シンプルな暮らし、自分の頭で考える力。
知の楽しみにあふれたWebマガジン。
 
 

「ことば」一覧

亀のみぞ知る―海外文学定期便―
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(28)Don’t call me an……

 アメリカにおいて、人を区別する上での最重要要素は性差と人種と貧富である。特に最初の二つは線も比較的引きやすいから、小説を読んでいてもこれらについては、登場人物……

小さい午餐
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呉のクリームパイ

 2010年に新潮新人賞を同時受賞した太田靖久さんとオンラインでトークイベントをした。イベントは大阪の書店toi booksさん主催で、太田さんの単行本『ののの』の出版を記……

今福龍太×真木悠介「宮沢賢治の気流に吹かれて」
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第3回 賢治が夢見たユートピア

(第2回へ戻る) 今福 『気流の鳴る音』には、「統(とう)禦(ぎょ)された愚」と題された章がありますね。人間が何かをするということはそれ自体すでに愚行なのだけれども、……

今福龍太×真木悠介「宮沢賢治の気流に吹かれて」
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第2回 人類の絶滅への想像力

(第1回へ戻る) 今福 現代を生きるわれわれは人命の喪失にたいして過度に感情的な受けとめをしがちで、自分の肉親、とりわけ子供の命が失われることが究極の悲劇として捉……

今福龍太×真木悠介「宮沢賢治の気流に吹かれて」
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第1回 互いの湖を呼応させる

今福 はじめまして。今日は必然と偶然の錯綜する環が巡り巡って、ついに真木悠介(見田宗介)さんとの邂逅が叶い、心が昂ぶっています。本来なら真木さんとはもう二○年も……

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坪内さんがどうしても書きたかった物語

 そのタイトルを耳にしたのは、いつのことだったか。おそらく神保町か、新宿の酒場での雑談の中で、坪内さんの口から囁かれたように記憶している。しかしその囁き具合はあ……

最後の読書
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33 「こんどは熱中症かよ」の夏(読書日……

8月7日(金)  1938年生まれの私が、もっとも熱心に映画館にかよっていたのが1950年代から60年代にかけて――。  そしてこれは、つい最近、ちくま文庫で刊行された濵田研吾……

亀のみぞ知る―海外文学定期便―
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(27)中篇小説の意外な爆発力

 スコットランドのグラスゴーに生まれ、イングランドのマンチェスターで育ち、現在はアイルランドのダブリンに住む作家セアラ・モスの2018年刊中篇のタイトルはGhost Wall……

小さい午餐
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山の公園の麺類

 涼しくなってきた。山にある公園にきのこを見に出かけた。屋内より屋外の方が、都会より田舎の方がより人の密度が低いだろうという判断だが、皆が同じようなことを考えて……

釈徹宗『天才 富永仲基 独創の町人学者』試し読み
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序 早すぎた天才

天才の条件  富永(とみなが)仲基(なかもと)は天才である──。  それを最初に言ったのは内藤湖(こ)南(なん)でしょう。内藤は仲基のことを「日本が生み出した第一流の天才」……

亀のみぞ知る―海外文学定期便―
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(26)切実な漫才

 2018年秋にケヴィン・バリーが日本に来てイベントを一緒にやってものすごく面白かったのだが、そのとき印象的だったのは、初対面の僕相手でも、ケヴィンがセンテンスの終……

今福龍太×小川洋子「デクノボーという知恵をさがして」
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後編 風から聞いたきれぎれの物語

(前回の記事へ) 「生前の死」にさかのぼる時間感覚 今福 もうひとつ『小箱』の中の一節で、印象に残ったところなのですが、乳母車が出てきます。これも小箱の一種なんで……

今福龍太×小川洋子「デクノボーという知恵をさがして」
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中編 「小さい」という世界

(前回の記事へ) でこ、ぼこ、きなきな、こけし 今福 デクノボーという言葉は、あの「雨ニモマケズ」に使われているので、賢治について考えるためのキーワードのようにな……

今福龍太×小川洋子「デクノボーという知恵をさがして」
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前編 デクノボーは「言葉以前の人」

『ヘンリー・ソロー』と『小箱』のつながり 今福 僕の『宮沢賢治 デクノボーの叡知』は昨年9月末に出ましたが、ちょうど同じ頃に、小川さんの久しぶりの長編小説『小箱……

