたことで、四国は山岳信仰の場となり、同じく天平年間に……
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野池政宏に聞く、住まいの省エネとは? 後……
(前編はこちらから) AIと省エネ住宅 堀部 野池さんは省エネ住宅の方法論についてはかなり確信を得ていると思うのですが、そうした間違いのないエコハウスをつくるための……
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野池政宏に聞く、住まいの省エネとは? 前……
私は建築設計を30年以上やっていますが、建築学科出身ではなく筑波大学で環境デザインを専攻していました。学生時代はバブル経済の最盛期であったものの、筑波という土地……
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5.なぜ話せないのか?——自信と信用につ……
飲み会の帰り道の虚しさ 友人が数人集まる飲み会に行って、近況報告などをあれこれ話して、たくさん笑って楽しい時間を過ごせた。それなのに、帰り道になんだか少し虚し……
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祝100回!
様々な事件が勃発する村井家、ハプニングの神様に愛されている村井家、大ピンチなのになんとなく逃げ切る村井家……そんな村井家の日常を綴ってまいりました『村井さんちの……
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第2回 遍路という“トポス”
父の供養も目的の一つ 9月17日、徳島市内のホテルに前泊した私は、JR高徳線で一番札所霊山寺(りょうぜんじ)の最寄り駅板東(ばんどう)駅へと向かった。二輌電車の中にたっ……
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第25回 パンと親父と満腹社会
朝の親父の絵ヅラ 実のところパンが好きではなかった。 現に今も好きではない。というか、パンのことが“頭にない”と言うほうがしっくりくる。普通「好き」ならば、何か……
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第1回 歩かざるを得ない生
芭蕉、山頭火、寅さん 逍遥する、散歩をすることを英語でsaunterという。 19世紀半ばに『森の生活』を著したヘンリー・ソローによれば、この言葉は「中世に国中を放浪……
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第24回 私のモスバーガー物語――土俗の……
帰郷してすぐに副店長 モスバーガーで働いていたことがある。 今から30年前のことだ。 前回に引き続き、「自分の料理遍歴」のようなものを書こうとしている。ファス……
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とは
はじめまして。2021年2月1日よりウェブマガジン「考える人」の編集長をつとめることになりました、金寿煥と申します。いつもサイトにお立ち寄りいただきありがとうございます。
「考える人」との縁は、2002年の雑誌創刊まで遡ります。その前年、入社以来所属していた写真週刊誌が休刊となり、社内における進路があやふやとなっていた私は、2002年1月に部署異動を命じられ、創刊スタッフとして「考える人」の編集に携わることになりました。とはいえ、まだまだ駆け出しの入社3年目。「考える」どころか、右も左もわかりません。慌ただしく立ち働く諸先輩方の邪魔にならぬよう、ただただ気配を殺していました。
どうして自分が「考える人」なんだろう――。
手持ち無沙汰であった以上に、居心地の悪さを感じたのは、「考える人」というその“屋号”です。口はばったいというか、柄じゃないというか。どう見ても「1勝9敗」で名前負け。そんな自分にはたして何ができるというのだろうか――手を動かす前に、そんなことばかり考えていたように記憶しています。
それから19年が経ち、何の因果か編集長に就任。それなりに経験を積んだとはいえ、まだまだ「考える人」という四文字に重みを感じる自分がいます。
それだけ大きな“屋号”なのでしょう。この19年でどれだけ時代が変化しても、創刊時に標榜した「"Plain living, high thinking"(シンプルな暮らし、自分の頭で考える力)」という編集理念は色褪せないどころか、ますますその必要性を増しているように感じています。相手にとって不足なし。胸を借りるつもりで、その任にあたりたいと考えています。どうぞよろしくお願いいたします。
「考える人」編集長
金寿煥
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