小さい午餐
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中華の黄ニラ

 夫が救急車で運ばれたと電話があった。交通事故だという。電話は本人からで、病院へ来てくれとのこと、事情はわからないが、本人が電話をかけてきた以上命に別状ないのだ……

やりなおし世界文学
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(21) 涎と悪魔と妄想の規律――コルタ……

   「よだれ」というのはあまりにも強い言葉なので、小説の中ではめったに使わない、というか使ったことがないように思う。「涎」と漢字にしてみてもその威力は変わらず、……

最後の読書
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32 新型コロナ下でカミュを読む

 ――アルベール・カミュの『ペスト』がベストセラーになっている。  4月15日、郵便受けからとってきた朝日新聞の夕刊で「感染症扱う小説や歴史書に注目」という見出しの記……

亀のみぞ知る―海外文学定期便―
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(25)青と白の出版社

 フィッツカラルド・エディションズは2014年に設立されたイギリスの小さな出版社である。まだ全部で60数冊しか刊行していないにもかかわらず、すでにノーベル賞作家を二人……

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スタッフによるビュッフェ

 用事があり人と会った。「あーどうも! ご無沙汰してます」あ、え、4ヶ月ぶりとか?「久々ですよねー」彼女も個人事業主、新型コロナウイルス感染症の影響で2ヶ月くらい……

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(24)笑っていいとも?

 「カルト的人気」とか「忘れられた古典」とかいう宣伝文句を見ると、つい買ってしまう。買ってしまうのだけれども、結局ツン読で終わってしまうことも多い。これではいけ……

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ラーメン屋の肉野菜炒め麺

 衣替えのときに入れておいた防虫剤が効果切れになっているのに気づいた。ドラッグストアへ買いに行く。この前室内でヒメマルカツオブシムシの成虫を見た。極小のてんとう……

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(23)人格者の選んだ怪奇譚集

 レアード・ハントは内容的にも文体的にもいまアメリカでもっとも興味深い作家の一人である。彼の最新作In the House in the Dark of the Woodsについてはこの連載の第5回……

小さい午餐
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お肉の弁当

 お昼のお弁当を買いに行こうと子供を誘った。先月から引き続き、子供がずっと家にいる。仕事の都合で実家に預ける日も多いが今日は1日2人で家にいる予定だった。夫は仕事……

安田菜津紀の写真日記
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「なぜ政治に発言をするのか」という政治的……

  #検察庁法改正に抗議します というハッシュタグとともに、多くの声がSNS上であがっている。黒川弘務東京高検検事長の不可解な定年延長、議事録さえ残されていない法……

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考える人とはとは

 はじめまして。2021年2月1日よりウェブマガジン「考える人」の編集長をつとめることになりました、金寿煥と申します。いつもサイトにお立ち寄りいただきありがとうございます。
「考える人」との縁は、2002年の雑誌創刊まで遡ります。その前年、入社以来所属していた写真週刊誌が休刊となり、社内における進路があやふやとなっていた私は、2002年1月に部署異動を命じられ、創刊スタッフとして「考える人」の編集に携わることになりました。とはいえ、まだまだ駆け出しの入社3年目。「考える」どころか、右も左もわかりません。慌ただしく立ち働く諸先輩方の邪魔にならぬよう、ただただ気配を殺していました。
どうして自分が「考える人」なんだろう―。
手持ち無沙汰であった以上に、居心地の悪さを感じたのは、「考える人」というその“屋号”です。口はばったいというか、柄じゃないというか。どう見ても「1勝9敗」で名前負け。そんな自分にはたして何ができるというのだろうか―手を動かす前に、そんなことばかり考えていたように記憶しています。
それから19年が経ち、何の因果か編集長に就任。それなりに経験を積んだとはいえ、まだまだ「考える人」という四文字に重みを感じる自分がいます。
それだけ大きな“屋号”なのでしょう。この19年でどれだけ時代が変化しても、創刊時に標榜した「"Plain living, high thinking"(シンプルな暮らし、自分の頭で考える力)」という編集理念は色褪せないどころか、ますますその必要性を増しているように感じています。相手にとって不足なし。胸を借りるつもりで、その任にあたりたいと考えています。どうぞよろしくお願いいたします。

「考える人」編集長
金寿煥


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